引き続き、銀座・伊東屋で開催されているシステム手帳サロンのレポです。
11月14日・15日はノックスブレイン社が販売するフラッグシップモデルのシステム手帳であるオーセンを製造する職人さんによるコバ磨きを目の前で見せていただきました。
私自身もオーセンのユーザーですが、オーセンのコバ処理は細部までとても丁寧に美しく仕上げられており、この処理は職人の手によって一つ一つが磨かれていくものです。
普段お目にかかれないような作業工程を見学させていただき、とても貴重な時間を過ごさせていただきました。
そしてサプライズもたくさんいただきました(^^)
オーセンのコバ磨き
さて、ここで出てきたコバ磨きというものについて。
コバというのは、革製品の端っこ、切れ端・切り口の部分のことを言います。上の写真で見る端っこ部分ですね。
現在この状態では普通に裁断された後の状態でザラザラとしていますが、この部分を職人さんの手によって磨いていく作業となります。
この処理の仕方によって革製品の見栄えにも大きく差が出てくるとともに耐久性にも関わってきますのでとても大切な工程です。
こちらがアフリカンブラックウッドという信じられないほど硬い木で作られたコバを磨くための道具(スリッカー)。このスリッカーを使ってコバを磨いていきます。
こちらがコバを磨くためのもので、右側赤い容器に入ってるのがお湯、真ん中の透明な液体がCMCというノリの様なものです。
お湯については硬い革のコバ処理する際に少し柔らかくする為に必要なようです。
CMCを塗ってからスリッカーで丁寧に一ヶ所ずつ磨き上げていきます。
コバを処理する前と処理した後のオーセンです。※奥が処理した後のものです。本当にお美しいですね。(^^)
オーセンで使われている革
さて、今回のイベントではオーセンのコバ処理だけではなく、オーセンやプロッターで使われている革も展示されていました。
まず、オーセンの全体的に使われている革がこちらで成牛のショルダー部分を使用しています。
成牛の革を使う事でオーセンならではの革の硬さが作られており、この革素材ならではの革の鳴きが味わえるわけです。
ちなみにフランスでは部位単位に業者が異なるようで、ショルダーはショルダー専門の業者から仕入れられるとのお話をお聞きしました。
続いて、内側のポケットやペンホルダーに使われている東京ピッグスキン。
ペンホルダーの部分やポケットの一部に東京ピッグスキンか使われています。
最高級フランス産原皮の良質なショルダー部分を時間を掛けて100%植物タンニン鞣しで仕上げたヨーロッパタンナーの革と、同じくフルタンニン鞣しで仕上げられた東京伝統のピッグスキン(豚革)という最強の革を組み合わせてオーセンは作られている訳です。
また、今回のイベントではオーセンのなめし方法であるタンニン鞣しに使用する材料も展示されておりました。
これらの植物性の素材をなめす際に調合してなめしていくとのことです。
mimosa(ミモザ)、quebracho(ケブラコ、ケブラチョ)、chestnut(チェストナッツ)などのタンニン成分を多く含む植物をなめしに使っているようです。オーセンなどのタンニン鞣しの工程を経る革には使用しないようですが、syntheticという合成なめし材も展示されていました。
銀面磨き
続いて革表面の仕上げ。この工程を行う業者は少ないようで工程の名前は無いようですが、オーセンは銀面を磨いてツヤを出す手間をかけているようです。
購入当初から美しいツヤがでておりますが、仕上げとして写真右側の道具で表面を擦って表面の雰囲気を整えていくとの事。
写真にはヤスリホルダーと書かれていますが、ヤスリが付いているわけではなく布がかぶさっています。
写真に写っている革に、0回、1回、2〜3回と書かれていますが、この工程を何度も重ねることでオーセンの輝きが生まれるのですね。動画で見せてもらいましたが、体格の良い職人さんが両手で体重をかけて表面を磨いておられました。
サプライズ1 お土産
最後に、今回オーセンとプロッターで使用している革の切れ端をお裾分けして頂きました。
右からオーセンの表面に使われている牛革、東京ピッグスキン、プロッターで使われているプエブロです。
革の切れ端、革にさほど興味がない方が貰っても嬉しく感じないかもしれませんが、私にとっては宝物レベルのお土産でした。
頂いた革の切れ端は出来るだけ空気に触れさせず、光にも当てないようにして(エイジングをさせない)現在使っているオーセンやプロッターのエイジング状況を確認する為に使用したいと思います。
サプライズ2 Myオーセンのコバ磨き
もう一つのサプライズとして、私が使用しているオーセンのコバを職人さんが磨き直してくれました。
改めてツルツルの状態になって本当に嬉しい!
ちなみに私のオーセンは約8か月の使用です。どれくらいのエイジングが進んでいるかも比較させて頂きましたので、写真をアップします。
普段使っている自分としてはあまりエイジングが進んでいるようには感じていませんでしたが、新しいものと並べるとかなり進んでいますね。
今後どんな状態になっていくのか、引き続き楽しみです。
以上、銀座伊東屋 システム手帳サロン、ノックスブレインさんのイベントレポでした。