IT系の契約形態の中でSESってどんな契約?実際はどんな感じなの?

ITエンジニア

アナログ的な趣味が多いよしぞーですが、実をいうと仕事はIT。え?ITなの?似合わん。と言われてしまいそうだけど、この業界で約20年働いているからそこそこ長くIT業界に居座ってます。あ、もちろんエンジニアじゃないですよ。

で、今日はIT業界の話。IT業界で働いている人であれば、多くがSESという言葉を聞いたことがあると思うし、またSESという契約形態で仕事をしている方も多いはず。

SESはシステムエンジニアリングサービスの略で、別名「準委任契約」。

概要としてはエンジニアがクライアント先に常駐して役務提供を行う契約形態の一つで、システム開発やインフラ環境の設計構築・運用を行う為にエンジニアがそのクライアント先の現場に赴いて役務提供をする際の契約に使われる。

SESというキーワードは契約形態の一種であるとともに、実際のところグレーと言われる事も多いのが事実。インターネットでSESと検索するとネガティブな内容が書かれている記事を多く見かけるし実際にグレーなSESを行なっている企業も多々。

今回はそんなSESという働き方について。

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SESとは

客先常駐して業務を行う契約形態は、今回のSES契約の他に「派遣契約」・「請負契約」という契約形態があるんだけど、まずはこの3つの契約形態のそれぞれの違いについて。

契約形態 指揮命令 約束内容
SES契約(準委任契約) ベンダー側 業務遂行
成果物はとわれない
派遣契約 クライアント側 業務遂行
成果物はとわれない
請負契約 ベンダー側 成果物を完成させる事
成果物に責任を持つ

表を見ると、SES契約と派遣契約では指揮命令者が異なるだけで、両方とも成果物を問われない契約になっています。少し掘り下げていきましょう。

この指揮命令者が異なる部分が本来大きな違いになるんだけど、実態としてはSES契約なのにクライアント側が指揮命令を行なっているケースがあり、これがSESがグレーと言われる一つの要因になるんですよね。グレーというか違法行為。

クライアント側も準委任契約(SES)という契約内容を理解せずに外注しているケースがあり、中には仕事を手伝ってくれている派遣スタッフレベルでしか考えてないのでしょうね。なので、「今空いてます?あれやって、これやって」と悪気もなく業務指示をしてしまうわけです。

ちなみに正しいSES契約では、少なくともベンダー側は実施責任者としての立場の者、それと作業者と2名以上がいないと成り立たず、クライアントはまず実施責任者に業務依頼を出しその依頼をもとに作業者が作業を行う流れです。

SESが主流な理由

派遣契約と同じようにSES契約の約束内容は成果物を問われない役務提供ですから、クライアント側が指揮命令を行える派遣契約を行なった方がシンプルです。それにも関わらずSES契約が主流になっている理由は、派遣契約を行うことはそれなりの難易度があるとともに、業界の現状や構造的にクライアント・ベンダーともに、メリットの高いビジネスモデルだから。

1. 派遣契約にはそれなりの難易度がある

1つ目の理由は、ベンダー側が労働者派遣を行うには労働者派遣事業の登録を受けている必要がありますが、労働者派遣事業の登録には金の問題、スペースの問題などクリアすべき事項が複数ありぶっちゃけハードルは高いです。ですので特別な免許の必要のないSESで契約することが多いです。

2. 人手不足でSESに頼らざるを得ない

次にエンジニア確保の問題。IT業界は仕事量に対して完全にエンジニアが枯渇している状態で、プロジェクトを受注することよりも受注したプロジェクトを対応するエンジニアを確保することの方が難しいです。本当に難しいです。信じられないほど難しいです。(3回言っておきます)

どれくらいの人手不足かというと、2019年10月時点でのIT・通信業界の有効求人倍率は7倍を超える状況。1人の求職者に対して7社が会社に入社してくれとラブコールを送っているという状態です。

ITに転職するなら今がチャンスですよ!(業界全体がホワイトに変わってきてますし。これホント。)

有効求人倍率とは?

有効求人倍率は、有効求職者数に対する有効求人数の割合で、厚生労働省が全国のハローワークの求職者数、求人数をもとに算出して毎月発表。有効求人数を有効求職者数で割って算出し、倍率が1を上回れば人を探している企業が多く、下回れば仕事を探している人が多いことを示します。

だから有効求人倍率7ってすごい数字なんですよね。そんな人手の足りない状態なので、クライアント側は対応しなければいけない仕事が大量にあるのに関わらず人手が足りず、技術者の集めやすいSESに頼らざるを得ないといった状況なのです。

シンプルに仕事を減らせば?と感じてしまうかもしれませんが、ITは納期の定められた法改正の対応、セキュリティやトラブルへの対応など後に回せない優先度の高い業務が多いのが実情で、対応できる正社員が空くまで待つ・派遣社員が紹介されるまで待つといった悠長なことを言ってられない実情もあるのです。

派遣契約であればベンダー自社で雇用契約しているスタッフをクライアント先に派遣する形になるので、必然的に契約できる人数はそのスタッフ数が上限になりますが、今の時世、空いているエンジニアなんてほとんどいません。プロジェクトの切れ目のタイミングで上手くアサインできれば良いのだけどまあ本当にタイミング次第なわけです。あと空いているとしたら仕事があまり得意でないエンジニア・・・

その点SESなら、そのベンダーの社員を指揮命令者におけば、さらにその先の外部ベンダーの社員やフリーランスを使って作業者を増やしていくことも可能なので、早期にプロジェクト体制を作り業務対応することが可能になるわけです。いわゆるゼネコン構造。

それとベンダー側からみると、外部ベンダー(下請け)の社員を使って体制を作ればクライアントの要望に応えることができるとともに、なおかつベンダーの体力(スタッフ数)だけでは得られない売上や利益を見込めるというわけ。

10人体制が必要なプロジェクトがあったとして、自社に提供できるエンジニアが一人しかいなかった場合、派遣なら1人分の売上しか立ちませんよね。でもSESならその1人のプロパーを実施責任者を立てて残りの9人は外部ベンダーのエンジニアで体制を作れば、10人分の売上が立つイメージ。シンプルに人月100万円だとして派遣なら月100万円。SESなら1000万円の売上が立つわけ。クライアント側も発注先が一つになるので管理しやすいでしょ。

人の集めづらい派遣契約より、人の集めやすいSESの方がクライアントにとっても仕事を請けるベンダーにとっても都合が良いということです。

でも実体として、こういった体制を作ったとしても指揮命令体制が整っておらず、SES契約にも関わらずクライアントが指揮命令を行っていたり、ベンダー社員が実施責任者として存在しないのに外部(下請)ベンダーの社員が現場で働いていたりするケースも多々。

まあサクッとトラブりますし、こういったことがSESがグレーと言われる訳。SESという名で契約しているものの実態は派遣。さらに酷い場合は二重派遣、三重派遣といった多重派遣が普通に起こっちゃうんですよね。

多重派遣

本来派遣契約というのは、【クライアント→ベンダー→派遣スタッフ(正社員)】の三者によって成り立ちますが、多重派遣は【クライアント→ベンダー→ベンダー→作業者】というようにクライアントと派遣されるスタッフの間に複数のベンダーが介在する(複数の派遣契約が存在する)もの。当然だけど法律違反。

※SES契約を結んでいる場合は書面上は違法じゃないけど、SES契約を結んでも指揮命令がクライアントである場合は、実態は派遣契約と同じなのでダメ。

エンジニアにとってのメリット・デメリット

SESという形態で働くエンジニア側のメリットについても。私が以前いた会社はSES、派遣、請負それぞれの契約形態にて仕事してましたので、それぞれのメリット・デメリットを実際に見て感じ取ることができました。

エンジニア側から見た大きなメリットはSESだと技術者として自身の狙っていきたい方向性に対して適した業務に就きやすいことかな。会社側の意向に従うこともある程度必要(この客開拓したいからこの案件やってみたいな)ですが、請負での業務と比べて触れたい技術にチャレンジしやすいのがSESに感じます。派遣も同じようにやりたい仕事を選べるけど派遣は雑用も増える。

ちなみに請負じゃダメなのかというと、請負は納品義務が生じる(納品できないとお金をもらえない)為、ベンダー側としては挑戦的な仕事を受ける際は慎重になります。例えば、世にあまり情報が出回っていない最先端の技術を要する案件と、これまでに納品実績の多数ある技術の案件があり同じ1000万円の予算であれば、ベンダー側としては確実に納品できる後者を選びます。でもエンジニア側だったら最先端の技術に携わりたいですよね。

それと、一つの会社にいて様々な企業の文化を学べる・様々な技術に携われるのは現場常駐ならではの魅力かと。

デメリットはSESで外での勤務が続くとどこの社員か分からなくなりますね。最初の頃は営業さんが来てくれていたのに気づいたら自社とコンタクトを取るのは年に1,2回(案件が変わる時だけ)というのもざら。※自分もSESで現場に出ていたことがあるので体験談。

でもそれ自体は自分はデメリットとも感じなかったかな。客と一緒に過ごす方が楽しかったし。

それとこの場合、きちんとしたフォロー体制の中で業務していないと、評価の基準が客の気分次第になってしまうのでアホくさくなる事ありますよ。評価面談の際、実際の働きを見ていないのに客から聞いたくだらないトピックだけを掻い摘んで上からの目線であたかも全てを見ているかのように会話されるとイラっと来る事間違いありません。

まとめ

SESは色々考えることも多いし、構造的にも深すぎてぶっちゃけ自分レベルが纏められるものじゃないっす。まあどんな契約形態の中でも良い仲間と目標もって楽しく働きたいっすね。

以上。

コメント

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