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【プラチナ万年筆 ブライヤー】素材の素晴らしさ・変化の楽しさを味わえる細部までこだわり抜いたお買い得感の高い木軸万年筆

プラチナ ブライヤー

プラチナ万年筆の #3776 Century ブライヤーというブライヤー素材が使われた万年筆です。

写真で見ても分かるように一般的な木軸とは異なる独特の模様とオーラを放っていますね。

今回はプラチナのブライヤー万年筆を紹介致します。

プラチナ万年筆 #3776 Century ブライヤーレビュー

ブライヤーについて

ブライヤーについて簡単にお話しすると、ブライヤーとはエリカ・アルボリアというヒース科の落葉低木の根瘤(こぶ)の事を言います。

地中海沿岸地方、ギリシャ、イタリア、スペインが主な産出国で、以前はフランスのコルシカ島で産出するブライヤーは良質といわれてましたが、山火事で全滅し現在は入手困難です。また、アルジェリア北部で産出するブライヤーは幻のブライヤーとも言われており、戦前フランスの植民地時代にヨーロッパの各パイプメーカーに輸出されていたとか。

ブライヤーの根瘤はやせた厳しい条件の土地で、樹齢25年~100年と長い年月をかけて生育したものが採掘されます。掘り出されたばかりの根瘤には、小石や砂を噛んでいるもの・虫食い・ひび割れなどがある為、それらを選別し、加工品の形状に合わせた木片に裁断され、釜で煮立て樹脂や樹液を取り除き、乾燥させた後に出荷されます。

ブライヤー材の特徴としては、非常に硬く、耐熱性に優れ、独特の美しい木目が現れるなどの特色を兼ね備えていることから、喫煙器具のパイプなどに用いられる高級素材として知られています。パイプは熱い火にも耐えうることからも耐熱性の高さが納得できます。

万年筆の軸材としても木目が個性的で美しく、使うほどに光沢が出て味わい深いものになる為、人気の高い素材です。

プラチナブライヤー万年筆の特徴

ブライヤー
さてブライヤー材を用いた製品の特徴としては、光沢塗装によってツルツルな表面に仕上げる技法や、木地に生漆(きうるし)と呼ばれる透けた漆を刷り込んで仕上げる「拭き漆」という技法など複数の技法があります。

プラチナのブライヤーは後者の拭き漆仕上げが採用されており、拭き漆は生漆を木地に塗り、専用の拭き取り紙で余分な漆を拭き取る作業を丹念に繰り返すことで光沢は抑えられつつも美しい艶のある仕上がりになります。

ツルツルでピッカピカな状態に仕上げられたブライヤーのような店頭に並んでいる時からの派手さはありませんが、木材そのものの自然な温かみと美しさを活かした表情になっているとともに、日々愛用することで徐々に深みのある光沢へと変化していきます。


なお、プラチナブライヤーには、ブライヤー(薄)とアカブライヤー(濃)の2種類が販売されています。
私は最初明るい色のブライヤーに魅力を感じましたが、アカブライヤーの濃いマーブル調にも味があって甲乙付け難く感じますね。
一つ言えるのは両方ともエイジングによる艶・光沢を出していくのが非常に楽しみなオーラを醸し出しており、いつも触っていたい、そんな気持ちにさせてくれます。


ペン先はプラチナ万年筆の十八番と言える定評のある#3776センチュリー仕様の14金ペン先が付いています。一般的なセンチュリーと同タイプのペン先ですから書き味は抜群です。

字幅は細字・中字・太字の3種類が発売されており、私は両方とも迷わず太字(B)をチョイスしました。センチュリーの太字は5本ほど持っていますが、ペン先のしなりは少ないもののどれもぬらぬら感が高く、インクの上をペン先が滑っているような感覚で筆記できるのでお勧めです。

ちなみにプラチナブライヤーに#3776センチュリーのペン先が搭載されたのは2012年夏・秋頃からのようで、この仕様変更によって従来品よりも書き味やインクフローを向上されたようですね。

サイズ


ブライヤー万年筆のペン先は#3776センチュリーと同じものが採用されていますが、軸全体のサイズは一般的な#3776センチュリーと比べて一回り大きなサイズになっています。


こちらの写真が一般的な#3776センチュリーとのサイズ比較となりますが、胴軸もキャップも両方ともブライヤーの方が長く作られています。

天冠や胴軸の後端部分の美しい丸みを帯びた仕上げにもこだわりが感じられます。
美しい曲線を描いたバランス型というデザインを採用していますが、プラチナのブライヤーは天冠部分までブライヤー材で丁寧に作り上げているのが素晴らしいですね。天冠のような細かな部分の加工は非常に手間がかかる作業となる為、樹脂製パーツで代用されてもおかしくないのですが、しっかりブライヤー材で統一し丁寧に加工されているのがプラチナ万年筆のこだわりを感じられるポイントです。

スリップシール機構が採用されていない


一つ不満をあげれば、プラチナ万年筆自慢のスリップシール機構は搭載されておりません。
万年筆のキャップの嵌め方には、大きく分けて嵌合式(かんごう)とネジ式の二種類がありますが、ブライヤーは嵌合式というキャップをパチンと嵌める方式です。
勘合式の万年筆はネジ式のものよりも密閉性が低く、ペン先が乾きやすいものなのですが、キャップを閉めた状態で、キャップと胴軸を別々の手で持って動かすとぐらつく(多少の個体差はあれどどれもぐらつきます)レベルです。

この万年筆にもスリップシール機構が搭載されれば完璧なのにとは思いつつも、インクを入れたまま放置しなければ特段問題もありませんし、嵌合式は嵌合式で使い慣れると便利でスムーズに書き始められるので日々使用する実用品と考えれば大丈夫だと感じます。

リーズナブル感が高い

ブライヤー
さて、一般的にブライヤー材が使われた万年筆は非常に高価になります。
ブライヤーだけに限った話ではありませんが木で万年筆を作るには、木を伐採してすぐに材木として使える訳では無く、様々な工程を経て素材として使えるようになりますので、一般的な樹脂や金属で作られた万年筆とは比較できないほどの時間を要します。

同じブライヤー材を使った万年筆として有名なのがセーラー万年筆にもブライヤーを採用した「キングプロフィット ブライヤー万年筆」が販売されていますが、こちらは税抜き150,000円。それに対してプラチナ万年筆のブライヤーは定価30,000円です。

もちろんセーラーのブライヤー軸はキングプロフィット仕様ですから、作りは豪華ですしサイズ感も仕上げの方法も異なります。ボディ全体的に非常に光沢のある仕上げになっており、最初から驚くほどの美しさを醸し出しています。ブライヤー材にも様々な等級(ランク)があり、加工・仕上げの方法も複数ありますので、一概に比較できませんが12万円の差は驚きます。

30,000円という価格がけして安いとは言えませんが、#3776センチュリー仕様の書き味と合わせブライヤーという素材を十分に楽しめる事を考えると非常にリーズナブルな価格でラインアップされていると感じます。

このプラチナブライヤーが高い評価を得ている理由は、30,000円という価格帯にもかかわらず素材の希少性だけでなく、万年筆としての実用性の高さ、そして細部までこだわった加工からくるものだと感じました。

お買い得感の高い木軸万年筆です。

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よしぞー

よしぞー

万年筆、ボールペン等の筆記具沼・ゲーム沼・美容沼、そして革沼など複数の沼のほとりにて、物欲のままに暮らしてます。このブログは使用した物のレビューを中心に好きなことを気ままに書いてます。ご覧になられた方が一人でも多く沼に堕ちてくれたら嬉しいです。

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4 件のコメント

  1. はじめまて。元ステージアです。
    いつも楽しく拝見しています。(プラチナ西、ヘリテイジ、ラミーサファリのオーナーです。)

    ショーもない箇所ですが、誤記と思われますので連絡します。

    >同じブライヤー材を使った万年筆として有名なのがセーラー万年筆にも>ブライヤーを採用した「キングプロフィット ブライヤー万年筆」が販
    >売されていますが、こちらは税抜き150,000万円。それに対してプラチ
    ・・・・・
    15億円高すぎます。

    • 元ステージアさん、はじめまして!
      うわっ!!お恥ずかしい誤記を見つけていただき感謝です。苦笑
      15億円の万年筆があったら逆に見てみたいですね^^;

      • 偉そうな事は言えません。私も、誤記の嵐です。仕事でのメールでも、、、。
        確かに、3万円くらいが私の限界です。私は、インクの色が楽しめる透明タイプが好きです。今どうしようか考えているのがカスタム823です。たっぷりとインクを飲めるのでいっぱい書けます。でも、それだけ使うのかと自問自答して半年が過ぎました。どうしようか、、。

        • 元ステージアさん、返信遅くなりましてすみません!
          カスタム823良いですね。
          大量のインクが入れられるしボディがスケルトンだから残量確認できるので、太字でインクを楽しみたいところですよね^^

          > でも、それだけ使うのかと自問自答して半年が過ぎました。どうしようか、、。

          あわわ。。
          私、こちらに関してはコメントできる立場にはおりませぬゆえ・・・笑