【CROSS Blue Black】ぬらぬら感が高く最強に気持ちよく書けるブルーブラック。一本持っておくと非常に便利な推しインク!

CROSS Blue Black ブルーブラックインク

万年筆のインクを選ぶ際にまず考えるのがインクの色。好みの色を見つけ出して万年筆に合わせたり、また筆記する内容・用途によってインクを変えていくというのも万年筆ならではの楽しみ方。

数え切れないほどの種類があるインクの中から「これだ!」という色のインクを選んでいくのはとても楽しい作業で、気付けば同系色であっても買い集めてしまうこともありますね。

さて、そんな一般的なインクの楽しみ方以外にも、インクは万年筆の性能を引き出す為のツールという考え方もあります。私自身の場合は、同系色のインクが複数あった場合、繊細な色の違いを追求していくのではなく、インクの性能を気にします。

と言いますのは、シンプルに言えば万年筆に合わせるインクによってその万年筆の書き味が全く異なって来るんですね。

今回紹介するCROSS社のBlue Blackインクは、欠点もありつつ良い意味で万年筆の性能を引き立たせてくれる素晴らしいインク。CROSSのブルーブラックを使っているというユーザーをあまり聞くことはありませんが、私の中では推しのブルーブラックインクとなっています。

CROSS Blue Black

万年筆インクの性能を図る上で「粘度」・「表面張力」といったキーワードがあります。以下は趣味の文具箱Vol.40にて記載されていた粘度・表面張力に対しての考え方で以下のような差が生じます。

  • 粘度が高い:
    ぬらぬらした書き味、インクの乾きが遅い、インクが洗浄しにくい、インク切れしやすい
  • 粘度が低い:
    さらさらした書き味、インクの乾きが早い、インクが洗浄しやすい、インク切れしにくい
  • 表面張力が高い:
    インクフローが渋くなる、にじみにくい、インク漏れが起きにくい
  • 表面張力が低い:
    インクフローが良くなる、にじみやすい、インク漏れが起きやすい

インクという同じ液体でどれほど違ってくるの?と考えてしまいますが、実際に粘度の高いインク・低いインク、表面張力の高いインク・低いインクを使い比べてみると書き味は全く異なってきます。

また、万年筆側にもインクフローの良いペン先、フローの渋いペン先といった状態があります。

この組み合わせによって、インクフローの良い万年筆に粘度が高く表面張力の低いインクを入れると、字幅が一段太くなるくらいの感覚が得られると思いますし、表面張力の高いインクを入れれば急にフローが悪くなったりもするのです。

万年筆の場合、一般的に一度インクを入れた後は何度もインクを変える事がない為、フローが渋いとそのまま我慢するか、フローを改善させるためにペン先調整に出してしまいがちになるのですが、そういった際にインクを変えてみるとフローや書き味が一気に改善するケースも多くあるのです。

さて今回紹介するCROSS社のBlue Blackがどのポジションに位置するかというと、趣味の文具箱にCROSS Blue Blackの数値が載っていないため正確には分からないのですが、私の感覚からすると「粘度が非常に高く表面張力の低いインク」と位置付けています。

粘度が高い事で非常にぬらぬらとした書き味が得られる反面、インクの乾きは遅いです。また表面張力が低い事でインクフローが抜群に良いのですが、紙に滲みやすいし、また裏抜けもしやすいインクです。

※裏抜けする・滲みが生じるのを紙の問題と考えるケースが一般的ですが、抜け・滲みはインクにも大きく影響されますのでその辺りも気にしておくと良いと思います。

そういった特徴がありますので、多少インクフローの悪い万年筆であってもCROSS社のブルーブラックを飲ませる事でインクフローが良くぬらぬら度の高い万年筆として筆記ができるのです。

インク比較検証

さて、インクによって書き味がどう変わるのかを検証したのが以下となります。

同じ万年筆にて、属性の異なるインクを入れ替えて書き味と筆跡の差を確認するという検証で、今回検証に使ったのはペリカン社のブルーブラックインク。ペリカンBBは、粘度が低く表面張力が高いので裏抜けや滲みは起こりづらい反面、ぬらぬらとした書き味は味わえませんし、インクフローも渋くなりがちです。

ペリカンBB:粘度が低く、表面張力が高いインク(粘度:0.95mPa・s・表面張力:63.03mN/m)
CROSSBB:粘度が高く、表面張力の低いインク(数値は不明)

CROSS BBとは正反対の性能であるペリカンBBとの比較で書き味がどう変わるかを検証してみました。

まず、ペリカンBBを万年筆に入れて筆記、その後ペリカンBBを抜いて洗浄し、続いてCROSS BBを入れて筆記した結果がこちら。

書き味を写真で伝えることは出来ませんが、CROSS BBで筆記した部分は一段太くなっていることが伝わるかと思います。

CROSS BBのインクの色合い

インクの色は下の写真で見て分かるように、ブルーブラックの中でも紫が強いブルーブラックインクです。

手元にあった3種類のインクで書き比べてみると以下のような色合いです。

このパープル系のブルーブラックに関して好き嫌いは分かれると思いますが、個人的には好きな部類です。また、複数の紙で筆記していますが、レッドフラッシュしづらいのも一つの特徴かなと感じています。(個人的にレッドフラッシュは嫌い。ブルーブラックインクならブルーブラック色で書かせてよって思う)

まとめ

CROSS Blue Black
ここまでの話では大変素晴らしいインクになるのですが、性質上の弱点もあって、「乾きづらく」「裏抜けしやすく」「滲みやすい」のも特徴。他のインクでは全く裏抜け・滲みが生じない紙であってもCROSSのブルーブラックで筆記すると裏抜け・滲みが生じるケースもあります。

そう言ったインクですので、言い換えればCROSS Blue Blackで抜けない紙なら裏抜けしづらく滲まない紙とも言えます。(紙を製造しているメーカーさん、裏抜け・滲みのチェックはCROSS ブルーブラックで行うと良いですよ!)

  • この万年筆はインクフローが渋い
  • この紙は裏抜けするからダメ
  • このインクは滲むからダメ

と、単体としてみたときの不都合な要素でダメと決めつけてしまう事がありますが(自分も昔はそうでした)、万年筆とインクの組み合わせ、そして紙の組み合わせ・バランスによって筆記感や筆跡の状態は大きく異なってきます。

CROSS Blue Blackというインクを使っていて、このノートには合わないけど、別の紙であれば全く滲まなく裏抜けもしないパターンもある訳で、そういった紙と合わせられれば最高の書き味と最高の筆跡を残せる組み合わせになります。抜群の組み合わせを探すのは沼の究極の楽しさであったりしますよね。

CROSS Blue Blackは、万年筆のインクフローに違和感を感じた時、ぬらぬらとした書き味を味わいたいときの一本として是非持ってていただきたいインク。トップブランドのインクは値段が張る傾向にありますが、CROSSのインクは62.5mlの大容量にも関わらず定価2,200(税込み)とコスパも良いのでおすすめです。

以上、CROSS Blue Blackの紹介でした。

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