ビジネススーツに合わせられる普段履き用の革靴として、デザインと質が良い革靴がほしい。でもあまり高いお金はかけたくない。(かけれない)
リーガルの弟分でケンフォードというブランドが、評判が良くネットで安く買えると聞いたけど実際はどうなのだろう?
私は以前、ケンフォードの革靴でも最も売れている定番のストレートチップKB48AJを購入し、履き潰すまで履きました。
この記事では、履き心地、サイズ、周りからの印象、劣化状態など感じたことをレビューします。
目次
ケンフォードKB48AJを選んだ理由
私は営業職の為、日々革靴で外回りをしていることが多いです。革靴を履いての平均歩数が1日1万歩平均を超えていますので、それなりに歩く歩数も多いタイプです。。
KB48AJを購入した当時は、靴にかけられるお金がありませんでした。そのため、
- とにかく安いシューズであること(1万円前後で買える)
- でも安いシューズに見られないこと(ここ重要)
- 可能ならパーティーや冠婚葬祭でも履けるドレッシーさを持つデザイン
- 雨の日にも履きたい
- 履き潰すことが前提
そんな観点から見つけたのがケンフォードのシューズ。
そしてケンフォードのシューズの中でも、どんなシーンでも合わせられ、使い勝手の良いストレートチップであるKB48AJを選んだのでした。
ケンフォードKB48AJってどんな靴?
ケンフォードはリーガルが展開している日本の革靴ブランドです。
リーガルの弟分的立ち位置で、リーガルの丈夫な作りと履き心地を受け継ぎつつ、コストカットできる部分はしっかりとコストカットしてリーズナブルな靴を作っているのが特徴です。
ケンフォードのコンセプト
リーガルの弟分として生まれたオリジナルブランド「ケンフォード」。
“丈夫で履きよく”を正統に受け継ぎながらリーズナブルで上質。
デビュー当時から引き継ぐトラディショナルなスタイルと、
ベーシックながらもほどよくトレンドを取り入れたデザインを展開しています。
私が購入したKB48AJは、ケンフォードの中でもベストセラーと言われる靴で、定価は12,650円(税込)。インターネットでは1万円を切る価格帯で購入が可能です。
靴の形状は、ビジネスはもちろん冠婚葬祭やパーティーなど、最もフォーマルでどんな時でも使えるストレートチップタイプです。
甲革には鏡面加工されたステアが使用されており、ソールはラバーソール、製法はセメンテッド式が採用されています。
甲革(アッパー)のステアってどんな革靴の素材?
ステアという革は、生後3〜6ヶ月のうちに去勢された、生後2年以上の雄の成牛の皮から作られたものです。
革靴素材の中で高級品と呼ばれているカーフやキップなどに比べると、きめ細かさや柔らかさは劣るものの、厚みがあり強度が高い革が作れます。一般的な革靴で最も多く使われている革ですね。
KBN48AJはステアを鏡面加工する事で、美しい艶感を最初から出すとともに撥水加工処理を施すことで雨にも強い作りになっています。
セメンテッド式の製法とリーガルの革靴との違いについて
靴の底づけの方法は様々ですが、ケンフォードの靴はセメンテッド製法が採用されています。
セメンテッド製法は糸で縫い合わせる代わりに、アッパー、インソール、アウトソールを接着剤で貼り付ける製法。
セメンテッド式製法のメリットとしては、機械による大量生産が可能で安価に作れるとともに、デザインの自由度も高い為、多くの靴で採用されています。また、接着剤でくっつけられている為、水の侵入にも強く雨天時に履く革靴としても重宝できます。
逆にデメリットは、接着剤でくっつけられている為、パーツの交換が難しいことです。
その為、基本的には使い捨ての靴になります。
ちなみにより本格的なシューズになると、グッドイヤーウエルテッド製法という縫い合わせによる製法となります。グッドイヤーウエルテッド製法で作られた革靴はメンテナンス性能が優れ、パーツの交換が可能ですが、その分値段が高くなります。
メンテナンスを定期的に行う方であればグッドイヤーウエルテッド製法で作られた革靴、メンテナンスをあまり行わない方はセメンテッド製法のシューズがおすすめです。
リーガルとケンフォードの普及価格帯の革靴は同じ革素材(ステア)が採用されていますが、それぞれの値段の違いは、リーガルはグッドイヤーウエルテッド製法で作られており、ケンフォードの靴はセメンテッド製法によって作られていることです。この製法の違いがケンフォードの革靴が安く作れる一番の理由です。
ケンフォードKB48を履いてみた感想・評価
ケンフォードの革靴を実際に履いてみた感想をまとめます。
履き心地
ケンフォードはさすがリーガルの弟分ブランドというだけあって、日本人の足の形にしっかりと配慮した作りです。
そのリーガルブランドならではの履き心地と合わせ、KB48AJは3Eのワイドサイズであり、またくるぶし部分も低く設定されているので、最初からすんなりと違和感なく履けました。
革靴によっては最初足の形に合わず、少しずつ馴染ませていくケースもありますが、最初からすんなり履けるシューズであることは嬉しかったですね。
ネガティブ要素もお話しすると、ソールが低く、中敷とアウトソールの間にクッション素材は入っていない(もしくは少ない)為、クッション性はいまいちで地面との着地感はダイレクトに伝わってくるように感じます。
とは言いつつ、一般的な歩き方では踵から着地して歩くので、足の甲側の着地感はそこまで意識する必要はないのかもしれません。
また、ラバーソールであればどのシューズも同じですが、レザーソールの靴と比べて通気性が悪いです。汗をかきやすい方は蒸れやすいでしょう。とは言いつつ、レザーソールの革靴を購入しようとすれば安くても3万〜4万円スタートになります。
ネガティブ要素もありますが、1万円で購入できるシューズと考えればポジティブ要素の方が高いシューズだと感じます。
サイズ感
私がケンフォードKB48を購入した際、普段別のブランドにて履いていた革靴のサイズと同じ25.5cmをチョイスしました。履き始めはちょうど良く感じましたが、時間と共に緩さを感じるようになりました。
リーガルブランドのシューズはサイズに対して少し大きめに作られているケースが多いので、ワンサイズ下の25.0cmを選んでも良かったと感じています。3Eで横幅も広いので尚更でしょう。
※その後に購入しているリーガルブランドのシューズは全て25.0cmの2Eがベースです。最初は少しきつくても数週間でジャストフィットします。
なお、革靴の足への馴染み方には2種類あり、一つ目は革が馴染んでいく、二つ目は中敷のコルクが足の形状に変化していって馴染んでいくというものが挙げられます。
ケンフォードのシューズは高価格帯シューズのように中敷にコルクは入ってませんので、履いていて馴染むのは革部分のみですが、それでも購入当初と比べて緩く感じるようになりました。
手入れがとにかく楽・ガラスレザーの恩恵を得る!
ケンフォードKB48AJのアッパーは、ステア革を鏡面加工で仕上げたガラスレザーと呼ばれる革素材で作られています。
ガラスレザーはエイジングを楽しめないというデメリットはあるものの、ブラッシングのみで艶感が損なわれず光沢のある状態で履き続けることができます。
また、ガラスレザーは乾燥させてしまったり状態が悪くなると革が割れてしまうケースもありますので、私は日常のブラッシングとあわせ、2,3ヶ月に一度はクリームで保湿を与える形で履き続けてきました。
すでに履き潰しの状態まできていますが、ぱっと見であれば綺麗な靴を履いていると見間違えられることもあるくらいです。
ケンフォードKB48を履いていて周りからの印象・評判
低価格な靴を履いている時に、気になるのは周りからの印象ですが、ケンフォードの靴を履いていて何度かポジティブな言葉をもらいました。
綺麗に磨き上げられてますね。とか、どこのブランドですか?デザイン良いですね。とかそういったコメントをもらえるのですが、そこでケンフォードの話をすると、これで1万円切るんだったら一足持っておいても良いですね〜という会話になります。
雨の日を始め良い靴を履きたくない時には本当に重宝するんですよね。
劣化状態について
この状態がケンフォードKB48AJを履き潰した状態です。約1年履き続けてます。かかと部分はヒールリフト部分まですり減ってしまいました。
この状態になるまでよく履き続けたと思います。(お恥ずかしい)
こちら裏側アウトソール。ラバーの突起もほぼなくなりツルツルな状態になっています。
中央部分を指で押すと凹んでしまうレベルまですり減ってしまいました。
また、接着剤で貼り付けているアッパーとアウトソールが少し剥がれ始めています。雨天時、まだ雨の侵入はありませんが時間の問題でしょう。
アッパーの革素材ですが、一箇所だけひび割れが入りました。
一箇所コバの割れも確認できました。
余談ですが、写真で見ると糸で縫われているように見えますが、この糸は高級に見せるための飾りであって、糸縫いされているわけではありません。
靴の内側で傷みやすいのがライニングですが、写真のように革が削れて穴が空いてしまいました。
改めて上から見た状態です。
総じてアッパーの革の劣化は少なく長持ちしている状態で、アウトソール部分の劣化が目立つ状態でした。
寿命を迎えてもアッパーはそれなりに綺麗な状態なのは、ケンフォードの推しポイントでしょう。
評判の高さは間違いなし!一足あると便利なおすすめシューズ
改めてケンフォードKB48AJについてまとめますと、1万円アンダーでそれなりにしっかりとした靴を求めるのであれば間違いなくおすすめの一足です。
良い靴を買ってメンテナンスしながら長持ちさせていくのが、靴との付き合い方としては理想であることは間違いありませんが、無い袖は触れません。
ソール交換などのメンテナンス性能に欠けるため、使い捨て靴になってしまうことが前提ですが、アッパーに使われている革が最後まで劣化しづらく艶のある状態で履き続けられるのも大きな魅力でしょう。
この革素材がヨレヨレになると痛々しいですからね。
靴に予算がかけられない、でもしっかりとした素材と作りの靴を履きたい、メンテナンスを楽に済ませたい、そんな方には十分満足できる一足です。
雨の日用の革靴としてもおすすめですね。