革靴を購入したら、すぐに履きたくなる気持ちを抑えつつ、長く気持ちよく履き続けていくために行っておきたいのがプレメンテナンス(プレメンテ)という儀式です。
プレメンテを行うことで、店頭で飾られてた際の汚れを取り除き、シューズを新たに自分のものとしてリフレッシュするとともに、革の状態を良い状態にして気持ちよく履き始める事ができます。
また、つま先の補強や革の栄養剤を使用する事で、より耐久性を持たせる事が可能です。今回は私が革靴を購入した際に行っているプレメンテの内容をお伝えします。
目次
プレメンテナンスの考え方について

どの道具を使う、どんなやり方が良いなど、プレメンテナンスの考え方は人によって様々です。結局のところ自分が良いと思った道具・方法で良いと思います。
プレメンテを行う目的は、
- 靴の出荷状態で付いているクリームやワックスを取り除く
- 店頭でついた人の手垢や汚れを取り除いてまっさらな状態にする
- 乾燥状態になってしまっている革に保湿を与える
- つま先などを補強して耐久性を強化する
と言ったところでしょうか。
平たく言えば、どのように保管されていたか分からないし、誰が触ったかも分からない靴なので、自分の手でまっさらな状態にしておくって事で良いでしょう。
それでは私が行っているプレメンテの方法をお話しします。
汚れを取り除き保湿を与えてあげる・合わせて艶も出す

まず真っ先に行いたいのが、革の状態のリセット。汚れ落としで革についている汚れを取り除き、その上で油分(保湿)を与え良い革の状態にしてあげる作業です。
人の顔で言えば洗顔フォームで毛穴の汚れまで落として、すっきりとした状態で化粧水や乳液を塗ってあげる感覚。
私が汚れ落としで愛用しているのはサフィールのユニバーサルレザーローション(白い容器のもの)。ユニバーサルレザーローションはビーズワックスとホホバオイルを主成分としたレザーローションで、これひとつで汚れを落とし、栄養と柔軟性を与えてくれます。
ユニバーサルレザーローション一本で革の状態もよく仕上がりますが、艶が出るローションではありませんので、最後の仕上げとしてCOLUMBUS の Brillo(銀の缶)のクリームを使用しています。
Brilloよりも艶の出るクリームは他にもありますが、個性が強すぎない事が気に入って愛用しています。
靴の中の革もケア。潤いをあたえ柔軟性をアップさせる

靴の中敷が革でできているものには、M.Mowbrayのリッチデリケートクリームで栄養を与えています。
リッチデリケートクリームは、アボカドから採油した「天然アボカドオイル」を主成分とした革用の栄養クリーム。化粧水のような感覚で、べたつかず革の深くまで浸透し、乾燥した革の潤い補給・硬化した革の柔軟性の回復・劣化防止・ハリを与える効果などの効果があります。
艶を出すクリームでは無く革の内部に浸透していきますので、足に直接当たる部分に使うクリームとしては最高だと思います。
とても良い香りがしますよ。
レザーソールにも栄養を与える事で耐久性と柔らかさがアップ

地面と直接触れ合うレザーソールは、ただでさえ磨耗しやすいパーツですが、潤いが無くなるとより摩耗しやすくなりすり減りが早くなります。
ソールモイスチャライザーは、レザーソール専用に作られた栄養クリーム。これでケアしておく事で、摩耗を抑えることにつなげます。また柔軟性も高まりますので、靴底の返りが良くなり歩きやすさも向上します。
耐久性と柔軟性を与えるクリームです。
つま先の補強でレザーソールのすり減りを防ぐ

靴底ついでにつま先の補強についてもお話ししておきます。
レザーソールの靴を購入したらプレメンテと合わせて行った方が良いのが、つま先部分に金属のパーツを嵌め込むこと。
シューズのメンテナンス屋さんで、2,000円〜4,000円程度で行ってもらえますが、これをやっておくとおかないとでは耐久性に大きく関わってきます。

ちなみに人によってはつま先部分が削れやすい人・削れにくい人がいますが、足が長く歩幅の広い人はつま先が削れやすいようですね。また、一定期間履いて、靴底が返って上を向いてくると削れにくくなります。
誰しもが必要かと言えばそうではありませんが、長持ちさせる意味ではやっておくに越したことはありません。
ちなみに市販のプレートにて、靴屋に持っていくよりも安く済ませる事もできます。
市販のプレートを使う場合は革底の上からくっつける形になるので、見栄えは劣りますが、やらずにつま先をすり減らすよりも全然良いでしょう。
鏡面磨きでピカピカな状態に

最後、靴によっては鏡面磨きを行うことによってつま先部分やかかと部分を鏡のようにピカピカな状態に仕上げます。
鏡面磨きに使われるワックスの主成分はロウで、ロウを靴に刷り込んでいくイメージです。ワックスを塗る・水で拭く・またワックスを塗る・水で拭くという作業を何十回と繰り返していくとハッとするような美しい艶が誕生します。
人の肌でいえばファンデーションで仕上げるイメージでしょうか。
また、鏡面磨きはロウでつま先部分の革をガードすることにも繋がりますので、傷や汚れから守るという効果もあります。
磨いている時は無心になれますので、心が疲れている時はぜひ鏡面磨きをすることお勧めします。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
革靴の開封の儀式としてプレメンテを行うことで、革靴の状態を良くするだけでなくより愛着を持って履けるようになります。
5年、10年と長く履き続ける靴ですから、最初から良い状態で履いてあげたいですよね。