【プラチナ万年筆 #3776 センチュリー】を買うならどれが自分に合う?それぞれの字幅の筆跡と書き味をレビュー

プラチナセンチュリーシリーズ 万年筆レビュー

プラチナ万年筆の#3776センチュリーシリーズです。

私が保有しているセンチュリーシリーズはいつの間にか増えていき10本となりました。10本のセンチュリーの中には一般的に販売されているセンチュリー以外にも、薫風や六花などのプラチナ万年筆社が出している限定品、銀富士・センスケ、ワーグナーなど専門店や団体のコラボ品なども含まれます。

センチュリーシリーズの字幅は、UEFという超極細から始まり、EF(極細)、F(細字)、SF(細軟)、M(中字)、B(太字)、C(極太)の6種類が基本の字幅としてラインナップされており、それ以外にMS(ミュージック)ニブが発売されています。オーソドックスな字幅UEF〜Cに関しては、通常価格13,000円、MSは20,000円という価格帯ですね。

また、以前は通常品として発売されていましたが、現在では限定品でしか販売されなくなったSM(中軟)という字幅も存在します。

私のセンチュリーシリーズは、MS(ミュージック)以外の字幅が全て揃うことになりました。ミュージック系のペン先はあまり得意ではないため購入を躊躇っているのですが、ここまで揃えたこともありますので機会があればお迎えしたいと思います。

今回はそれぞれのセンチュリーの特徴と各字幅についてレビュー致します。

プラチナ万年筆#3776センチュリーレビュー

色合い


まずセンチュリーの色合いですが、これまでの定番カラーとしては、ブルゴーニュ(赤)・シャルトル・ブルー(青)・ブラックインブラック(黒)の3色でした。

2018年にシュノンソーホワイトとローレルグリーンが定番色として登場したことで、合計5色が定番化。なんとなくの色分けのカテゴリとして、ブルゴーニュ(赤)・シャルトル・ブルー(青)・ローレルグリーン(緑)の赤・青・緑の定番カラー、そしてブラックインブラックとシュノンソーホワイトのカラーでの白黒カラーといった分類に感じ取っています。写真の雰囲気です。

#3776センチュリーというカテゴリで言えば、上のオーソドックスなもの以外に、他にもロジウムメッキされたもの、ニースシリーズ、富士旬景シリーズ、富士五湖シリーズなど様々なシリーズや限定モデルがあります。またブライヤーや屋久杉などの木軸、セルロイド系のボディ、蒔絵シリーズなども#3776センチュリーのラインナップとなります。

基本的には上の写真5つの定番カラーのものを#3776センチュリーと呼ぶのがシンプルだと思います。

値段に関して、2018年までは10,000円で販売されていましたが、2019年に値上げがあり定番カラーは13,000円と少し高くなってしまいました。値上がりしてしまいましたがセンチュリーシリーズは素晴らしい万年筆で、今まで1万円で提供してくれていたのが不思議なレベル。この値上げはプラチナを応援する値上げだと割り切っても考えて良いのだと思います。

話逸れますが、シュノンソーホワイトが少し大きく見えますね。白は膨張色ということでしょうか。

字幅

#3776センチュリーのペン先
左から、UEF・EF・F・SF・SM・M・B・C8種類のペン先です。字幅順に並べてみました。
ペン先の表面加工の特徴として、ゴールドとシルバーのタイプがオーソドックスなものに多く、ピンクゴールド、バイカラーのものは限定のものがほとんどです。

各字幅で筆記した筆跡は下記のようになります。

各字幅により筆記線の太さがだいぶ変わってきますので、その時々の筆記対象や気分によって字幅を変えて使う事になります。文章としての筆跡一覧も作ってみましたので合わせて配置します。


なお、平等性を図るため、いずれもインクはクロスのブルーブラックを入れています。※クロスのブルーブラックは粘度が高く表面張力が低いため、裏抜けや滲みが生じやすい反面、非常にインクフローがよくぬらぬらとした書き味が楽しめる個人的に推しインクです。

#3776センチュリー各字幅のレビュー

それぞれの字幅についてレビューしていきます。使用しているノートは7mm横罫のMDノートを使用しています。

字幅UEF

#3776センチュリー UEF
#3776シリーズの中で最も極細の筆記を楽しめるのがこのUEFという字幅。一般的にEFなど極細のペン先はインクフローが渋くなるため、UEFはそれ以上に渋くなるのかと使用前は心配しましたが、実際に使用してみると予想以上にスムーズなフローで驚きました。極細の筆記線でインクがスーッと流れ出る感じです。画数の多い文字であってもいっさい潰れる事なく書いていけるのはプラチナUEFならではと感じますね。

これだけ細いのですから欠点もあります。まず高速筆記には耐えられず筆記速度をあげてしまう(殴り書きイメージ)と、インクフローがついて来ずに文字がかすれてしまう傾向にあります。また万年筆ならではのぬらぬら感もなく、非常にカリカリとした書き味となります。

ゆっくりと丁寧に超極細文字を書きたい方にはお勧め。逆にメモなどスピードを求めるケース、サラサラと書き綴りたいケースにはお勧めできません。

字幅EF

#3776センチュリーEF

#3776センチュリーシリーズで初めて購入した万年筆がEFでしたが、シリーズ特有のペン先とした硬さやカリカリとした筆記感に最初は違和感を感じました。※それまで保有していたペン先が”#3776EFよりも太めのものだったため、それなりのぬらぬら感を味わえていた事もあり。

とは言いつつ、丁寧な文字を書くという観点においてはこのEFくらいのバランスが丁度よく、習字では大変重宝しているペン先になります。UEFと比較すると一段インクフローもよくなりますので、実用性のある使い勝手の中で極細文字を筆記できます。

自分も愛用していますが、硬筆習字で丁寧な文字を練習したい方には特におすすめの字幅です。
UEFよりもフローは良くなっているとはいえ極細である事には変わりませんので高速筆記でのフロー追従には期待しない方が良いです。

字幅F

#3776センチュリーF
バランスの良い細字。筆記線の細さやペン先の硬さ、カリカリとした抵抗を感じながらの書き味など細字万年筆の特徴がしっかり出る字幅です。
UEFやEFと比べると一気にフローが良くなるため、筆記速度を気にする必要なくサラサラと書いていくことが可能ですが、ぬらぬら感やインクの濃淡といった意味ではまだ期待しない方が良い字幅です。

なお、プラチナ#3776シリーズの通常字幅(軟調ペン先以外)全体に言えることですが、ペン先の弾力性は低いため(硬いガチニブ系のペン先)、他社の柔らかめの万年筆と比べると繊細な筆圧を筆跡として表現することは難しく感じます。

字幅SF

#3776センチュリーSF
プラチナ社の細字軟調ペン先であるSF。プラチナの軟調ペン先の特徴として、ペン先が横に割れず(スリットが開かず)、筆圧に応じて縦にしなる動きになります。筆圧をかけてあげるとふわふわと揺れるイメージです。

柔らかいペン先だと、その柔らかさを活かして味のある文字を書きたくなるのですが、意識して筆圧をかけると余計な力が入り良いことはありません。基本的には普段通りの筆圧で書いてあげると自然と味のある筆跡が残せるように感じます。

なお、筆圧の高い方がSFを扱うのは難しいので手を出さない方が良いです。(力を抜く練習にはなると思いますが)

正直好き嫌いの分かれるペン先だと思いますが、個人的には苦戦しているペン先の一つですね。

パイロットカスタム74SFとの比較も行なっていますので、合わせてご覧ください。

細軟が好き!「パイロットカスタム74SF」と「プラチナセンチュリー#3776SF」のレビュー&比較
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字幅M

#3776センチュリーM
とにかく優等生タイプの字幅で、どんなシーンにおいてもこの一本で対応してくれるペン先です。私は複数本のMを保有していますが、どれも辺りペン先(最近購入したものは特に当たり)で、これまでの細字ペン先と比べてカリカリ感が無くなりインクフローも急激に良くなります。

紙面へのあたりも柔らかく、万年筆ならではのぬらぬら感が楽しめるとともに、この字幅くらいからインクの濃淡も味わえ始められる字幅ですね。

字幅で迷ったらとりあえずMを買っておけば間違いありませんが、筆跡が太くなるため、7mm横罫だと一行に収めるのはギリギリになります。

字幅SM

#3776センチュリーSM中軟

ペンポイントの角度が正しい角度で紙面に当たった時、まるで無抵抗の中で筆記しているような感覚に陥ります。初書きした時に本当に驚きました。他でこういった書き味の楽しめるものはありませんので、いつかは一本手に入れていただきたい字幅です。

いつかはといったのは、こちらのSM(中軟)は通常のラインナップから現在は外されてしまっており、購入するのであればたまに発売される限定品を狙うしかありません。最近ですと、2018年に「薫風」が発売された際に、海外のみSMが販売されることになり話題になり、2019年の「六花」では中軟も数量限定で発売となって話題となりました。

限定以外だと、中屋万年筆の中軟を購入するしかありませんが、中屋は一気に値段が跳ね上がります。

なお、SMがラインナップから外れてしまったのは、売れなかったからではなく、他の字幅と比較して製造工数が非常にかかってしまうからだと聞いたことがあります。

字幅B

#3776センチュリーB太字

#3776シリーズの中で一番好きな書き味を誇るのがB(太字)です。紙面の上のインクの上をペン先が滑っているような書き味で、万年筆ならではのぬらぬら感をしっかりと味わえます。もちろんインクの濃淡もしっかり楽しめる字幅ですね。

筆記線が太いため、7mm横罫の一行に文字を収めようとするのは無理が生じますので、罫線は気にせずに書いた方が良いです。

普段使いはもちろん、打ち合わせ時の議事録、電話をしながらメモを取るなど「さらさら」っと書きたい時に最高で、購入以来主力選手として重宝しています。

字幅C

#3776センチュリーC極太
このシリーズで最も太い筆記線を表現できる字幅。インクフローの良さはもちろん万年筆ならではのぬらぬら感や濃淡をしっかりと楽しめます。
メモ、宛名書き、文字数の少ない文章を表現する際などには非常に便利ですが、B(太字)のバランスが素晴らしすぎて、個人的には使用頻度の低いペン先になっています。
とにかく太い文字を書きたい方にはお勧めの字幅です。

まとめ

以上、それぞれの字幅に対しての評価でした。個人的に感じるのは丁寧な文字を書きたいのであれば、ある程度の細字(EFかF)が良いと思いますし、万年筆ならではのぬらぬら感やインクの濃淡を味わいたいのであればB(太字)がお勧めです。太字で丁寧な文字を書こうとしても不思議とうまく書けない気がします。

#3776センチュリーシリーズは、14金大型ペン先が付いていながら、定番品だと13,000円からラインナップされているのもありがたいですね。

以上、プラチナ万年筆#3776センチュリーシリーズのレビューとさせていただきます。

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