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モンブラン149 レビュー・圧倒的な存在感と書き味に惚れ込む・万年筆の最高峰と言われる所以は

モンブラン マイスターシュテュック 149

「お金があれば149を買いなさい。お金がなければお金を貯めて149を買いなさい。」

万年筆ファンであれば一度は見かけたことのある言葉。

これは万年筆ファンのバイブルである趣味の文具箱vol.18の、「万年筆の達人」のコーナーに掲載されていた小野妙信氏の言葉です。

当時モンブランリペアマイスターという肩書きであった小野妙信氏は、お客さんからどんな万年筆が良いかと聞かれたらこう答えているのだそうです。

私がこの言葉を知ったのは初めての万年筆を購入し、万年筆の素晴らしさを知り始めていた頃。万年筆にハマれば必然とモンブランというブランドに興味を持ち始めるわけで、モンブランについて調べていく中でインターネット上で見かけました。

この言葉を知り、モンブラン マイスターシュテュック149がとにかく特別な存在であるかのような印象を植え付けられた思い出があります。

誰の言葉かまでは気にしていませんでしたが、後日Kindleにて趣味文のモンブラン特集を読んでいく中で改めてこの名言が登場し、小野妙信氏の言葉であることと、言葉の背景を理解しました。

当時は146と149で悩んだ結果、最終的には146を購入しました。

しかしこの言葉は自分の中にずっと残っており、いつかは149を手に入れたいと。

その後いくつもの寄り道をした上で、2018年にホメロスと80年代149をお迎えして念願の149オーナーとなったのでした。

さて、149を2本所有したことで、これまで抱いていた149に対しての興味は、物欲から筆記欲に向くかなと思っていたのですが、そうはなりませんでした。

149のコンセプトは同じでありつつも、製造された年代によって仕様が少しずつ異なっており、また書き味も違います。

149が発売された1952年からすでに70年近くが経過するわけですから、その時代にあった筆記事情や背景に合わせた開発を行ってきたのでしょう。

私の知人には各年代の149を所有している方がいて、それぞれの年代の149の書き味を楽しみつつ、そういった年代による違いの素晴らしさを外部に伝えようとしています。

「伝道師」、「エバンジェリスト」と言えば聞こえが良いですが、平たく言えば単なる沼人です。

落ちた沼人たちは、浅瀬あたりにいる純粋な人々を底に落とし込むことが生き甲斐のようで、自身には何も見返りはないのに伝道師という役割を引き受けます。

149に興味を持っているなんてオーラをほんの少しでも出せば、嬉しそうに自身の所有している各年代の149を次々と渡して試筆させながら年代による違いを説明してくれるのです。

身内に言われたことがある方もいるのではないでしょうか。

「ヴィンテージは身を滅ぼすから手を出すな・・・」

私自身もヴィンテージには近寄るまいと決めていましたが、149の年代ごとの違いは本当に楽しいもので、書き味は違えどどの時代のものも素晴らしく、これもよい!こっちも良い!!これは凄い!!!となり、少しずつで良いので集めたいという気持ちになっています。

私自身149のヴィンテージに関しては全くの素人です。各年代の149を目の前に並べられても、パッと見でこれがどの年代のものなのかは調べながらでないと分かりません。分かったとしても自分が保有している1980年代の149とサイズやホワイトスターの色が違う1950年代のものくらいだと思います。

これからの人生でゆっくりと年代ごとの149を収集して違いを楽しんでいくのも良いかもしれせん。

前置きが長くなりましたが、改めてモンブラン マイスターシュテュック 149をレビューしていきたいと思います。

モンブラン149の歴史と年代による変化

マイスターシュテュック 149が登場したのは今から約70年前の1952年になります。

マイスターシュテュックには様々なバリエーションがありますが149は後発の登場で、一番最初に登場したのが144と146で1949年です。その翌年の1950年に142が登場し、さらに2年後の1952年に149が登場したという流れです。

マイスターシュテュック自体の登場は1924年ですから、そこから28年の時を経て149が登場したということになります。

年代による変化と保有149の年代について

モンブラン マイスターシュテュック 149
149を年代別に分ける時、1952年からの初代、1960年代、1970年代中頃まで、1970年代後半〜1980年代前半、1980年代中頃まで、1980年代後半〜1990年代中頃まで、1990年代後半、現行・・・という分類をされます。

下の写真は全て149のペン先ですが、それぞれ年代が異なる為デザインや刻印も異なってきています。(これまでにたくさん149の写真を撮らせてもらってまして、各年代の149のペン先がPCに埋もれておりました)


1970年代の149。


1970年代後半〜1980年代前半の149。


1980年代149。


1990年代の149。

私が保有しているマイスターシュテュック149は上から3番目の1980年代のものになりますが、どういったところで1980年代と特定していくのか見ていきましょう。※趣味の文具箱を参考に調べています。

ペン先

80年代149のペン先
ペン先には14Kの刻印があり中白のバイカラーとなっていますが、1982年頃までの149には18C刻印・14C刻印であり、逆に1992年以降は18K中白となるため、1983年頃から1992年頃までのものだと特定できます。
なお、怖くて分解は出来ませんが、1980年代の14Kでも2種類があり、後半のものはコストカット穴が空いているようです。(首軸で隠れている部分です)

ペン芯

80年代149のペン芯
80年代149のペン芯
続いてペン芯。このペン芯は、1970年代後半から1980年代前半で採用されていた切り込みのあるエボナイトペン芯です。
この先の年代のペン芯は樹脂製のものに変更されています。

参考までに以下はホメロスのペン芯。樹脂製のもの。
ホメロスのペン芯
ホメロスのペン芯

キャップのネジの条数


1990年代中頃までの149は4条ネジ(螺旋の本数)が採用されており、1990年代後半からは3条ネジに変更されています。
私の149は4条ネジです。

胴軸と尻軸の間(ピストンガイド)

149のピストンガイド
ピンボケしていますが、胴軸と尻軸の間のピストンガイドが黒になっているのが伝わると思います。ここが黒の樹脂製になっているのは、1960年代から1980年代前半までの特徴で、それ以降はゴールドになっています。

クリップ


198年代前半までのクリップは撫で肩になっているのに対し、1980年代中頃からはいかり肩に変更されています。私の149はいかり肩ですので、1980年代中頃以降のものだと見分けられます。

まとめ

上記を見ていくと、ここは1980年代前半の仕様、こちらは中盤以降の仕様などが入り混じっていますが、トータル的に考えて1980年代前半から中盤のものだと推定しています。
こうやって年代を調べていくのもヴィンテージの醍醐味なのでしょう。

なお、この149を購入時、80年代という年代ものであるに関わらず中古ではなく新品を手に入れることが出来ました。その際、インクも同梱されていたのですが、その組み合わせがこちらです。

懐かしい靴型のインクボトルで中身はKINGS BLUE。使いたい気持ちもありつつ、かれこれ30年以上眠っていたのかと思うともったいなくて開封するのに躊躇してしまいます。

モンブラン149の特徴

万年筆の王道と言われる149ですが、シンプルに149の特徴を伝えるとボディ全体のバランスの良さと基本性能の高さだと感じています。ボディのサイズ感が絶妙すぎて自分でも不思議に思いますが、自然とペンを支えるだけの持ち方になります。

写真で伝えるとこんな持ち方しています。

人差し指の上に149を置いて親指で添えるだけです。この持ち方だと丁寧な筆記は難しいですが、自然とペンも寝て力が入りませんので、長時間筆記でも疲れが溜まりません。
また、149のペン先はコシが強くしっかりしている為、急いでの筆記や高筆圧にも十分対応するとともに、高速筆記にもフローがしっかりとついてきます。

丁寧さは意識せずに、長い時間書きなぐっていく時には149ならではの良さが発揮されるのだと感じますね。

それとペン先の形状のせいなのか、持ち方のせいなのかよく分かりませんが、筆記時の視界が広く独特の書きやすさがありますね。

モンブラン149の字幅


149の字幅は国産の万年筆と比べるとかなり太め。
私が保有している149は、80th149がF、ホメロスがMでして、パイロットのF・Mと比較すると上のような差が出ます。パイロットのMよりも149のFの方が圧倒的に太いですね。

個体差で太くなっている部分もありますが、他のFもそれなりに太い字幅になりますので、細字の149が欲しい場合は迷わずEFを選んだ方が良いかと思います。

次は現行のモンブラン149

最後に次に狙っている149ですが、年代物ではなく現行で販売されている149が欲しいです。字幅は現在保有していないEFもしくはBで。

現行の149のペン先は硬くてがっしりとしていますが、その堅牢さが最近の自分の好みだったりします。

また、ホメロス持っているんだから現行149はホメロスで良いのではとも考えましたが、調整師にホメロスを見てもらった際に現行149よりもホメロスの方が柔らかい感じがするという話を聞いてしまったため、やっぱり現行149が欲しい・・・となってしまっております^^;

お値段は可愛くありませんのでいつになるかは分かりませんが、どこかで手に入れたいと思います。

以上、モンブランマイスターシュテュック149のレビューとさせていただきます。

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よしぞー

よしぞー

万年筆、ボールペン等の筆記具沼・ゲーム沼・美容沼、そして革沼など複数の沼のほとりにて、物欲のままに暮らしてます。このブログは使用した物のレビューを中心に好きなことを気ままに書いてます。ご覧になられた方が一人でも多く沼に堕ちてくれたら嬉しいです。

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5 件のコメント

  1. 私は中学生の頃にノブレスを使い始め大学生の頃まで使っていました。その後、ソリテール146、149等を会社生活で使ってきました。で、万年筆を買うこと?が趣味の一つになり稀に新しいのを買います。ここ数年では作家のサンテクジュペリやグレートキャラクターのジェームスディーンを買いました。この1週間で今年の作家のビクトルユーゴを見にモンブランに行きました。すると、その店にはホメロスが未だ在庫であるとのことで、どちらを買おうか心が揺れ動いています。それで評判を検索して、ここに辿り着きました。達筆な字を拝見し、羨ましい限りです。

  2. 続けて、失礼します。私の149は2010年頃に小野さんに調整したもらいました。小野さんがモンブランでペンドクターとして、諸都市を回っている頃で、インクポンプが固かったので柔らかくして貰いました。この149は2000年以降のものですが、とても調子が良く何のストレスもありません。ただ、先の如くノブレスで育った私としては、もう少しペン先がしなる方が好きですが、そんなペンは何処にもない事が分かりました。2000年頃、フルハルタの森山さんにその旨を話したら、もう旅に出ちゃったねと言われて意味が分からなかったのですが、昨今理解出来ました。

  3. 始めまして 筆箱 整理してたら 出てきました
    ペン先が紅色です 14C  1980年ころ 頂きました
    上の子供がモンブランビルの上で仕事してるので
    あげようと思います 

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