製図用・絵描き用として強い人気を誇る、ぺんてるの「グラフギア1000」というシャープペンシルです。オールメタリックのボディによる質感のあるデザインが印象的ですね。
特徴的なのは見た目だけではなく様々な部分でこだわりがありまして、過去にはグッドデザイン賞』を受賞したことも。今回はこの製図用シャープペン、グラフギア1000(GRAPHGEAR1000)を紹介いたします。
グラフギア1000レビュー
グラフギア1000は、ぺんてる社より発売されている製図用シャープペンシルで、「グラフ1000 フォープロ」の後継モデルであり、「グラフギア500」の上位モデルという位置づけ。製図以外にも絵描き用として人気が高く、またデザイン性とギミックの面白さから普段の筆記でも使用するユーザーが多いシャープペンです。
芯径は、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.7mm、0.9mmの5つがラインナップ。私は0.4mmと0.5mmのグラフギア1000を保有しています。
実物を見たことはありませんが、過去にはボールペン版も存在していたようです。ネットで探すと0.5mm、0.7mmでニードルチップを搭載したグラフギア1000のボールペンが見つかります。もちろん販売はしていませんが。
それでは特徴をお話ししていきます。
ローレット+シリコンによるデュアルグリップ
グラフギア1000という筆記具の特徴的で面白い部分がグリップ部分。ローレットに加えてシリコンによるデュアルグリップ構造であることです。
単にローレットの無骨なグリップだけでなく、シリコンを重ね合わせることで独特のグリップ感が味わえるとともに疲れを軽減してくれます。
フルメタルで機械チックなグラフギア1000ですが、このプニプニとしたシリコンで急に可愛らしくもなるのも二重丸ですね。個人的に一番好きなポイントなので真っ先に書きました。
4種類の硬度が選べる芯硬度表示窓と芯径によって色分けされたボディ
シャー芯の芯硬度表示はHB,H,B,2Bの4硬度に対応。
硬度表示をもう少し増やして欲しいと思われる方もいるかもしれませんが、この4種類以外使わない方には特に問題にはならないでしょう。個人的に柔らかい芯が好きですが2Bで十分です。
また、グラフギア1000の芯硬度表示窓は窓を回す部分が硬めに作られているため「気付いたら回転してしまっていて別の硬度表示になっていた」という事がありません。
この辺りは非常に秀逸に感じます。
また、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.7mm、0.9mmがラインナップされていますが、それぞれ見た目だけで分かるように色付けされています。
0.3mmはオレンジ、0.4mmはグリーン、0.5mmがグレー、0.7mmブルー、0.9mmイエローとしており、グリップのシリコンラバーとGRAPHGEAR1000の印字部分の色で分別しています。
ペンケースに複数入っていて、取り出す際に色で分かるのは便利ですね。硬度や芯径違いで何本も愛用している方が多いのが分かります。
視界の広い4mmガイドパイプとダブルノック式のペン先保護
細身のペン先に加え4㎜ガイドパイプが採用。視界が広くとれ筆記時に線や文字が書きやすく定規も当てやすい形状です。この辺りは基本的な製図用シャープペンシルのスペックをしっかりと担保してくれていますね。
そしてガイドパイプにもグラフギア1000の特徴的なポイントが隠されています。
シャープペンをなんらかの拍子に、落としたりぶつけてしまったりなどでガイドパイプを折ってしまう事があります。
グラフギア1000のガイドパイプはそういったトラブル時の故障を防ぐためにダブルノックによるガイドパイプ収納式となっており、使わない時は口金の中にガイドパイプを収納する事ができるのです。この収納機能はありがたい仕組みです。
こちらが収納されている時の状態。
ガイドパイプの出し戻しはノックとクリップで行います。
ガイドパイプを出すときはノックを押して出し、収納する際はクリップの上の部分を押す事で収納します。
クリップの上部を押すと仕掛け部分が見えますね。
バネが非常に強いようで、ガイドパイプを収納する際は大きめな音でバチンという振動が。やり続けていると壊れてしまうのではと心配になります^^;
書き味
グラフギア1000はフルメタルボディのため重量は重めの部類に入ります。手に取ってみると誰もがしっかりとした重さを感じるはずです。
また、メタルボディの重さに加えて、製図用シャープペンの中では重心が比較的高い位置にあります。
クリップが金具で作られている分だけ高重心になってしまっているからなのだと思いますが、この高重心設計によりペンを立てようとするとさらに重さを感じてしまいます。
この高重心によるバランス・重みを良しとするかどうかは使い手次第だと思います。
私は普段から万年筆を使う事が多いせいか、ペンを寝かして持つ癖がついており、この高重心が万年筆のバランスと似ていて違和感なく筆記できますが、普段から低重心のシャープペンを持っているユーザーには正直合わないかもしれません。
その為、筆記感においても好き嫌いが分かれるシャープペンだと感じます。
そういった部分はありつつも、他のシャープペンには無い面白い仕様やカッコ良さという観点ではそこそこイケているのでは無いでしょうか。
以上、ぺんてるグラフギア1000のレビューとさせていただきます。
2 件のコメント
私は学生時代から製図用シャープペンシルを愛用しており、近年先端部の破損防止に気兼ねしないで済むグラフギア1000に辿り着きました。
しかしながら手汗をかきやすいためグリップ性能には若干不満が有ります。これ以前に愛用していたSTAEDTLERも長年使用していると金属製のグリップが摩耗して滑るようになりました。
そのため滑り止め部を硬質な微細模様付きステンレス製パイプに交換したところデザイン的にも良い感じになり、勢いあまってぺんてるさんに売り込んでみましたがお返事が貰えませんでした。
実際のところ筆記道具にステンレス製の痛いほど硬いグリップ部はやりすぎでしょうか?
技術者くずれの自称アーティストさん、こんにちは!
コメントありがとうございます^^
ご返信遅くなりましてすみません。
> 勢いあまってぺんてるさんに売り込んでみましたがお返事が貰えませんでした。
実際のところ筆記道具にステンレス製の痛いほど硬いグリップ部はやりすぎでしょうか?
あらら、お返事は頂きたいですね^^;
グリップする力の強い人・弱い人、皮膚の強い人・弱い人、そして汗をかきやすい・かきにくいなど様々な人がいるので、メーカーさんは開発にあたってバランスを見るのだと思います。
個人的には痛いほどの硬いグリップも触ってみたい気持ちはありますが、そういったユーザーは少数になってしまうのかもしれませんね。