万年筆を購入したらまず調整師に見てもらいましょうという話

万年筆の選び方・使い方

今回は万年筆を調整師に見てもらえる環境に住まわれているのであれば、万年筆を購入した後は、まず調整師に見てもらいましょうというお話。買ったばかりで調整師?というと不思議に思われそうですが、調整師に見てもらうという工程を一つ入れることで万年筆の選び方が変わってきますし、自分の書き癖にあった最高の状態で使い始めることが出来ます。

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購入時の万年筆の状態

同じメーカーの同じ型番の万年筆であっても書き味はインクフローの良いもの悪いもの・引っかかりのあるもの無いものなど様々です。

購入の段階で「インクが出づらい」・「ガリガリ引っかかる」といった明らかに分かるハズレ万年筆もありますが悩ましいのは中途半端なもの。それなりの書き味な個体です。

それなりの書き味の万年筆を調整師に調整してもらうと、

「あれ、これまでも書きやすいと思ってたけど、さらに書きやすくなった!」

的な感じで良い方向に変わるケースが多く私も何度もそんな経験をしています。ペン先調整を知らない方はその書き味を「そんなものか」と納得して使い続けてしまうわけです。筆記具としての役目は果たしているので良いと言われればそれまでですが、良い状態の書き味を知ってしまうと勿体無いです。

万年筆を購入する際に、販売店がその客の書き方・書き癖を確認した上でその客に適したペン先状態に仕上げて渡すというサービスがスタンダードになっても良いと思うのですがやってくれるお店は少ないですよね。※コストがかるし自己調整がメーカーの保証対象外になってしまう事からお店側でもそういったサービスには踏み切れないのかもしれません。

状態の見極め

私自身、万年筆との付き合いはもう長くなってますし、これまで数百の万年筆で筆記してきていますが、使っている万年筆がその万年筆において最高の状態なのかそうでない状態なのかの判断はできません。

もちろん、引っかかりなくインクフローも問題ないレベルくらいは分かりますが、100点が最高の状態としてみたとき、70点前後でもそれなりに納得してしまう自分がいます。

いつも同じ万年筆ばかりを購入して使っているのであれば良し悪しを判断するレベルが上がるでしょうが、毎回異なるメーカーの異なる字幅の万年筆を購入している訳ですから、この書き味がその万年筆の個性としての性能なのか、それとも個体差としてこういう書き味になっているのかは判断は付けられません。

調整師に聞いた話では、売られている時点で最高の状態に仕上がっている万年筆は少ないとのこと。

それは自分でも思い当たることは多く、試筆させてもらってあれ?と感じる万年筆も少なくありません。ある万年筆を購入する際は、当たりのペン先が中々見つからず何店舗も回ってこれだというものにたどり着いた事もあります。

また、試筆の際に書き味に違和感があり店員さんにペン先を見てもらったものの「特に問題はない」との回答を受けるが、やはり書き味が気になって後日調整師に見てもらったところ「これじゃインクでないでしょ」と調整してもらった後に抜群の書き味に生まれ変わったなんてこともあります。

結局のところ販売店の店員さんのスキルによるところが大きいのは事実で、販売することにかけてはプロであっても調整師レベルで万年筆の状態を見れる店員さんは多くないのかもしれません。

一般的には万年筆は万年筆専門店で試筆をしながら選ぶのが定説(理想)と言われており、その際には、

  • ペン先の書き味
  • ペンを持った際の感触やバランス
  • デザイン
  • 他の保有万年筆との差

などを確認しましょうと言われてますし、自分も確認しますが、

  • 個体差があり完璧な状態で仕上がっている万年筆がさほど置かれていない
  • 店員の中には状態を見分ける能力が低い方もいる

となってしまうと、一番重要なペン先の書き味においては試筆した際に書き味の良し悪しがわかる人であることというのか前提となります。

正直さほどいらっしゃらないのでは。

万年筆購入後は調整師に見てもらう

自分でペン先の状態をしっかり見られるようになれば越したことはありませんが、自分で見られないのであれば万年筆を購入したら調整師に見てもらうという工程を入れるのが、これからその万年筆と付き合っていく上で必要な工程です。

見てもらって良い状態なのであればそれでOKですし、パフォーマンス向上の余地があるのであれば調整を加えてもらうことで、その万年筆の一番良い状態で使い始めることが出来るわけです。

さて、どこで調整してもらうか。

ペン先の調整や万年筆全般のメンテナンスは大きな文具屋ではペンドクターがいらっしゃいますし、各メーカーや販売店・団体が定期的に行っているペンクリニックで診てもらうことが可能です。

私の場合はワーグナーと出会い、そこに参加されている調整師さんと知り合うことが出来ました。ワーグナーのイベント時に見てもらう時もありますし、先日ワーグナーの会長が立ち上げた万年筆談話室に持ち込む事もできます。

いつも同じ調整師さんに見てもらえるようになると、病院の主治医のような感覚で書き癖なども理解してもらえている上で調整してもらえるのは本当にありがたいです。

住まう地域的な部分も含めそういった環境にない場合は中々難しいかもしれませんが、ワーグナーは定期的に地方イベントを行なっているので、そういった際に見てもらうのが良いかもしれませんね。

どこで調整・メンテナンスをしてもらえるかについてはこちらの記事が参考になりますので合わせてご覧ください。

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