オーセンというシステム手帳バインダー。昨年の3月に購入し使い始めて1年が経過しました。
オーセンはノックスブレインのシステム手帳バインダーの中でもフラッグシップモデルで、ノックスブレイン30周年を記念して作られたモデル。
最高級フランス産原皮の良質なショルダー部分を時間を掛けて100%植物タンニン鞣しで仕上げたヨーロッパタンナーの革と、同じくフルタンニン鞣しで仕上げられた東京伝統のピッグスキンに日本の縫製職人が加工を施した贅沢なシステム手帳バインダーです。
以前オーセンについて記事を上げていますので、こちらも合わせてご覧ください。
革自身の油分により保革していくので手入れの必要がなく使っているだけで深い味わいと艶がつづく自然なエイジングが楽しめると公式サイトではうたわれております。
私もこのオーセンを使い始めた頃から革製品にクリームを入れることは控えており、オーセンに関しても一切オイルメンテを行なっていません。定常的にブラッシングで表面の汚れを取り除いてあげる程度のメンテナンスです。
今回はこのオーセンというシステム手帳バインダーが使用1年でどのようにエイジングが進んだかをお伝えいたします。オイルメンテ無しでどのように成長したのかもぜひご覧いただければと思います。
オーセンの使用1年でのエイジング状況
購入時のオーセン
まず、購入時のオーセンです。
購入当初から美しい艶を醸し出しており、ここからどのような状態になるのか使い始める時から楽しみでした。
使用1年でのオーセン
ここから現在のオーセンです。
まず表面。購入当初と比べて色合いが深くなりました。
ホックで普段隠れている部分の色合いが違ってきていますね。日に当たっている部分と当たっていない部分ではエイジングの差が出ます。
表面の傷はこれまでに何度もつけてしまっていますが、ブラッシングメンテで目立たなくなりました。
続いて開いた状態。
全体的にはこのような状態。
購入当初に比べてだいぶ風合いが変わってきています。
また、内側は様々なものと常時干渉してしまうため、表面よりも干渉跡が目立ちます。
ジッパーの跡
一番後ろのページにジッパーケースリフィルを収納していますが、ジッパーの部分が干渉して傷になってしまいました。
ペンホルダー部分
ペンのクリップが当たる部分の色が濃くなっていますね。
内側ポケット
常に外の環境に触れる部分と触れない部分ではこのような差が出てきます。
タンニンで鞣されてオイルをしっかり含んでいる革は、なんらかの圧力がかかるとその部分において中のオイルが表面に浮き出てきます。リフィル・ペン・カードなど革と干渉する部分の色合いが濃くなっておりますがまさしく干渉による圧力でオイルが浮き出てきたのでしょう。
さて、これらの写真だけではどれくらい色の変化があったのかが分かりづらいです。
実は私はオーセンで使われているショルダー革とビッグスキンの端切れを持っております。
左がショルダー部分の端切れ、右が東京ピッグスキンの端切れ。もちろんエイジングが進んでいない状態のものです。
昨年銀座伊東屋で開催されたシステム手帳サロンというイベントの際に頂いてきました。
こちらのイベント時です。
この頂いた端切れは、普段はエイジングが進まないよう日の当たらない場所で保管しており、エイジングを確かめる時だけ触るようにしています。
このような感じで現在使用していないシステム手帳のポケットに収納して本棚に収納しています。
この端切れをオーセンと並べてみましょう。
表面は端切れと比べるとかなり色が濃くなっており、最初の状態から2段階・3段階くらいのエイジングが進んでいるのが伝わりますでしょうか。内面に関しては1段階濃くなったような状態ですね。
その他の変化としては、購入時のオーセンはふっくらとした佇まいでしたが、この一年でぺったんこになりました。
普段カバンの中に詰め込まれていますので、当然ぺったんこになります。
また、オーセンは触る度に革の鳴き声を聞くことができます。ギュッギュッという音が鳴るのですが、その音を出すのが好きで毎日オーセンを握って音を出しています。この影響もあってぺったんこになってしまったのかもしれません。
まとめ
使用し始めて1年、ノックスブレインがうたわれている通りメンテナンスはほとんど無しで素晴らしいエイジングが進んでいます。色合いの変化だけでなく使用からくるよたれ感・オールド感といった使っているからこそ味わえる風合いも素晴らしく、購入した時よりも私にとってさらに大切な存在へと進化しました。
オーセンの表面を触った感触としては保湿されているというかしっとりとオイリーな状態が常に続いており(もちろんベタつくのとは違います)、外からのオイルは全く不要だな〜と分かるレベルです。
これからまた2年・3年と経過していった時、どんな表情にエイジングしていくのか本当に楽しみです。