万年筆デビューしたい。でもあまり予算はかけたくない。
仕事でも使いたいから、素材やデザイン・多少の見栄えにはこだわりたい。
そんな方にお勧めなのがパイロットから発売されているコクーンという万年筆です。
今回はこのコクーンをレビューします。
パイロット「コクーン」の紹介
概要
コクーンは、20〜30代の若い世代に向けた「はじまり」をテーマとした万年筆を中心としたパイロット社の新ブランド。万年筆以外にもボールペンやシャープペンも展開しています。万年筆は3,000円という低価格でありながらも、3,000円には見えない上質さと使いやすさを備えるエントリーモデルです。
今回紹介するコクーン万年筆は、万年筆を使い慣れない人でも扱いやすい硬めのステンレス製ペンを採用。ボディは美しい曲線で構成されたフォルムの金属軸で手に馴染みやすく、筆記時の重心バランスにも優れています。
2013年にはグッドデザイン賞も受賞した評価の高い万年筆です。
デザイン・素材
最初に目を引くのはシンプルでありつつも美しい曲線美。中央にかけてやや太くなっていく流線型のボディはデザイン的な美しさだけでなく、手に馴染み、握りやすいという実用性を兼ね備えた形状です。
この流線型の形状はコクーンだけでなく、高級万年筆の世界でも採用されています。
写真は上からモンブラン146、セーラープロフィット21、パイロットコクーン。こういった高価格帯の万年筆も流線型の形状を採用しています。
キャップを外した時と、キャップをつけた時。どちらもバランスが取れています。
また、形状的な部分だけではなく、実用的なデザインもしっかりと担保。キャップをはめる中央リング部分は段差によって滑りにくくなっているので、筆記時にストレスなく書けるのが嬉しいポイントです。
キャップの脱着部分に手を添える形でグリップでき、この段差によりグリップが固定されるという安心感が得られます。
ペン先はステンレスを採用
こちらがコクーンのペン先。万年筆のペン先は慣れない人でも扱いやすい硬めの鉄ペンといわれるステンレス製ペンを採用しており、ペンポイントのサイズはF(細字)とM(中字)の2種類が発売されています。
私はFを購入しました。
尚、このペン先は、同じくパイロット社のカクノという万年筆と同等のものが使用されています。
こちらはカクノとコクーンのペン先の拡大写真ですが、刻印は異なりますが形状は同じ。同じ字幅であれば筆記感もさほど変わりはありませんので、成果物としての文字は似たものになります。
ちなみにカクノは1000円の万年筆。
カクノとペン先が同じっていうと、1,000円の書き味か〜と思われるかもしれません。
ですが、カクノという万年筆が凄すぎるんですよ。1000円であの素晴らしい書き味と機能を実現したことが世間で万年筆が普通に使われるようになったわけですからたかが1000円の万年筆とは考えない方が良いと思います。
また、万年筆の構成要素として、ペン先だけでなく軸というのも重要な構成要素です。
軸の重みやバランス、質感、そういったものがペン先の筆記感と合わさって総合的な書き味に繋がっていくわけです。カクノとコクーンでは持った時の感触や重みも別物ですから、別の書き心地が味わえるといって良いでしょう。
なお、インクフローなど書き味については、さすがパイロットと言わんばかりで何の不満もなく気持ちよく筆記ができます。
カチッとハメ外しのできるキャップは、回転式のキャップと比べてスピーディーに操作ができ、仕事で使う際など急いで書きはじめたいときにも便利です。
下の写真はキャップを外してグリップしたときと、キャップを後ろに付けてグリップした時のイメージ。
キャップを後ろに付けると重心が後ろに来ますので、意識せずとも万年筆を寝かして筆記する事が出来ます。
コンバーターでインクを楽しむ
もう一つ、嬉しいポイント。
コクーンはインクのコンバーターを使う事が出来ますので、万年筆の醍醐味である様々なインクを楽しむ事が可能です。
CON-40というコンバーターが使用可能です。
できればインクを入れられる容量の多いCON-70が使えると嬉しいのですが、CON-70は挿さりませんでした。
こんな方にオススメ!
コクーンの素晴らしさは、3,000円という万年筆の中では低価格帯でありながらもデザイン性に優れており、かつ安心して筆記できる万年筆であること。
初めて万年筆を手にしたいが、使い続けられるか分からないので低価格帯のもので試してみたい。でもデザインや素材にはこだわりたい方。
カクノやプレピーなどで万年筆の良さを知ったので、もうワンランク上の万年筆を持ちたいという方。
また、コクーンのペン先は硬筆習字を行う上でも非常にバランスの良い書き味の万年筆です。きちんとした字を練習したい時にもおすすめの一本だと感じます。
他にもちょっとしたラフなプレゼントにも良いかもしれませんね。
ぜひぜひお試し下さい。