セーラー万年筆から限定で発売されたキングプロフィット「積層エボナイト」です。
ご縁あってお迎えすることが出来ました。
以前よりキングプロフィットはお迎えしたいと考えており、キングプロフィットならエボナイト軸と決めておりました。文具屋に立ち寄ったところこの積層エボナイト軸を展示し始めているタイミングでして、折角であればこの子をお迎えしようと決めた次第です。
キングプロフィット積層エボナイトについて
キングプロフィットとは
まずキングプロフィットについて簡単に説明しますと、セーラー万年筆プロフィットシリーズの頂点に立つ大型万年筆。
太くて長い大型のボディにペン先は21金の超大型ペン先が装着され、最高レベルの書き味と定評のある一本です。大きければ良いというものではありませんが、この大きさから得られる恩恵も高いものがあります。
サイズ感
どれくらいの大型かについて、同社の万年筆と並べてみましたのでご覧ください。
本体の大きさ
ペン先
大きいものからキングプロフィット、プロフィット21、プロギアスリムです。ペン先の大きさはプロフィット21との比較で1.5倍の大きさがあります。
※キングプロフィット本体の大きさは、φ20×153mm、エボナイト軸の重さは32.8g
他社で同等クラスとなる万年筆は、モンブラン149、ペリカンスーべレーンM1000、パイロットカスタムウルシあたりになります。
エボナイト軸について
さて、キングプロフィットシリーズでは、ボディ素材の異なる4種類が発売されています。キングプロフィットの後に、ST、ブライヤー、モザイク、そして今回購入したエボナイトとなりますが、エボナイト軸について同封の説明書きには下記の記載があります。
私がエボナイト軸を選びたかったのはまさしく特徴のある肌触りで、手に取った瞬間にわかるしっとりと手に吸い付くような感触です。特に汗ばんでいるような時にその威力が発揮されて汗による滑りが感じにくくなります。
キングプロフィットという大型軸ゆえに、軸を握るという感覚があまりなく自然と軸を支えるような感覚で持つことが出来るのに加えて、エボナイト特有の吸い付くような肌触りが相乗効果を成し他の万年筆と比較してほとんど力を入れずに持って筆記することが出来るのです。
なぜ私が力を入れずに持つことにこだわっているかというと、私昨年の9月より習字を始めましたが実は今年になって習字が原因で腱鞘炎になりかけたことがあります。
ペン習字で腱鞘炎?って感じですが、現実に起きてしまった事で、ペンを握って筆記していると腕の筋肉に鈍痛を感じる状態が続いてしまいました。
習字の時間はそれなりの時間を取っており、短い日でも1時間、平均すると2時間、週末などで時間があるときは5時間でも10時間でも書き続けています。
たかが筆記といえどそれだけ書く時間が長ければ筋肉にかかる負担も大きいようで、ダメージが蓄積されてしまったようで、練習がしたくて仕方ないのに腕が痛くて書けないなんて日々が続いてしまいました。
以前の記事でも書いてましたね。
そんな経緯もあり、腕に負担がかからずに長く書き続けられる万年筆を探し始めたのが事の始まりです。
自分が保有している万年筆を書き比べたり、万年筆専門店やネットなどで情報を入手する中で、現在これだと感じられるのが、太くて大きいエボナイト製の万年筆にたどり着きました。
なぜ高額なところに辿り着く。。。
当時私が保有していた万年筆だとそれに該当するのがカスタムウルシ。カスタム漆は大型のエボナイト軸で確かに軸を握るのではなく支える感じで書き続けられ長時間筆記にも耐えられます。
ただし、非常に柔らかいペン先と太字であるため習字には向かないことから、細字で硬目のペン先の付いた大型エボナイト軸を手に入れます。「笑暮屋」さんの万年筆でブログではまだ紹介してませんので別途紹介します。
※写真の奥のものが笑暮屋さんのエボナイト軸。意識してませんでしたが、今回お迎えしたものと同じような色合いのものになりました。
この笑暮屋の万年筆で習字を書き続けたところ、これまでのような腕の痛みが発生しないことと意識せずとも力を入れずに書き続けられる事が確認でき、通常筆記を楽しむための大型エボナイト軸という事でキングプロフィットにたどり着いた次第です。
エボナイト軸は高額ですけど相応の実力がありますよ。
積層エボナイト軸
さて、今回の限定品である積層エボナイトについて。
今回のキングプロフィットは、黄色と黒のカラーエボナイトを用いた積層エボナイトを採用しており特徴のある柄が印象的です。
この柄模様は一つ一つ異なり、同じ柄のものは作れないようです。
今回発売された積層エボナイト軸は、私が迎えたイエロー×ブラックとベージュ×ブラックの2種類で、最初はベージュを考えていましたが試筆しているうちにイエローに愛着が湧きこちらを選びました。
また柄に関しても4本ほど見せてもらった中で、一番統一感のないものに愛着が湧きそれをチョイスしました。
キングプロフィットエボナイトはクリップを取り外し出来る
エボナイト軸のキングプロフィットでは蓋栓をネジ式にすることによってクリップを取り外し出来るようになっております。これは好みで脱着する事と、エボナイトは変色しやすいという特性があるため、変色防止のメンテナンスができるようにと考えられているようです。
過去に発売された積層エボナイト軸
尚、非常に珍しい積層エボナイト軸ですが、2016年9月に、セーラー万年筆創立105周年を記念して 「瑞青」という積層エボナイトの万年筆が発売されております。
瑞青の特徴は、ボディに青、黒、紺を重ねた「積層カラーエボナイト」を採用しており、軸形状はルーローの五角形を採用しています。
ペン先は21金大型ペン先で、限定500本の販売だったため尾端部にシリアルナンバーが刻印されています。
【お知らせ①:創立105周年記念万年筆】
大変お待たせいたしました、弊社創立105周年の記念モデル「瑞青」が登場です。“積層エボナイト”を採用した、ルーローの五角形の軸です。9/21(水)より店頭にて限定500本が発売となります。 pic.twitter.com/Y2YsWuZPvd— セーラーショップ⚓営業中 (@sailor_shop) September 1, 2016
色合いとしては、瑞青の色が私的にはドストライクですが、今回はキングプロフィットでエボナイト軸が欲しかったので良しとします。時間が経つほど愛着も湧いてきていますし。
キングプロフィットの筆記感
キングプロフィットエボナイトには超大型の21金ペン先が付いているわけですが、さすが21金と言わんばかり期待を裏切らない気持ちの良い筆記が楽しめます。※今回は太字を選びました。
全てかどうかは分かりませんが、私の中で21金のペン先には独特のタッチの柔らかさがあり、紙面を滑っていくような感覚を持っています。ペン先のしなりもそれなりにありますが、同等の大型ペン先で保有しているもので比較すると、しなりだけで言ったら【カスタム漆】>【ペリカンスーベレーンM1000】>【キングプロフィット】の順番に感じますが、一言でいうなれば「ちょうど良い」という感触です。
こちらがキングプロフィットでさらさらっと書いたものですが(雑ですみません)、インクフローも素晴らしく良いので万年筆ならではの味わいを楽しみつつストレスなく書き続けられます。
丁寧に書く万年筆というよりも気持ちよく書きなぐりたくなる万年筆といったところでしょうか。その上で変な癖がなく自然体の文字が書けるのがおお!ってなっています。
これからがっつり使い込んでいきたいと思います。