【LAMY2000万年筆】究極にまで機能美を追求したシンプルな一本。発売から半世紀経った今でも売れ続けるロングセラー万年筆

LAMY2000万年筆 万年筆レビュー

西暦2000になっても通じる飽きの来ないデザインをコンセプトに、今から50年以上も前に発表された筆記具「LAMY2000」シリーズ。

LAMY2000シリーズでは、万年筆・ローラーボール・4色ボールペン・油性ボールペン・ペンシルがラインナップされてますが、どれも素晴らしいデザインと実用度の高さで人気の高い筆記具となっています。

今回はその中でLAMY2000万年筆についてレビューいたします。

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LAMYラミー2000万年筆レビュー

LAMY2000

LAMY2000の歴史

この筆記具を語る上でまず外せないのがLAMY社とLAMY2000の歴史について。

ラミー社は外部デザイナーを採用して筆記具のデザインを完成させることで有名なブランド。外部デザイナーの独創性とLAMYスタッフの哲学を交換・刺激し合うことで、これまで素晴らしいアイデアを生み出しています。

LAMY2000の歴史は今から半世紀以上も前の1963年に遡ります。LAMY社二代目社長となるマンフレッド・ラミー氏は、他ブランドとの差別化を模索する中でバウハウス哲学の影響を受けました。その過程で出会ったのが、1960年代前半にブラウン(髭剃り・シェーバー)をデザインしたゲルト・アルフレッド・ミュラー氏で、ミュラー氏とともに開発を進めることになります。

バウハウスの影響を受けたLAMY2000の秀逸なデザインは、発売と同時に60年代の筆記具業界に大きな衝撃を与え、筆記具の中で「最も多くのデザイン賞を受賞した筆記具」として語り継がれることとなります。

機能を追求して無駄を削ぎ落とした造形は現代もラミーデザインの共通項であり続け、発売以降50年以上の時を経た現在でも決して色褪せることなく、ラミーデザインの原点を伝える永遠のロングセラーとなったのです。

バウハウスは1919年にドイツにて美術・建築に関する教育機関として設立され、その合理性と機能主義は後の工業デザインの発展に大きな影響を与えました。ラミー社も、バウハウスが提唱した「機能美」を実践し、飛躍したブランドのひとつ。2019年にはバウハウス設立100周年を記念し、世界で1919本限りのリミテッドエディション「LAMY 2000 100years Bauhaus Limited Edition」を発売しています。

また、ミュラー氏はデザインの過程で独自のアイデアを取り入れたことで知られています。プロトタイプのデザイン画を描く代わりに木や石膏などで模型を作成しラミーに提示し具現化していきました。


彼の作ったプロトタイプは現代でも残されており、定期的に開催されるLAMYイベントで展示される機会もあります。写真撮影がNGであったため写真は残せていませんが、2018年3月に六本木ミッドタウン 21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3にて開催された thinking tools にてプロトタイプを見る機会がありました。

ミュラー氏のデザインしたLAMYプロダクトは、LAMY2000の他に、LAMY cp1、LAMY st、LAMY ユニーク(製造終了)なども挙げられます。

デザイン

LAMY2000万年筆
LAMY2000万年筆のデザインから紹介していきます。

ボディは樹脂とステンレスのコンビネーションで、磨き上げられた樹脂の表面には繊細なヘアライン処理が施されています。

LAMY2000のヘアライン処理

ヘアライン処理というのは、金属の表面処理加工の一種で、単一方向に髪の毛ほどの細かい傷をつける加工処理。つや消しの効果が生まれると共に、金属的な質感を強調する効果があります。

なお、このヘアライン処理されたLAMY2000のボディは長く使用していく中で艶・光沢が出てきます。


上が新しいLAMY2000、下が数年使用しているLAMY2000ですが、数年使用しているLAMY2000の艶感が出ていること伝わるかと思います。本来こういったエイジングは万年筆の世界では木を軸素材に使った万年筆などでしか味わえません。この変化もLAMY2000ならではの魅力だと感じます

ちなみにLAMY2000を見て木軸だと勘違いされる方も多いくらいです。私も最初見たときは木軸だと思ってしまいました。

クリップ部
LAMY2000のスプリング入りクリップ

世界で初めてステンレス無垢材を用いて作られたスプリング入りクリップで、クリップの上部にはLAMY社の刻印があります。
また、見落としてしまいがちですが、実はクリップの裏側にも刻印がありGermanyと。


見えるでしょうか。

天冠
LAMY2000の天冠
ボディ全体がヘアライン加工されたLAMY2000ですが、天冠部分だけは処理が異なります。
天冠はツルツルの仕上げになっていて、周囲の風景画が映り込むほど磨き込まれています。

それではキャップを取り外します。

樹脂とステンレスのコンピネーション、そして中心が一番太く、ペン先・尻軸へと細くなっていくボディ全体の曲線が美しいですね。

LAMY2000の万年筆としてのデザインで特記すべきはまずは個性的で小ぶりなペン先ではないでしょうか。

首軸の先端からちょこんと出た小ぶりのペン先は、ステンレスのフードで大半が覆われていますが、実は裏側の見えない部分ではそれなりのサイズ感がありつつ、素材としては14金が採用されています。また首軸のステンレス素材の銀色と統一し表面はプラチナ仕上げを施しています。

LAMY2000のペン先
ボディのシルエットラインに合わせたペン先を持つ万年筆は近年少なくなってきましたが、こういった形状は周囲に対して良い意味で万年筆としての存在感を意識させず、筆記時は視界が広く取れますので気持ちよく筆記できるなどのメリットもあります。

嵌合式キャップ

キャップの開け閉めは嵌合式で回転させるのではなく、カチッと嵌め込む仕様です。嵌めた時のカチッという音がするのですが、そのカチッという音がとても心地よいです。

また、嵌合式キャップはインク乾きに繋がるものもあるのですが、LAMY2000のキャップはしっかりとハメられ密封度も高そうです。インク乾きが気になったことはこれまでありません。また、片手でキャップの開け閉めができますので、反対の手が塞がってしまっている時でも外すことが可能です。

メタルパーツ

首軸とボディの繋ぎ部分にメタルパーツが飛び出ています(裏側も含め2箇所)が、こちらは樹脂同士の摩耗を防ぐとともに、嵌合式キャップのストッパーとしての役割も果たしています。

インク窓

LAMY2000にはインク窓が付いています。
このインク窓によりインク残量が見れて補充ポイントが意識できますのでありがたいですね。

こちらがインクが入っている時の状態

インク吸入


LAMY2000はインクを入れる際、カードリッジでもコンバーターでもなく、インク吸入式タイプとなります。
しかしボディ全体繋ぎ目が見えないシームレスな作りでどこからインクを吸入するのか良くわかりません。

目を凝らして良く見ると、

尻軸側に繋ぎ目がありまして、

ここを回転させることで中のタンクにインクを吸入できるようになっているのです。

ちなみに小ぶりのペン先の後ろを見ると、このようにインク吸入穴が空いています。

ペン先をインク瓶に突っ込んで、尻軸を回してあげることでインクが吸入できる仕様です。

LAMY2000の書き味

LAMY2000万年筆の筆跡
LAMY2000万年筆の書き味を一言で表現するとラフなサラサラ感。
私が購入した字幅はEFですが、国産のEF万年筆と比べると筆記線は太いこともあり、カリカリとした引っかかりが一切ありません。
特に力を抜いて流すように筆記する際はとてもスルスル・サラサラと気持ちよく筆記できます。

たまにLAMY2000 EFの筆跡は細いというレビューも見かけますので、手元にある国産細字万年筆の細字の比較も上げておきます。いずれも同じインク(cross Blue Black)を飲ませていますので平等な比較です。

LAMY2000は EF、F、M、Bが一般的に発売されていますが、手帳用途でEかEFで迷ったら間違いなくEFで問題はありません。


また、金ペンならではの弾力もありますので、筆圧に応じて程よくしなり、その筆圧が筆跡としても残っていきます。小ぶりのペン先からは想像できませんでしたが、味のある文字を書きたい時にも重宝できる万年筆だと感じます。

LAMY社の金ペンはLAMY2000以外にもDialog3を保有していますが、他社の金ペンとは違うLAMY社の万年筆ならではの筆記感があり、それぞれ楽しめています。

まとめ

LAMY2000万年筆

機能美を追求したシンプルで美しいボディ。そして見た目とは裏腹にとても柔らでスラスラと筆記できる小ぶりで視界のひろいペン先。1966年の発売以来、LAMY社を代表するプロダクトとして君臨してきただけの実力をしっかりと感じさせる万年筆です。

2000年になっても飽きないデザインを目指して開発されたもの。その目標は優に達成しすでに2020年代に入りました。これから何十年経っても色褪せない筆記具として販売し続けられるのだと感じました。

また、定価は30,000円の万年筆ですがネットでは比較的安価に購入できますので、予算が厳しくとも一度検討の土台に乗せても良いでしょう。

以上、LAMY2000万年筆のレビューとさせていただきます。

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