イタリアを代表する老舗高級筆記具メーカーであった、OMAS(オマス)。
1925年にイタリア・ボローニャで万年筆職人アルマンド・シモーニが万年筆工房を開いたことにより創業し、美しい軸、独創的なアイデア、そして定評のある書き味など万年筆ファンから高い人気を得ていましたが、惜しくも2016年に廃業してしまったブランドです。
今回紹介する万年筆は、OMAS社と伊東屋のコラボによって作られた限定品で、「オマス ボローニャ ルーチェ(OMAS Bologna Luce)」という万年筆です。
ターコイズ、ブルー、ベージュの3種類のキャップ、万年筆はFとMの2種類の字幅、それとボールペンの3種類が各20本ずつ発売されました。ボローニャというシリーズは、創業の地イタリア ボローニャから付けられたモデルで、販売当時42,000円(税抜き)で発売されました。
2020年3月末、お世話になっていた渋谷東急の伊東屋が閉店されるタイミングで、在庫品を販売されているのを見つけてお迎えしました。
隅々までが洗練された美しいデザイン
マザーオブパールホワイトの軸に、ブルーのキャップをコーディネートしたツートンカラー。この素材は、日や光の加減で様々な輝きを放ち雰囲気が変わるので、見ていて飽きる事がありません。
14Kのペン先には、ボローニャの街のシンボル、ポルティコ(柱廊)が繊細なタッチで彫刻されています。
インクを飲ませた際、ペン先に残るインクの表情を眺めるのも楽しみの一つです。
インクはカードリッジとコンバーターの両様式になっています。
堅めのしっかりとした書き味
OMAS14Kペン先の書き味は、自分がイメージしていたものよりもしっかりと堅めで、いわゆるガチニブの部類に入るものでした。
とは言いつつ極端なガチニブではありません。
字幅はFを購入しましたが、適度にしなるとともにインクフローも良好でスルスルと気持ちよく筆記できますので、高速筆記が必要なメモから丁寧な文字を書きたいときまで、普段から幅広く愛用しています。
まとめ
このボローニャ ルーチェはボールペンも含め全体で180本、万年筆だけで120本しか販売されなかった伊東屋とのコラボモデルです。
発売から5年以上経過してしまっているので、もう在庫はないと思いますが、もしかしたら伊東屋に在庫が残っているかもしれません。興味があれば電話などで問い合わせしてみるのが良いでしょう。
新品在庫がなければ、中古市場に出回るのを気長に待つしかありません。
ずっと眺めてられるほどの美しい軸でありつつも、使えるシーンが広い書き味とおすすめな一本です。