普段は丸っこくて小ぶりな筒状のペン、筆記する際はノックするとペン先が出てくると同時に、後端の軸も伸びて一般的な筆記具のサイズになるという変わったギミックをもったボールペン。
それと合わせ、実用性を重視した使い勝手も素晴らしく、夏場ジャケットを着ない時はパンツのポケットに忍ばせたり、小さめの手帳やノートと合わせても使いやすく、一度使うとpicoの便利さに魅了されて、常に近くに置いておきたいペンになります。
今回はLAMY picoをレビューします。
目次
ピコのギミック
まずピコがどのようなペンなのかを説明します。
上の写真がペン先収納時、下の写真がペン先を出した状態です。
↓ペン先収納時
↓ペン先を出した状態
ペン先収納時は小ぶりな丸っこい筒なのに、筆記時はペン先が出るだけでなく、尻軸側も伸びて一般的なボールペンとさほど変わらないサイズになります。
他のラミー製品と並べてみました。
LAMY2000とさほど変わらないサイズになります。
ペン先側を見てみると、
ペン先の出てくる穴が空いており、ペン先が少し見えています。
尻軸がノック部分になっていて、ここをノックすることでペン先が出てきます。
ペン先が出てくるまでの一連の流れ。
もちろん片手で全てが済みます。
一回のノックでペン先を出すとともに、後端の軸も伸びて一般的な筆記具のサイズになるという変わったギミックが斬新ですよね。
ギミックの斬新さと可愛らしいフォルムで、LAMYプロダクトの中でも根強い人気を誇るボールペンなのです。
LAMY pico(ラミー ピコ)の歴史とデザインについて
LAMY picoが世に登場したのは2001年、デザイナーのフランコ・クリヴィオ氏とラミーとの共同開発によって登場しました。
ピコのギミックの発想は、フリーマーケットで見つけた1900〜1910年頃のペン先収納式のペンで、そのペンは一箇所を引っ張ると前の部分が飛び出して全長が伸びるタイプのペン。
発送の元となったペンは、両手を使う必要がありましたが、ラミーの技術者との意見交換の中で片手でノックするだけで伸縮する筆記具を完成させたのです。
なお、フランコ・クリヴィオ氏がLAMYと開発した筆記具は、ピコの他にダイアログ3があります。
ピコの発売が2001年、ダイアログ3の発売が2009年。フォルムに通じるところがありますね。
https://lamy.jp/pages/lamy-specs-vol-3
LAMYとフランコ・クリヴィオのデザインについて興味のある方は、ぜひ読んでおくことお勧めします。
ちなみに上記記事には、ピコの開発段階で「万年筆は作らないでほしい」という要望があったと記載されていますが、プロトタイプ段階では万年筆が存在します。
LAMY PERFECT BOOKにてピコのプロトタイプが複数掲載されていますが、その中に万年筆のプロトタイプも登場します。
商品化はされてませんので、万年筆としてはダイアログ3にて昇華された形なのでしょう。
飛び出したペン先と伸びた後端のデザインがおしゃれ
下の写真はペン先部分と伸びた後端部分のデザインです。
ボディ全体はシンプルですが、この部分に縦縞のラインが入っている事でペン先を出した際、全体的なデザインが引き締まります。
縦縞でなかったら、のっぺりとしたつまらないデザインになっていますよね。
ラミーロゴの出っ張りが良い働きをしてくれます
ピコにはクリップもなく、シンプルなデザインになっていますが、単にクリップを排除するだけだとテーブルにペンを置いた時に転がってしまいますよね。
この点LAMYは実用的な配慮をするのが本当に得意で、LAMYロゴを少しだけ出っぱらせる事で転がり防止の役目を果たしています。
また、ペンをグリップした際には滑り止めとしても効果も。
小さく少しだけ出っ張ったロゴが本当に良い仕事をしてくれます。
インクリフィルはLAMY独自規格が採用
さて、picoのインクリフィルです。
ペン先を外してみると細長いリフィルが見えるので、最初は4cが挿さっているのかと思いましが、M22というLAMY独自規格のリフィルが挿さっていました。
4cであればジェットストリームやアクロインキなどに変えて使えるのですが、M22という独自規格だとリフィルカスタマイズはちょっと難しそうですね。
M22はLAMYの従来型の油性インクになりますので、書き出しは少し掠れることがありますが書き始めるとスムーズに筆記できます。
この書き味に関して、picoだけを使っていれば違和感なく筆記し続けられると思いますが、ジェットストリームやアクロインキなど低粘度油性インクのボールペンを交互に使ってしまうと滑らかさが全く違うので、やっぱり低粘度油性インクって凄いんだなとなります。
普段使いの持ち歩きペンとして最高
小さなノートや手帳との組み合わせも最適
picoの可愛らしいデザイン、ポケットに放り込んで使える携帯性、そして面白いギミックなど個人的にはかなりツボにハマったペンです。
ボディの素材も真鍮ですので、表面の塗装が剥がれてしまったあとも味が出て良いですよね。
自分使いはもちろん、ちょっとしたプレゼントにもお勧めできる一本です。