普段のお仕事、どんな筆記具を使ってますか?
ビジネスシーンではボールペンを使っている方が圧倒的に多いですが、ボールペンでも100円程度のものを使っている方もいれば、数千円、数万円という高級ボールペンを使用している方もいらっしゃいます。
ボールペンの目的は文字を書くことですから、「書ければなんでも同じ・同じなら安いものの方が良い」という考え方もあります。
もちろん日常の筆記シーンではそれでもOKですが、お客様との打ち合わせや面談など大切なビジネスシーンではちょっと別。
良いボールペンを使用した方が間違いなく好印象です。
会議中のメモから契約書のサインまで、ビジネスには欠かせないボールペン。
今回はビジネスシーンにおいて良いボールペンを使用する重要性と、選び方、そしてこのボールペンをチョイスすれば間違いないというボールペンを紹介します。
目次
まずは自己紹介・こんな人が書いてます
私は、毎年数十本の万年筆やボールペンなどの高級筆記具を購入する筆記具ファンで、そのアウトプットとしてこの筆記具中心のブログを運営しています。
世の中には多くの筆記具が存在しますが、軸のバランスや素材、そしてインクによって書きやすさが異なってきます。
軸の個体差を楽しみつつ、ボールペンに関しては書き味を追求することが好きで、趣味の範囲で様々な検証を行っています。
たとえばこちら。
世界38ブランド、48種類の油性ボールペンインクのカラーチャートです。同じ黒でも少しずつ異なります。
他にもそれぞれのインクの書き出し、ダマ、カスレ、速乾性などを調べつつ、自分の推しを探すのが趣味。
暇なの?とか、気持ち悪いとか思われたかもしれませんが、とにかく筆記具が好きな沼人が書いていること承知おき下さい。
良いボールペンを使うメリット
筆記具は身だしなみの一つ
スーツ、ネクタイ、ベルト、シューズなど、ビジネスにおいて身だしなみに気を使うべきポイントはたくさんありますが、筆記具もそういった身だしなみの一つです。
お洒落なスーツで決めているのに、足元を見ると磨かれておらず擦り減ったシューズを履いていたらそれだけでイメージダウンですよね。
筆記具も同じで、ピシッとしたスーツを着ているのに、胸ポケットに100円ボールペンが刺さっていたら残念です。
足元をチェックするのと同じように、筆記具を見ている方って意外と多いんですよ。
にも関わらず、きちんとした筆記具を使わない方が多いので、数千円程度筆記具に投資するだけで、良い印象が得られるのです。
筆記具のおかげで予想外に話が弾むことも
筆記具には、様々なストーリーが詰まっています。
例えばウォーターマンというブランドであれば、「ウォーターマンの筆記具はビジネスで成功させるための筆記具」、「お客様に気持ちよく契約してもらうことを考えて作られた筆記具」そんな言い伝えが存在します。
ウォーターマン社のエピソード
ウォーターマン社の創業者ルイス・エドソン・ウォーターマンは、ニューヨークで保険外交員として働いていた方。ある日、顧客との大口契約を取り交わす席でアクシデントが起こります。
契約時にサインしてもらうペンからインクが漏れしまい、重要な契約書を汚してしまったのです。
大急ぎで新しい契約書を作り直し、後日再訪問しましたが、その顧客は既にライバル会社と契約を結んだ後。インク漏れで契約書をダメにしてしまったことから大口顧客を取り逃してしまったのです。
ウォーターマン氏は、契約を他社にとられてしまった悔しさから万年筆開発にのめりこみ、1883年に世界初の毛細管現象を応用した万年筆を完成。
それとともに、インク漏れを解消するシステムなど万年筆の基礎を築き上げ、ウォーターマン社は「万年筆の祖」と称され世界に君臨するペンブランドに成長したのです。
新しい契約書を作るまで待ってもらえる関係は作れなかったのか?とか、突っ込みどころはありますが、ブランドやペン個体にはエピソードや開発秘話が存在する事があります。
そういったエピソードを知ってたり、こだわりを持って筆記具を選んでると、それだけで先方と会話が弾むケースもあるのですよ。
ボールペンを選ぶ際に押さえておきたいポイント
ビジネスシーンでは油性ボールペンが前提
ボールペンのインクを大きく分けると油性ボールペンと水性ボールペンの2種類があります。
ビジネス上でどちらを使うべきかという明確な決まりはありませんが、水性ボールペンはインクの乾きが遅く、滲みやすいという欠点があります。万が一濡れてしまうとインクが流れてしまうケースもあるのですね。
油性ボールペンは、耐光性・耐水性に優れており、文字が消えにくいことから長期保存にも向いていますので、ビジネスで使う一本を選ぶのであれば油性ボールペン一択でしょう。
「従来型の油性インク」と「低粘度油性インク」
大手筆記具ブランドの場合、油性インクでも各社数種類のインクを開発・販売しています。
簡単に分類すると「従来型の油性インク」と、近年開発が進み売り上げが好調な「低粘度油性インク」です。
低粘度油性インクは、「滑るようななめらかな書き心地、書き始めからインクが出る・ダマができづらい・擦れづらい」という従来型インクにあった問題が大幅に改善されて書きやすくなったインク。
国内で有名な低粘度油性インクだと、三菱鉛筆のジェットストリームやパイロットのアクロインキなどがありますが、聞いたことのある方もいらっしゃいますよね。
ちなみに低粘度油性インクは滑らかすぎて書きづらいという理由から、従来型の粘度の高い書き味のボールペンを好む方もいらっしゃいます。
100円のボールペンも10,000円のボールペンもインクは同じ
意外と知られていないのが、同じブランドのボールペンであれば、安いものでも高いものでも使われているインクに差はなく同じインクが使われているという事。
100円の安いボールペンでも10,000円の高級ボールペンでも同じブランドであれば使われているインクは同じということです。
写真は100円のジェットストリームと3,000円のジェットストリームですが、書き味は変わりません。
ボールペンの値段の違いは、ボディのデザインや素材の違いからくるもの。ボディのデザインや質感によってグリップ感が異なってくる為、それが書きやすさや疲れづらさにも影響しますが、インク本来の性能に変わりはありません。
替え芯には規格がある・規格が合えば他ブランドのインクも使用可能
お洒落なボールペン、海外製のボールペンは書きづらい。高級ボールペンよりも国産の100円ボールペンの方が書き心地が良い。そんな話を聞いたことはないでしょうか?
実際のところ、デザイン重視の海外ブランドのボールペンの中には書き心地がイマイチというものも存在します。
そうすると「やっぱり書き心地を最優先すべきでは」となってしまうのですが、ボールペンの替え芯(リフィル)には国際的な標準規格があります。
パーカータイプとか4Cとか言われるもので、規格に適合する替え芯であれば異なるブランドのボールペンであっても自由に付け替えることが可能。
ペン本体は海外製ブランドだけど、替え芯は三菱鉛筆のジェットストリーム。そんなこだわったボールペンを作ることが可能なのです。
左からクロスタイプ、4c、パーカータイプ、個別規格の替え芯です。様々なブランドが同じ形状で替え芯を販売されています。
なお、単色のボールペンであれば、写真真ん中のパーカータイプのリフィルが挿さるボディを選ぶのが良いでしょう。様々なブランドがパーカータイプに合わせてボディを開発していますので、ボディの選択肢が広がりますし、好みのインクを合わせやすいです。
ちなみに左から2番目の小さな4cというタイプは、3色、4色ボールペンやショートタイプのボールペンでよく使われる規格。こちらの規格で販売されているボールペンも多いですよ。
芯の太さ(芯径)はどれがベスト?
ボールペンの芯径は、近年細かい文字を書きたいというニーズが増えていることから、0.28mmや0.38mmという極細芯のボールペンも発売されていますが、基本は細字が0.5mm、中字が0.7mm、太字が1.0mm、こんな感覚で覚えておけばOKです。
※油性ボールペンインクで0.28mm、0.38mmは三菱鉛筆のジェットストリームのみ。他ブランドでの油性ボールペンインクは0.5mmが最も細い芯になります。
使い分けは完全に好みとなりますが、宛名書きなどはっきりと書く必要があるもの、議事録やメモなどスピード感を持って書くものは太字がお勧め。太字はインクの追従能力が高いためです。
手帳など細かな文字を丁寧に書きたい場合は、極細をチョイスするのが良いでしょう。
なお書き味は、太字になるほど滑らかで、細いほどカリカリとした書き味になりインクフローも渋めになる傾向にあります。
どれくらいの価格帯の中から選ぶべき?
ボールペンの価格帯は本当にピンキリです。100円で買えるものから始まり、1,000円〜3,000円程度のもの、5,000円〜10,000円クラス、さらには3万、5万超と上を見ればキリがありません。
ビジネス用途で使って差し支えない範囲のものとしてチョイスするのであれば、2,000円〜5,000円のもので問題ありません。3色・4色の多機能ボールペンにするなど機能性を取り入れても10,000円程度のもので十分です。
あとは予算との相談で、自身の一番気に入ったものをチョイスするのが良いでしょう。
ビジネスで使える推しの高級ボールペンを10つ紹介
それでは、このボールペンを選んでおけばビジネスシーンでも間違いなしというものをいくつか紹介します。もちろん紹介するのは全て私が使っているものです。
ラミーサファリ
まず紹介するのはラミー社のサファリという大きなクリップが特徴のボールペンです。
値段も数千円ですから、無理をしない範囲でお洒落な筆記具を持つという観点で、若い世代のビジネスマンに大人気。ビジネスだけでなくカジュアルなシーンにも使えますね。
さて、このサファリという筆記具。お洒落でカジュアルというイメージが強いですが、要所要所にこだわりの詰まったペンでもあります。
まず真っ先に目に入るのが大きなクリップ。
個性的なシルバーのクリップがついていますが、ラミー開発のコンセプトとして「馬のサドルに繋いで耐えられる筆記具」というものがあったようで相当頑丈に作られています。
なぜ馬のサドルなのかは分かりませんが、もしビジネスシーンでこの印象的なクリップの話題になったら、「馬のサドルに繋いでも大丈夫なんです」とドヤってみてはいかがでしょうか。会話が弾むこと間違いありません。
続いてグリップ部分。少し窪んでいるのが分かりますか?
グリップ部分が三角形に窪んでいるのですが、このグリップに合わせて持つと正しいペンの持ち方が出来るように設計されているのです。
子供の頃に持ち方を指摘されつつも、スルーし続けて大人になってしまったなんて方も多いですよね。
20代前半ならまだセーフかもしれませんが、30代、40代にもなって大の大人が変な持ち方してたらかっこ悪いだけ。ビジネスシーンでは悪印象でしかありません。
せっかくのお洒落な筆記具が台無しですから、この機会に正しい筆記具の持ち方をマスターしましょう。
最後にデメリットも。
サファリの純正インクは残念ながら書き味がいまいちで、純正インクが好きという方は少ないはずです。
ここで先ほどのリフィル規格に繋がるのですが、残念なことにサファリはパーカータイプではなく独自規格のインクリフィルが挿さっています。
別売ですが、そんなユーザーの要望に答えてリフィルアダプターも発売されていますので、筆記して書き味が合わなければ、リフィルアダプターを購入してジェットストリームなどのインクに挿し替えることをお勧めします。
ウォーターマン メトロポリタン エッセンシャル
続いて紹介するのが、シンプルで細身のボディが美しいウォーターマン社のメトロポリタンエッセンシャルです。
そう、大口顧客との契約時に、契約書にインクをこぼして契約を逃してしまったあのウォーターマン社のボールペンです。(言い方)
そのウォーターマンの主力ラインナップであるメトロポリタンエッセンシャルは、細身で洗練されたデザインが特徴。目立つ存在ではありませんが、このような細身のペンを使っていると、さりげなくお洒落ですよね。
そんなお洒落なあなたに魅力を感じられる異性もいらっしゃるかもしれません。
無難に外さない一本を選びつつ、それ以上のサプライズを求める方に「推し」な一本です。
三菱鉛筆 加圧ボールペン ピュアモルトプレミアム
続いては三菱鉛筆が発売する木軸のボールペンで、正式名称は「ピュアモルト(オークウッド・プレミアム・エディション)加圧ボールペンリフィル搭載」。
木材は、長年使っていくと色が変色したりと経年変化が進んで行きますが、このボールペンも同じで美しい艶が出てきます。
革素材と同じようにエイジングが楽しめて、使えば使うほど愛着の持てる一本なのです。
そして名前からもイメージがつくと思いますが、ピュアモルトというのはウイスキーから付けられた名前。ウイスキー樽として何十年も使われたオークウッドがボディ素材に使われているのです。
もちろんウイスキーの香りも味もしませんが、ウイスキーが好きなクライアントとの打ち合わせには、これ一本で決まりですね。
もう一つ特徴があります。
ボールペンでの筆記時の弱点として、カスレなどでインクの出ない現象ってありますよね。これはインクが追従しないために起こる現象です。
実はこのボールペン、名称の最後に「加圧ボールペン」とあるように、圧縮空気でインクを押し出して筆記する方式のボールペンです。
3000hPa(ヘクトパスカル)=約3気圧の圧縮空気でインクを押し出しますので、ボールが高速で回転しても、インクがボールについていく追従性が高く、線切れやカスレが起こりにくくなっているのです。
え?3000hPa(ヘクトパスカル)がわからない?
強い台風が965hPa、非常に強い台風が950hPa、猛烈な台風が920hPaです。
その圧縮空気により、高速筆記時はもちろん、ペンを逆さにした状態でも、-20度の寒い場所でも、濡れた紙や水の中でも筆記が可能という、見た目だけじゃないずば抜けた性能の持ち主なのですよ。
もちろん無重力の宇宙空間での筆記にも最適です。
ゼブラシャーボX ST10
「右へまわすとシャープペンシル、左へまわすとボールペン」というCM覚えてますか?
古い。
ゼブラシャーボが発売されたのは1977年。発売から40年以上が経過しているロングセラーボールペンです。
発売と同時に爆発的ヒットを記録。1979年にゼブラが本社ビルを新築しましたが、そのビルは当時シャーボビルと呼ばれていたくらいでした。
シャーボの発売開始から30年後の2007年、シャーボの進化系として発売されたのがシャーボXです。
シャーボXの特徴は圧倒的なカスタマイズ性能。シャープペン機構、油性インク、ジェルインクなど、ゼブラの用意しているさまざまなリフィルを使い5万通り以上の組み合わせが可能です。
シャープペン機構だけでも0.3mm、0.5mm、0.7mmの3種類の芯径から選べるなど、自分だけのこだわりの一本が作れちゃうのですね。
合わせて素晴らしいのが、とても精巧なつくりであること。ペンを回転させてリフィルを変えるタイプの筆記具は、回転させるときにカチャカチャとうるさいのですがシャーボXはとにかく静か。
スムーズな回転の中で、機構が切り替わったタイミングでコクンという感触が手に伝わってくるんですけど、この感覚が本当に素晴らしい。
ずっとクルクルしたくなる回し心地です。
さて、ビジネス観点でのシャーボですが、このボールペンが大人気だった1980年代のビジネスマンは、現在シニア層で会社を動かす立場の方々も多いです。
そんな方々との打ち合わせでサッとシャーボを出されたらね。シニアなおじさんたち、昔を思い出してウルッとしてしまうこと間違いありません。
ちなみにネガティブ要素も上げておきますと、グリップ部分からペン先への角度が鋭角すぎ。
もう少しなだらかにペン先へと流れていく方が、筆記ポイントが見やすくて書きやすいんですよ。
先に紹介したピュアモルト、メトロポリタンエッセンシャルと並べると角度が強いですよね。言葉選ばずに言いますと、このデザインがきらい。
ラミー2000 4色ボールペン
ボールペンを語る上で外せないのが、ドイツラミー社より発売されているLAMY2000。シンプルで都会的な雰囲気が素敵ですよね。
スタイリッシュなデザインが特徴的なLAMY2000ですが、発売されたのはなんと今から50年以上も前の1966年。半世紀以上も前に発売された筆記具なのです。
当時の開発コンセプトは西暦2000になっても色褪せないデザインを。
2000年は優に通り越して2020年代に入りましたが、現在でも主力ラインナップとして売れ続けるというモンスター級のロングセラーなのです。
LAMY2000シリーズには、単色ボールペン、万年筆、4色ボールペンなどが発売されていますが、今回紹介するのは4色ボールペン。この細さで4色ボールペンってことも凄いですよね。
さてLAMY2000の面白いところは色変えのギミックにあります。
写真でペンの上部(クリップの付け根あたり)に青い印が見えますが、ペンを一周させると、青、赤、緑、そしてクリップとなっています。
実はこの印が色変えのポイントになっており、クリップを上にしてノックすると黒のインクリフィルが出て、青を上にすると青のインクリフィルが出る、赤を上にすれば赤というように、ペンの向きを変えることによってノック時に出てくるリフィルを変えることができるんです。
ちなみにですが、LAMY社の油性ボールペンインクの書き味は好き嫌いが分かれます。まあ嫌いな人の方が多いでしょうね。従来型の油性インクで、書き味としては重たく、書き始めにインクが出づらく、ダマも出来やすいです。
4c規格のリフィルが挿さりますので、ジェットストリームやアクロインキなどなめらかに筆記できるインクに変更して使用するのがベストです。
私はパイロットのアクロインキに挿し替えて使用しています。
カランダッシュエクリドール
続いてはカランダッシュというスイスブランドのエクリドールというボールペン。エクリドールは1953年に発売されたカランダッシュ社のアイコン的存在で、鉛筆のような六角軸をエレガントに仕上げた逸品です。
私自身、複数あるボールペンの中で一番使用頻度が高いのがこのエクリドール。何が気に入ってるかというと素晴らしい書き味にあります。
エクリドールのインクリフィルはカランダッシュ独自で開発された「ゴリアット芯」が使われいます。
ゴリアット芯の特徴は「従来型油性インク」と「低粘度油性インク」を比較して低粘度油性インクまでではないけど、ほどほどになめらかである書き味。
ジェットストリームやアクロインキでは滑りすぎて書きづらい、でも従来型のねっとりとした書き味は嫌だというユーザーに最適なのです。
その上で、書き出しからスムーズ、ダマ、カスレが無いというボールペンインクとしての性能がずば抜けて高いのです。
ちなみにエクリドールに装着されている1本のインクリフィルで、8kmの長距離筆記ができると言われています。8kmもよくテストしたなって思いますが、私も数年使い続けていて使用頻度もどのボールペンよりも高いのですが、いまだに芯を変えたことはありません。
なお、エクリドールは複数のモデルが発売されてますが、私の中では黒いレーシングモデルが気に入っています。
シルバータイプもお洒落で好きなのですが、正直グリップする際に滑りやすいです。レーシングモデルはボディ全体がマット加工されてますので、素材自体がグリップ性能を高めてくれます。
カランダッシュ849
先に紹介したエクリドールは、正直お値段が可愛くありません。
そこまでゴリアットという芯が素晴らしく書き味良いんだったら、使ってみたいと思った方もいるでしょう。
そんな方におすすめなのが、エクリドールと同じゴリアット芯が搭載されており、ボディのデザインも似ている849というシリーズ。エクリドールと比べると素材感は劣りますが、数千円程度の予算でゴリアットの書き味を楽しむことができます。
個人的な推しは写真下のブリュットロゼ。女性が使っていたらドキッとしてしまう可愛らしい色合いです。
なお849はカラーバリエーションが多く、また毎年限定カラーも発売されています。849を集めて気分によって使い分けるのも楽しいかもしれませんね。
モンブラン マイスターシュテュック
モンブランマイスターシュテュックは1924年の誕生以来、約100年経った今でも筆記具の最高峰でありつづけるモンブラン唯一の定番コレクションです。
マイスターシュテュックとはドイツで「傑作」という意味です。
マイスターシュテュックが発売された当時は万年筆が主流の時代で、1949年にマイスターシュテュック146と144、1952年にマイスターシュティック149が発売され、モンブランは世界規模での大成功を収めました。
この144、146、149という万年筆は、今でもモンブランの主力ラインナップであり、発売当時から基本構造はほとんど変わっていません。
ボールペンとしてのマイスターシュテュックが発売されたのは、それから時間が経ってからで、プレシャスレジンと呼ばれる天然素材からできた手触りの良いモンブラン特有の樹脂、筆記バランスを配慮されたディティール、ジャイアントリフィルという書き味の良いインクリフィルと、ボールペンとしても高い評価を得ています。
サイズは、ル・グラン、ミッドサイズ、クラシック、モーツァルトと4種類がラインナップされており、書き手の手の大きさや好みによって選ぶことが可能です。
自身が使うボールペンとしてはもちろん、贈り物としても最高に喜ばれる一本になるでしょう。
モンブラン スターウォーカー
モンブランのボールペンが欲しいけど、マイスターシュテュックはデザインがクラシカルすぎるという方におすすめなのがスターウォーカーシリーズです。
スターウォーカーは2003年に発売された比較的新しいシリーズで、人工工学に基づく丸みを帯びた握りやすい軸が特徴であるとともに、シャープなデザインが若い世代にも人気を集めています。
私がスターウォーカーと出会ったのはずいぶんと前ですが、透明なドームの中に浮かび上がるようなホワイトスターの美しさに驚かされました。
美しさを兼ね備えた最高の一本を求める方にはぜひおすすめしたいボールペンです。
モンブランMボールペン
オーストラリアのプロダクトデザイナー、マーク・ニューソンとタッグを組んで作られたモンブランM。
マイスターシュテュックに代表されるクラシカルなスタイルではなく、洗練された現代的なデザインが印象的であるとともに、マグネットによるギミックなど細部までこだわられたシリーズです。
実際に使ってみるとデザインやギミック的な良さよりも、筆記具としての性能の良さ・書きやすさに驚かされます。
低重心で安定して筆記出来ますので、デザインだけでなく実用のボールペンとして長く愛用していきたい一本になります。
最後に
これまで低価格なボールペンを使っていた方が、はじめて高級筆記具を購入する際はちょっと緊張すると思いますが、良い筆記具を使ってメリットはあれどデメリットはほとんどありません。
一度購入すると10年、20年と長く使えますので、愛着も湧いてきますよ。ぜひとも、こだわりの一本を持ってくださいね。