Fisher(フィッシャー)は、宇宙空間でも筆記ができるボールペンとして有名ですね。リフィルの内部に含まれる窒素ガスの圧力によってインクがペン先へと移動していく為、ボールペンではNGな上向きにしても筆記が可能ですし、無重力状態や水中でも筆記が可能な加圧式ボールペンの一つです。
NASAの厳しい検査を経て、実際の宇宙飛行士もこのボールペンを使用しているとのこと。アメリカ旅行のお土産としてFisherボールペンをプレゼントなんてシーンもよく有りますね。
それでは今回は、Fisher(フィッシャー)油性ボールペンインクの検証です。
Fisherボールペンの性能検証
書き出し
油性ボールペンの特徴である、書き出しでのインクの出辛さを測る検証です。
Fisherの書き出しは安定せず、短くて1cm程度〜7cm程度の間でインクがで始めるという結果になりました。
筆記圧
写真の上から、弱い筆記圧、普通の筆記圧、強めの筆記圧で筆記した線となります。
速乾性
「あ〜ほ」までのひらがな30文字を筆記した後に、筆記した文字をティッシュで拭き取ります。この30文字を書いてティッシュで拭き取るまで45秒前後の時間を要しますので、その45秒のうちにどこまで乾くかをテストしています。
検証結果としては写真の通りとなり、乾きは非常に悪い結果となりました。
ダマの出来やすさ
横線を5本書いた後に「8」という文字を10回書くという検証を行っています。10回「8」を書いておりますが、ボールペンの紙面に当たる向きを少しずつずらしながら筆記するためです。
確認できたダマは、
1回目:1箇所
2回目:2箇所
3回目:3箇所
4回目:1箇所
5回目:1箇所
となりました。
上記の結果以外にも細かなダマができてしまうケースを何度も確認しており、ダマはできやすいインクと言えます。
文章筆記
Fisherの筆記感は若干ねっとりとした筆記感です。
書き出し後にインクフローが安定してくると、今度はダマの問題や乾きの問題が生じてしまい、筆記中に紙面が汚れてしまうケースも発生しました。
また、インク色が非常に濃い印象があります。
蛍光ペンとの相性
蛍光ペンによる滲みが何度も確認できました。
Fisherのボールペンで筆記した後、5分以上経過してから蛍光ペンで上塗りしていますので、蛍光ペンとの相性は非常に悪いと言えます。
まとめ
上記の検証結果から評価は下記となります。
書き出し
- 5点:ほとんどの場合に書き出しからスムーズにインクが出る
- 3点:書き出しはインクが出辛く、平均して1〜5cmでインクが出る
- 1点:書き出しはインクが出ず、平均して書き出し5cm以降からインクから出る
速乾性
- 5点:乾きやすい
- 3点:普通
- 1点:乾きづらい
ダマの出やすさ
- 5点:0〜3箇所以下のダマが確認できた
- 3点:4〜7箇所以下のダマが確認できた
- 1点:8箇所以上のダマが確認できた
蛍光ペンとの相性
- 5点:蛍光ペンで塗っても滲まない
- 3点:注意して確認すると分かる滲みが確認できた
- 1点:明らかに分かる滲みが確認できた
筆記感
- 高い(ねっとりとした書き心地)
- 低い(サラサラとした書き心地)
- 柔らかめ(ヌルヌルとした書き心地)
- 硬め(カリカリとした書き心地)
以上、Fisherに関しての検証は、どれをとっても良いとは言えず残念な結果となりました。加圧式というメリットはありますが、国内の加圧式ボールペンでFisherより性能の高いボールペンは多くあります。
また、Fisherのリフィルはパーカータイプのような互換性は無い為、Fisherの軸を購入した場合に他メーカーのリフィルを挿すこともできません。
ボールペン(インク)としての質は良くありませんが、加圧式であることと軸のデザインを気に入った方であれば検討の余地はあると感じます。
ただし、常用のボールペンとしてはお勧めはできません^^;
油性ボールペン比較について
本検証のコンセプトついては下記をご覧ください。