TWSBIというブランドの万年筆をご存知でしょうか。
1968年に台湾で創業した三文堂筆業にて2009年に立ち上げた万年筆ブランドがTWSBI。約50年、様々なブランドのOEM会社として万年筆製造の経験を積み、その技術・経験を元に独自ブランドとして誕生しました。
TWSBIの特徴は、鉄ペンでありながら安定してストレスのない気持ちの良い書き心地、スタイリッシュなデザイン、購入しやすい価格帯と3拍子そろった万年筆です。またそれだけでなく、特徴のあるインク吸入のメカニズムや簡単に分解して洗浄・メンテナンスが出来る仕様など死角を探すのが難しいレベルの素晴らしい万年筆でもあります。
私自身も仲間からオススメされてどんなものかとお迎えしたわけですが、予想以上の書き心地と使い勝手の良さに、気づけば2本3本と増えていきました。
今回はこのTWSBIについてお話し致します。
TWSBI万年筆の紹介
まずTWSBIには複数の種類がありますが、私が保有しているのは TWSBI ECO、TWSBI ダイヤモンド(mini)、TWSBI VAC(mini)の3本となります。※写真左側からその並び。
Twsbi ECO
TWSBIのなかでも最もコストパフォーマンスに優れたシリーズが「ECO(エコ)」。低価格帯なのに一般的には高級万年筆でしか採用されない吸入仕様であるためボトルインクからインクの注入が可能です。
私はスタブという字幅を気軽に使いたいと思いチョイスしました。※スタブの筆跡は、横線は細く、縦線は太くなりますのでちょっとしたカリグラフィーっぽい書き味が楽しめます。
Twsbi ダイヤモンド mini
軸がクリスタルカットされておりインクを入れた時にとても美しいのが特徴であるとともに、インク注入はピストン吸入に加えて、ペン先をインクボトルに入れることなく軸に直接インクを吸入することが可能です(直接インクを入れる場合は専用のインクボトルを使用します)。
私は一番気持ちよくかけるBをチョイスしました。
Twsbi VAC mini
ブランジャー方式のインク注入タイプのVAC。ピストンを引っ張るだけでの操作で大量にインク吸入ができます。一度にたくさんのインク吸入ができるので万年筆を常用する方や長文の筆記をする方に最適です。
普段使いで一番好みのFを選んでいます。
それぞれのシリーズに対していくつかのカラーバリエーションがありますが、私は全てオールスケルトンのものをチョイスしました。色付きの物を選ぶとその色のインク入れたくなりそうなので。
ダイヤモンドやVACには大きなサイズの物もありますが、外出先も含めて気軽に使いたいという事で小さなタイプの物をチョイスしました。
下の写真はVAC mini をキャップ外して持ったところと、キャップを後ろに取り付けて持った際の写真。
miniサイズのものはキャップを後ろにつけないとかなり短い為、キャップを後ろにつけたくない方は大きめのサイズのものを選んだ方が良いです。
TWSBIの書き味
続いて筆記感。下の写真はTWSBIの筆跡です。
TWSBIは、よく金ペンと変わらない書き味と言われますが、自分の中の感覚ではTWSBIのペン先はたわむタイプには感じません。ただ紙面との当たりが非常に柔らかく滑らかに気持ちよく筆記が続けられるイメージです。
最近、TWSBIやプロシオンのような書き味の良い鉄ペンを使っていると、金ペン・鉄ペンどちらが良いという判断は本当に難しくなりますね^^
TWSBIの値段もお手頃で5000円から12000円程度ですし、中に入れているインクが映えるスケルトンカラーは常に持ち歩いて楽しくなれます。それでいて書き味が良いとなれば普段使いにぴったりです。
TWSBIのメンテ
万年筆を使用する中でどうしても時間がかかってしまうのが、インクを交換する際の万年筆の洗浄。インク交換時は軸の中のインクをしっかりと出しきって綺麗にする必要がありますのでそれなりの時間を要します。
中のインクが出なくなるまで水を注入排出を繰り返し、その後で数時間、半日1日と水の中につけておく。そんな作業が必要です。この煩わしい作業が実は楽しかったりもするのですが、思い立った時に即インク交換が出来ないのは万年筆を使っていく上でのデメリットでもあります。
そんな時間のかかる万年筆の洗浄をTWSBIだとシンプルに出来ます。
TWSBI を購入するとTWSBI を分解するための工具が付属品としてついてきますので、こちらの付属品を使って同軸の中のピストンなどの部品まで洗浄できるというものです。
やり方としては以下の感じ。
2. 付属品の工具を同軸と尻軸(ピストン部分)の間に取り付けて、反時計回りに回します。回りきったら取り外します。
3. これで一通りの分解ができたので、パーツごとに洗浄していきます。
4. 付いている水分を拭き取ります。
5. ボディの中に着いてしまっている水気は綿棒などを使用すると簡単にとれます。
6. ボディを組み立て直して完成です。
なお、ボディとピストン部分の分解だけでなく、TWSBI はペン先も簡単に取り外せますので、ペン先、ペン芯をも洗浄することが可能です。ペン先をしっかりつまんで回転させながら抜く側に力をかけると取れます。(多少個体差があり抜くのにキツいケースもあるので、その際無理に力を入れて引っこ抜こうとして壊さないよう注意してください。この辺りは自己責任で)
ペン先の金属部分とペン芯も重なっているだけなので、分解した状態で水洗いできれば完璧ですね。
古いインクの排出から洗浄・新しいインクの入れ替えに余裕をもって5分程度で完了し、最初は「こんなので大丈夫なの??」と思ってしまういますが、何度かこのラクさを体験してしまうと他の万年筆の洗浄が面倒になるレベルです。
万年筆初心者はもちろん、これまで万年筆を使っている方にも、ぜひ一度手にしていただきたいオススメな万年筆です。
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