モンブラン作家シリーズ、ホメロスを購入いたしました。正式名称は「作家シリーズ オマージュ トゥ ホメロス リミテッドエディション万年筆」です。
今回のホメロスは、作家シリーズでは初のマイスターシュテュック149をベースとした大型のペン先を持つ万年筆。
私自身モンブランの万年筆は今回が3本目になりますが149は保有していませんでした。これまで何度も149の試筆はしてきましたが、購入する事なく現在に至っておりまして購入しなかった理由はもちろん値段が高い事はありますが書き味が好みでなかった為です。
そんな私が最近になって一気に149に興味を持ち、作家シリーズのホメロスという形でお迎えをする事になりました。
モンブラン作家シリーズ「ホメロス」購入レビュー
149をお迎えする事になった理由
これまで書き味が好みでなかった149に興味を持ち出した理由はシンプルで、ここ数ヶ月で好みが変わってきた事です。
以前は軟調ペン先と言われる様な柔らかくしなりのあるペン先を好んでおりました。私が保有している万年筆だと、カスタムウルシ、フォルカンや、SF、SMといった類のものです。
柔らかなペン先をもつ万年筆は筆記時の力の強弱によって味のある文字が書けます。その柔らかさを経験した時は、「おお気持ちいい!」「これこそ万年筆の書き味だ!」といった気持ちになるのですが、実際問題として気持ちよく書けるのと綺麗に書けるのははっきり言って別ということです。
当時軟調ペンで書いた文字はあまりにもお粗末で、その上で最高の書き味と評価の高いカスタムウルシを買ってしまったものなので頭を抱える事になります。最高と名高いカスタムウルシでまともな字が書けないのですから。※他の万年筆で書いたものよりさらに汚くなる。
実は私が習字を始めた理由の一つが、「カスタムウルシを買ったけどまともな字が書けない。カスタムウルシで綺麗な文字を書ける様になりたい」でして、当時のイメージとしては
みたいな想像をしていたと記憶しております。
そんな達人を目指して習字を始めたわけですが、習字を進めていく過程で考え方・好みの変化があります。
私もこの一年で大きく好みの変化が有ったのですが、シンプルに言うと硬めのペン先が好きになりました。ガチニブと言われるペン先です。
本当にカッチカチのガチニブではなく、硬いだけでなく繊細なしなりとあたりの柔からさを兼ね備えたペン先が最近の好みです。
こういった硬いペン先に興味を持ち出したのはプラチナの18K万年筆であるプレジデントやウォーターマンカレンなどを使う様になってからですが、とにかく実用的に感じるのです。
普段からゆったり一文字一文字を丁寧に書くのであれば柔らかくしなるペン先も良いのですが、日常で高速筆記を求められる時などはその柔らかくしなるペン先が邪魔になります。そういった時にプレジデントやカレンなど硬めのペン先をもつ万年筆を使うと、力加減を意識しなくてもストレスなく書けるし良いとなるわけです。
私は大型の万年筆が好きですので各社の大型万年筆をいくつか保有しています。
上からセーラーキングプロフィット、パイロットカスタムウルシ、ペリカンM1000、ホメロス。
こうなってくると当然の流れでモンブラン149への興味が強くなり・・・と言う流れでございます。
ちなみに149は製造時期(年代)によってペン先の性格にかなり個性の差があります。現在発売されている現行149は硬めのペン先で以前現行149に興味を持てなかったのはその様な理由からです。
そんな流れの中で149に対しての思いが強くなる中登場したのが2018年作家シリーズであるホメロス。ホメロスは作家シリーズ初の149をベースとしたモデルとなりますが、トロイの木馬の物語を源とし、全体のフォルムは馬をイメージ、バックとクリップで槍を表現したデザインになっています。
これまで私はデザインに凝った万年筆を持っていませんでしたが、この美しいデザインで149の書き味が備わっているのであれば素晴らしいのではいかと思い検討を始めます。
モンブランブティックや取扱店でホメロスを持たせてもらうと、見た目の表情からは気づかない持ちやすさも実感することができました。通常の149よりも値段は張ってしまいますが、ホメロスのデザインが実用を兼ね備えていると感じた事から購入を決定いたしました。
ホメロスのデザイン
写真多めでいきます。
コンセプトを明確にしたデザインとこの曲線美がたまりません。
また、馬の顔をモチーフにした形状が筆記時のグリップポイントにも繋がってきます。
ちょうど馬の顔がペンを支える部分にフィットしグリップしやすい。
書き味
さて、このホメロスですが購入してすぐに万年筆談話室に持ち込んでペン先の調整をしてもらいました。
購入当初は若干インクフローに難ありでツルツル系の用紙だとインクが出ずらいという印象があったので調整してもらった流れです。
以前は万年筆を購入する際に店頭での筆記感を大切にして、気に入った書き心地の万年筆を購入していましたが、最近は購入時の書き味は気にしなくなりました。もちろん購入した時から気持ちよく書けるものに越したことはありませんが、多少書き味が劣っていてもペン先を調整してもらえばOKという感覚です。
149の書き味自体、良いものも悪いものもこれまでいくつもの149を試筆させてもらっている為ある程度の理解はあります。店頭で試筆したものもあればお友達の149を借りて試筆させてもらったものもあるわけで、自分の中での良い149というものは出来上がっているのです。良い149というのは購入時から良いではなく購入後のメンテナンスによって良い書き味に進化しているイメージが自分の中では強い気がします。
しっかりとした硬さがありつつも当たりは非常に柔らかく滑る様な筆記感。高速筆記のインクフローもしっかりと付いてきてくれるので実用面でもがっつりと使えます。
ペン先調整をしてもらったことにより、最初から自分の中での理想とする149の書き味が手に入りました。
まとめ
私の中でこれまで作家シリーズといえばデザイン性を意識したもので、実用で使うというよりも飾っておく万年筆の様な印象がありました。
実際にホメロスを使用してみると、デザイン性はさることながら実用面での素晴らしさが際立っており、一気にファンになってしまいました。
また、ホメロスにてマイスターシュテュック149という歴史と実績のある王道的な万年筆デビューしたわけですが、次回は普通の149も1本持ちたいと考えています。今回のホメロスはM(中字)を購入したので通常の149では細字もしくは太字を手に入れたいですね。
以上、「モンブラン作家シリーズ オマージュ トゥ ホメロス リミテッドエディション 万年筆」の購入レビューでした。