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【カスタムNS】パイロットカスタムシリーズ初のステンレスペン先を採用した万年筆が登場

カスタムNS

2019年パイロット社からカスタムシリーズ初のステンレスペン先を採用したカスタムNSという新しい万年筆が発売されます。

カスタムNSの定価は10,000円、正式な発売日は2019年1月5日です。

新しい万年筆が発売されること自体は喜ばしいことですが、Twitter等ではネガティブな意見もいくつか目撃しており、内容的にはデザイン的な部分や鉄ペンなのに1万円という強気な価格設定をしてきたことに対して。

それもそのはずで、2018年中なら同じ10,000円で14金のペン先がついたカスタム74が購入できますし、今年はプラチナからはプロシオンという書き味にも一定の評価を得ている鉄ペンの万年筆が5,000円で発売されています。

カスタム74が値上がりして12,000円になったとしても、軸素材などはほとんど変わらず10,000円の鉄ペンと12,000円の金ペンだったらどっちを買う?と聞かれたら、多くの方は金ペンを選ぶでしょう。金ペンと鉄ペンで書き味に大差は無いと言えど、2,000円安いからと鉄ペンを選ぶ理由を見つけるのが大変です。

7,000円程度の価格帯に抑えられるのであれば、「初心者向けだけど本格派」という感じでカスタム74との差を見いだせるのですが。

そんなことをここ数日モヤモヤ考えていたところ、銀座伊東屋(横浜元町)にカスタムNSが展示されていましたので1本お迎えしてきました。すでに店頭に並んでいる店舗もあるようですね。

一緒にカスタムヘリテイジ91の新モデルもお迎えしましたが、今回はカスタムNSを中心にレビューしたいと思います。

カスタムNS購入レビュー


伊東屋さんにて集合写真を撮らせていただきました。感謝!※黒は撮り損ねてます。

カスタムNSのコンセプト

まずはカスタムNSのコンセプトについて、パイロット社のプレスリリース記事よりキーワードを纏めます。

  • シリーズ初となるステンレスペンを採用。強い筆圧でも使いやすい硬めのペン先
  • カスタムシリーズ入門モデル。20~30代をターゲットにしたデザイン・カラーリング
  • 軸色はブラック、レッド、ブルー、ソフトブルー、アイボリーの明るい5色
  • クリップは雨垂れクリップを採用
  • ボディは曲線のつながりで構成されたシルエットで洗練された印象を演出
  • 頭冠には海をイメージしたブルーパーツを採用
  • 字幅はEF(極細)、F(細字)・M(中字)・B(太字)の4種類

プレスリリース:http://www.pilot.co.jp/press_release/2018/12/25/20181225.html

細かく見ていきましょう。

デザイン

私が保有しているカスタムシリーズを並べてみます。

赤い軸がカスタムNS、そこから右へカスタム74、カスタム743、カスタム845、カスタムURUSHIです。左にはカスタムヘリテイジ91、カスタムヘリテイジ92、カスタムヘリテイジ912を置いてみました。

これまでのカスタムシリーズとは佇まいやバランスが異なりますね。

キャップを外した時は下の写真のようになります。

ポイントとして感じたことが3つあります。

  1. カスタムシリーズといえどデザイン的には全く異なる方向性である
  2. 近い価格帯のカスタム74やヘリテイジ91と比較してボディが少し太め
  3. 首軸部分が長い

1つ目のデザインについては見ての通り。
2つ目に関して、他の比較対象と比べてみると743や912と同等クラスの太さがあり、素材も同等のものが使われています。私はある程度太めの軸を好んで使っていますのでグリップした時の感覚は、「私にとってのいつも通り」を感じられました。
3つ目の首軸の長さはペンの筆記角度にも影響してきそうです。

こちらが首軸部分を見やすくした写真。

カスタムNSの首軸がかなり長めである事が分かりますでしょうか。

私が万年筆を持つときは首軸と同軸のつなぎのネジの部分が指にあたるように持ちます。ペンを持つ時の目印と、ネジ部分がちょっとした滑り止めにもなる為です。

カスタムNSは首軸が長くペン先からネジ部分までが離れている為、いつも通りの持ち方をすると万年筆の上の方を持つ形になるので、若干筆記角度が寝気味になります。この部分は好き嫌い分かれそうな気がしますが、個人的にはちょっとした新鮮を味わっています。

ボッチ

続いて物議を醸している頭冠のボッチ。(ボッチって使いますよね。あれ、使わない?方言?)

海をイメージしたブルーパーツを採用とのことですが、すみません。海には見えませんでした。そういった自然に例えるのであれば小さな池くらいにしか思えません。

この辺りはパイロットのセンスの無さを感じるところで、コンセプトのスケールが無駄に大きすぎるのではと感じるのです。

改めて引用↓

頭冠には、海をイメージしたブルーパーツを配し、川が海へと繋がるように誰かを大切に想う心が途切れることなく繋がっていくことを願ってデザインしました。

引用元:http://www.pilot.co.jp/press_release/2018/12/25/20181225.html

今後、コンセプトに相応しいデザインを希望します。相応しいコンセプトであればそんなに悪いデザインでは無いと思いますし、むしろ可愛いですよ。

また、カスタムNSのネーミングの由来が、「創業者が船乗りであったことから、航海の必需品である羅針盤の”N極、S極”から名付けた」というのは悪くないと思います。その代わり次のカスタムシリーズが発売される際、これまでのような数字でまとめずにきちんと名前つけてくださいね。

ペン先


左からヘリテイジ912(10号)、ヘリテイジ91(5号)、カスタムNS、カスタム74(5号)

カスタムNSには、カスタムシリーズ初であるステンレスのペン先が付いておりますが、ペン先のサイズ・形状はカスタム74やヘリテイジ91に付いている5号ペン先とほぼ同等です。形状は少し違っていて、一番太い部分からペンポイントへの形状が若干シュッと細くなっているように見えますね。ペン先のデザインも基本的には同じで、金を表す数値ととサイズ(号数)が記載されていないだけでした。

ステンレスペン先と聞いて、カクノやコクーンなどと同じペン先がついてたらどうしようかと思いましたが、そこは大丈夫でした。


左からコクーン、カスタムNS、カクノです。

ペン芯もカクノやコクーンなどと異なります。カスタム74やヘリテイジ91に似ているようですが若干異なります。

書き味


今回購入したカスタムNSはB(太字)です。筆記感としては悪い印象は受けていません。むしろ良いです。

一緒に購入したヘリテイジ91もBなので、書き比べてみましたが筆圧をかけた際にペン先のしなりが強いか弱いかの違い程度。カスタムNSは筆圧をかけてもしなりませんが、紙面に当てた時のタッチはは柔らかく紙面を滑っているような筆記感で、万年筆ならではのぬらぬらとした書き味は十分に味わえます。

私が保有している万年筆で近い筆記感のものをあげると、プラチナのプレジデント(ペン先はB)の筆記感に似ています。プレジデントも硬めのペン先ですが、目隠しして書き比べたらどっちがどっちか分からないレベルかもしれません。(良い意味で)

なお、カスタムNSのM(中字)も試筆しましたが、そちらは若干ガリガリとした硬い筆記感を感じました。字幅が変わればこの辺りの感覚は変わってくるでしょう。(細字も試筆させてもらえば良かったな)太字が中字と同じような筆記感であれば購入はしていなかったと思いますが、自分が手にしたカスタムNSは大当たりだったのだと感じています。

ターゲット

カスタムNS
さて、このカスタムNS。どんなユーザーがターゲットになってくるのでしょうか。

パイロットの紹介ページには、カスタムシリーズの入門モデルとして20~30代をターゲットにしていると記載があります。万年筆の入門と書かれていないあたりを見ると、カクノやコクーンの愛用者(ステンレスペンの書き味を気に入っている層)がまず1つのターゲットとなるかもしれません。

それとこれから万年筆を使って欲しい方へプレゼントにするのにも良いですね。
プレゼントする相手の書き癖が分からないと万年筆をプレゼントするのに抵抗がありますが、その点ステンレスペン先のカスタムNSであれば筆圧が強くても弱くても問題になりません。

カスタムを名乗るだけあってしっかりとした良い作りですしデザインも悪くありませんので無難なチョイスになるのではと感じます。鉄ペンの万年筆を贈りたいけどカクノやコクーンだとプレゼントには安すぎるといった際には最適かと。

尚、すでに金ペンを含め万年筆に使い慣れている人に対してカスタムNSをお勧めするかというと正直難しいです。改めて、カスタムNSとカスタム74どちらを選ぶ?と聞かれたら、2000円程度の差なら迷わずカスタム74と答えてしまいそうですので。

ただし、比較対象がこれまで1万円で購入出来たカスタム74になってしまっているのはよろしくないかもしれません。冷静に判断するのであれば、きちんと海外ブランドの1万円以上で普通に販売されている鉄ペンと比較するべきなのかもしれませんね。

海外ブランドであれば2万、3万円といった価格帯で鉄ペンが当たり前のように販売されており、鉄ペンと言えど書き味の優れたものも多いです。

国内ブランドで1万円の鉄ペンということで辛口な前評判となっていますが、海外ブランドの1万円以上する鉄ペン万年筆と比較しても十分に戦えるレベルの書き味を持っています。

そういった部分も含めて色々と見直しを測る時期なんだろうなと感じさせられた万年筆でした。

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よしぞー

よしぞー

万年筆、ボールペン等の筆記具沼・ゲーム沼・美容沼、そして革沼など複数の沼のほとりにて、物欲のままに暮らしてます。このブログは使用した物のレビューを中心に好きなことを気ままに書いてます。ご覧になられた方が一人でも多く沼に堕ちてくれたら嬉しいです。

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2 件のコメント

  1. レビュー、ありがとうございました。
    評価が悪くないのは正直意外です。でもデザインや太さなどの差を読むとなんとなくわからなくもない気がします。
    ちなみに、ニブの露出部分を見ると5号14金ニブとあんまり変わりませんが、分解したことはありますか。5号14金ニブを入れ替え可能でしたら違うデザインを楽しむのも悪くないと思います。

    • LazyGaoさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます!(レス遅くなりすみません・・・)

      はい、NS悪く無いですよ。
      細字・中字は試してないので分かりませんが、少なくとも私が購入した太字は大当たりでした。

      > 分解したことはありますか。5号14金ニブを入れ替え・・・

      ペン先分解までは行ってませんが、カスタム91の首軸をNSの胴軸に挿し込んでみましたがサイズが異なるようでハマりませんでした^^

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