モンブランから2016年に発売されたブラックマット調のモデル、モンブラン マイスターシュテュック ウルトラブラック ル・グラン(以下、ウルトラブラック)を縁あってお迎えすることが出来ました。
このモデルは2016年の限定モデルで現在は製造しておりません。店頭で見かけることもほとんどないので入手できたのはラッキーでした。
ベースサイズは146サイズのウルトラブラックですが、細部にわたってオーソドックスな146とは異なる仕様となっており、好きな人にはたまらない仕様だと感じます。
少なくとも私は釣れました。(簡単に釣れる類ではある)
今回は入手したウルトラブラックについてレビューを行います。
モンブラン マイスターシュテュック ウルトラブラック ル・グランレビュー
特徴とデザイン
ウルトラブラックの特徴はマットな素材で作られたボディとブラックシルバーにコーディングされた金属で統一されたそれぞれのパーツです。
ボディは艶のないマットなプレシャスレジンを採用。ペン先および金属部分には通常のマイスターシュテュックシリーズで使用されるゴールド・プラチナ・レッドゴールドのコーティングではなく、ルテニウムコーティングが施されています。
このルテニウムコーディングにより全体がブラックに引き締まり、これまでのマイスターシュテュックシリーズのブラック軸とは異なるクールな仕上がりとなっています。
それぞれのパーツを撮影しました。(毎度スマホですみません)
もう1本146を保有していますので、差も比べてみましょう。※もう1つは90周年記念モデルのため、通常の146とはペン先のデザインが異なります。
私が保有しているモンブランの万年筆の中で、ホメロスも光沢は控えめですが、そのホメロスと比較してもこれだけの差があります。
ペン先
ペン先の色味に関しては、90周年モデルのペン先(レッドゴールド仕上げ)と並べてみます。
ホワイトスター部分
ホワイトスターも少しマットがかっているように見えます。
尻軸
こちらも通常の146と差のある部分ですね。(上が通常の146、下がウルトラブラック)
通常の146と同様にインクは吸入式となってます。尻軸の金属部分を回転させることでインクの注入を行います。
バランス
天冠のホワイトスターの周囲と尻軸が金属で出ており、この部分が通常の146シリーズと異なることから重量も大きく変わるのかと思っていましたが、通常の146が30gに対して、ウルトラブラックの重量は31gとわずか1グラムの差しかありませんでした。
しかし重心バランスは通常の146と比較して後ろ側にきますので、ペンを寝かして持ちたい方にはしっくりと来るバランス感だと感じます。
私は普段そこまで寝かせる方ではありませんし、キャップも外した状態で筆記しています。
普段通りキャップを外した状態でもグリップすると、少し寝かし気味になるように感じました。
キャップを後ろにつけてるとかなり後ろ重心になってしまうので、このあたりは好みでしょう。
こちらが通常146、149、ホメロスの重心の比較
ウルトラブラックの重心が後ろにあることが伝わるかと思います。
筆記感
改めてルテニウムコーティングが施されたブラックの14Kペン先。控えめに言ってカッコ良いです。
字幅はM(中字)をチョイスしました。もう1つがF(細字)なので、違いも出したいなと思いまして。
モンブランの万年筆の字幅は国産万年筆と比較すると若干太めに設定されており、Mでも国産のB程度の太さはあります。その為、Mという字幅でもそれなりにしっかりした字幅になりますので、初めてモンブランの万年筆を購入する場合は注意気に留めておいた方が良いと思います。
今回のウルトラブラックは当たりペン先で、インクフローは申し分なし。最初からストレスなく気持ちよく筆記できました。
ミステリーブラックを飲ませる
インクは、モンブランのミステリーブラックを飲ませることにしました。
ミステリーブラックは黒でも純粋な黒ではなく、緑だったり紫だったり様々な色が交わったような色合いです。その為、書く紙によって見え方が異なるのも面白いですし、Mサイズクラスの字幅になると濃淡も楽しめます。
日々の習字でミステリーブラックを飲ませたウルトラブラックを使用
拡大してみると、濃淡が表現できていること伝わるかと思います。
色も純粋なブラックではなく、若干入っている別の色味も伝わりますね。
まとめ
インクの話に逸れてしまいましたが、ウルトラブラックの素晴らしさは何と言ってもこのカッコ良さではないかと思います。マット調の質感とブラックで統一されたデザインから生まれるクールでスタイリッシュな佇まい。そして146サイズという大きすぎず小さすぎないボディ形状も良く、常に持ち歩きたい気持ちにさせてくれます。
現在、販売しているお店がほとんどないのが残念ですが、まだ在庫のある店は探せばあるはず。
アマゾンなどは信じられないほど高額な値段がついているので、実店舗や店舗が運営しているネットショップでの購入をお勧めします。