近年、低粘度インクをはじめとする書きやすさにこだわったインクを搭載したボールペンが主流になっていますが、インクに対してのこだわりではなく全く別のコンセプトでシェアを獲得している加圧式ボールペンというジャンルがあります。
加圧式ボールペンというのは、その名の通りインクに対してリフィルやペン自体の機構により圧力をかけてインクを繰り出すタイプのボールペン。
一般的なボールペンは、インクが重力で下に降りてくる力を利用している為、ペンを上向きにして筆記すると、インクが出なくなったり気泡が入ってインクが使えなくなったりしてしまいますが、加圧式のボールペンは圧力を掛けてインクを繰り出している為、どんな向きでも筆記ができる事が特徴です。
寝転がって書くことはもちろん可能。濡れた紙もOK、氷点下でもOK、無重力の宇宙でもOKです。※宇宙に行く機会があるかどうかは別として。
また、圧縮空気がインクを最後まで押し出してくれますので、インクが残っているのに気泡が入って書けなくなってしまうというボールペンあるある的な問題もありません。加圧式ボールペンはそんな優秀なボールペンなのです。
当ブログでは、これまでにいくつかの加圧式のボールペンを紹介していますが、今回は加圧ボールペンの中でも高級ラインにあたる三菱鉛筆のピュアモルトを紹介します。
三菱鉛筆ピュアモルト・オークウッド・プレミアム・エディション(加圧ボールペンリフィル搭載)
三菱鉛筆ピュアモルト・オークウッド・プレミアム・エディション(加圧ボールペンリフィル搭載)は、三菱鉛筆より販売されている加圧式のボールペン。ピュアモルトと名付けられているのは、ピュアモルトウイスキーを寝かせる樽の木材を利用して造られているためで、木製ならではの一本一本が異なる風合いを醸し出しているペンとなります。
ピュアモルトシリーズでは、単にピュアモルトと呼ばれるペンと、ピュアモルトの中でも高級路線を行くピュアモルト・オークウッド・プレミアム・エディションとで分類されており、ピュアモルト・オークウッド・プレミアム・エディションは、より厳選された樽材に、細部の仕上げまでこだわりぬいたものとなっています。
もちろん、加圧式ピュアモルトはオークウッド・プレミアム・エディションです。
デザイン
キャップのしまった状態のビュアモルト・オークウッド・プレミアム・エディション。
キャップを取ると、グリップ部分までピュアモルトで加工されたボディが現れます。
グリップ部分と金属リングのつなぎ目のラインが好きです。曲線美というのでしょうか。
グリップした際にこの金属リングが指に当たって安定したグリップも担保されます。
適度な重量感があり、しっくりと馴染む木肌の質感など細部までデザインにこだわった一本。木の温もりがペンを持っていて心地よいです。
キャップ部分は金属キャップになっており、キャップの開け閉めの感触も(パチッとはまる感覚)も気持ち良いです。
書き心地
三菱鉛筆ピュアモルト・オークウッド・プレミアム・エディション(加圧ボールペンリフィル搭載)は購入時に1.0mmのリフィルが入ってます。
ジェットストリームの1.0mmなど低粘度油性インクの太字を使うと、滑りすぎて書きづらいと感じる方も多いかと思いますが、Power Tankは従来型油性インクがベースである為、低粘度油性インクと比較すると若干ねっとりと抵抗感のある書き心地が味わえます。
といってもハズレ従来油性インク独特の重くねっとりではなく、程よい抵抗感である程度の筆圧をかけながら書いていけるように感じます。
それでいて加圧式のため書き始めにインクの出が悪くてかすれてしまったり、ダマができることもほとんどなく安定して書き続けられます。太字を使いたいけど低粘度インクだと滑りすぎて書きづらいと感じる方には合うと思います。
慣れもありますが、ジェットストリームの場合は個人的に0.38mmとか0.5mmの細字が好きで、0.7mmや1.0mmになると滑りすぎる感覚をもってしまいます。細字ボールペンは手帳など小さめの文字を書くのには良いですが、メモやノートの殴り書きでは太めの方が書きやすいんですよね。そんな時に間違いなくお勧めできるボールペンです。
尚、1.0mmが太すぎると感じる方は0.7mmにリフィルを変更する事も可能ですので、最初ディフォルトで挿入されている1.0mmを試してみて合わなければ変えても良いでしょう。リフィルも300円とさほど高くはありません。
こちらがピュアモルト(オークウッド・プレミアム・エディション)加圧ボールペンのリフィルです。
一般的なボールペンのリフィルと異なってリフィル自体が独特なものとなっています。このリフィルの中でインクに圧力を加えているようですね。
木軸ならではのエイジング
このピュアモルトを使い始めて3年目に入りますが、購入時と比べるとだいぶ艶が出てきました。特に普段グリップする部分はボディと比べて見るからに艶が出ています。
使っていくうちに艶が出て自分だけのものになっていくのは、木軸だからこそ楽しめる特典なのだと感じます。
出来ればウイスキー銘柄エディションも発売いただきたい!
さて、私は酒の中で何が好きかと聞かれると間違いなくウイスキーを挙げます。
なぜウイスキーかというと、昔お金がなかった頃、ウイスキーであれば少量で酔えるからという情けない問題から飲み始めたのですが、気づいたらウイスキーの世界にどっぷりハマってしまってました。
アードベックやラフロイグなどのアイラモルトが好きですが、普段はトリスのような低価格なウイスキーも愛飲しています。
で、感じているのがせっかくのピュアモルトなのですから、さらにこだわって銘柄エディションが発売されないかなと。例えば山崎や白州などを寝かした樽を使ったボールペンみたいな。
ちょっと高くなっても年に一銘柄ずつ限定で売り出されたらきっと買っちゃうだろうと思います。
話はそれましたが、最高に心地よいペンですよ!