トラベラーズノートのブラックをカスタマイズしました。
これまでブラックの質感・色合い的に対して使用イメージが持てなかったのですが、革全体の雰囲気を変えてみてはという発想と、Twitterのフォロワーさんから気づきをいただき挑戦してみました。
今回のカスタマイズでは、革の裏面を赤く色付けし、表面は蜜蝋と油分を溶かし込んでブライドルレザー風に仕上げてます。
名付けて、【トラベラーズノート Black&RED Edition 蝋引き仕上げ ハチミツの香り付き】です。
と、ちょっとカッコ良さげでたいそうな名前を付けてみましたが、そんなに難しいものではなく比較的簡単にできるカスタマイズですのでの流れを説明します。
と言いつつまだ検証中の段階ですし今回は手探りでの作業でしたので、試される方は自己責任でお願いします^^
トラベラーズノートのカスタマイズ
準備するもの
- ユニバーサルレザーローション
左側の白いボトルに入っているクリームは、サフィールの「ユニバーサルレザーローション」といい革の保湿や光沢を出すためのクリームですが、今回は2番との配合に使用しました。 - レノベイティングカラー補修クリーム
その横のチューブが同じくサフィールの革専用の補色クリーム。サフィールの補色クリームは色の種類で40種類以上あり、赤系統でも3色(レッド・チェリー・ルビー)があるのですが、今回はルビーをチョイスしました。
※このクリームは革全体の色を変える用途で作られたものではなく補色・補修が目的のクリームですが、今回はTNの裏面なのでこれで良しとします。 - 蜜蝋
続いて黄色い長四角の固形状のかたまりが蜜蝋(みつろう)と言うハチミツから作られた蝋です。今回のカスタマイズの主役でもあります。 - ラナパー
一番右側の白く丸い容器が革の保湿クリームであるラナパー。ラナパーは蜜蝋とホホバ油から出来た製品であり、固形の蜜蝋と相性が良さそうでしたので、今回こちらをチョイスしました。 - トラベラーズノート黒
主役ですね。これがないと始まりません。
上記以外には、クリームを塗るためのスポンジ、ローションと補色クリームを配合させるときに使うパレット(お皿で代用可能)、途中汚れを取ったり最後に仕上げるための馬下ブラシがあると良いです。
それではカスタマイズ方法です。
裏面の色塗り
まず、トラベラーズノート裏面の色塗り。
色ぬりにはサフィールのレノベイティングカラー補修クリームを使用しますが、もともとこの補修クリームは、革製品の一部の色が剥げてしまった時に使用するものです。
今回はトラベラーズノートの革一面に塗るため容量的な心配がありましたので、ユニバーサルレザーローションと補修クリームを配合して容量を増やして使用しました。
パレットにて補修クリームとユニバーサルレザーローションを配合して
スポンジにつけて塗っていきます。
ただ、普段から革製品のメンテナンスには指を使っていることからスポンジで塗る事に馴染めず、途中からは指で。
指で全体的に塗った後、スポンジで伸ばしていくという作業に切り替えました。
指で全体的に塗る・スポンジで伸ばすという作業を数回繰り返していくと、だんだん色が乗っていき、
しっかりとした赤へと染まっていきます。
今回は5回ほど、時間では約1時間程度かけて上塗りを繰り返しました。
ちなみにこの補修クリームは乾きが早く塗って数分も経つとほぼ乾いた状態になりますので、トラベラーズノート全面を一気に塗らず反面ずつ塗っていった方が良いです。
最後に付けすぎてしまったクリームを拭き取って、色ぬりは完成です。
色塗りで失敗したと感じた点
今回の色ぬりでいくつか失敗したな〜と感じた点があります。
まず一つ目は、トラベラーズノートの裏面を研磨せずに色塗りを初めてしまった事。
この補修クリームは起毛革には使用できないと記載があります。トラベラーズノートの裏面は毛が立っている状態ですので今回のクリームでは通常使用できないものだと思うのです。
その為か、最後に余計なクリームを拭き取る工程にかなり時間がかかってしまう結果となりました。現在は色がしっかり着いていますが今後落ちてしまうのではという心配もあります。
改善点として、次回はトラベラーズノートの裏面をサンドペーパーで研磨して、ある程度ツルツルの状態にしてから色塗りをしようと考えています。※現在の状態で触って指に色が着いてしまうようなレベルではありませんので、個人的な使用であれば今回の方法でも問題はないんですけどね。
次に、最初は容量の心配からユニバーサルレザーローションと補修クリームを配合しながら使っていましたが、補修クリームだけでも足りることが分かり途中からは補修クリームだけを使用しました。最後の仕上げにはラナパーでも代用できるので、ユニバーサルレザーローションも不要だったかもしれません。
もう一つ反省点。
机が赤く染まってしまいました。。
新聞などを敷いてから作業すべきでしたね。苦笑
蝋引き仕上げ
続いて蝋引きです。
今回イメージしたのはブライドルレザーのような仕上がり。
ブライドルレザーは革の中に蝋と油を染み込ませて作られているものですが、丁寧に作り込まれたブライドルレザーは使用とともに素晴らしい光沢を醸し出します。
それに近いモドキみたいなものを個人でも作れないかなと思いまして。
で、今回用意したのは、蜜蝋というハチミツで出来た固形のロウと油分としてラナパーです。
塗り込み続けていくとロウの固形のかたまりがトラベラーズノートの表面に付着してきますので、この付着したロウを低温のアイロンで溶かしこみます。
この工程を何度も繰り返して(今回は3時間ほど)ロウをトラベラーズノートの中に染み込ませていきます。
ちなみに現在表面の光沢感はさほどありませんが非常にサラサラしているのと、ロウを染み込ませる前よりも硬くなったように感じます。
そしてトラベラーズノートがハチミツの香りとなりました。笑
反省点としては特にありませんが、どの程度ロウを染み込ませていけば良いのか、また使用した道具がこれで正しかったのかがよく分かっておらず全て自分の中でこんな感じなのではないかというところで作業したという部分でしょうか。
実際のところ良い状態に仕上がっているのでとりあえずは良しとしつつ、今後の使用状態を確認しながら次の策を考えたいと思います。
まとめ
普段からトラベラーズノートのエイジングに関しては色々な実験を行っていますが、色塗りや蝋引きなどのカスタマイズは初めての体験でしたので試行錯誤の中での挑戦でしたが、最終的な成果物としては満足がいくものが作れたと感じています。
と言いつつも個人での使用レベルで満足いく程度ですので、今後はもう少し革製品に対しての勉強や検証を重ねて人にプレゼントしても大丈夫なレベルのものを作ってみたいですね。
ちなみに革製品は致命的な問題を起こさない限り修復の方法はいくらでもありますので、興味を持ってらっしゃる方は気軽に挑戦してみてはいかがでしょうか。