色々と考えるところがあって、新たにトラベラーズノートを購入してきました。
今回購入したのはキャメルを5冊(レギュラーサイズ3冊とパスポートサイズ2冊)です。
以前からずっとモヤモヤしていた事なのですが、トラベラーズノートのエイジング(経年変化)についてネットで調べると、トラベラーズファクトリーが推奨しているラナパーを塗ったり・コロニルなどのメンテ用クリームを塗ったりと皆さま様々な方法でメンテナンスをしながらエイジングさせています。
他にもニベア塗る・洗濯する・日焼けさせるなどといった方もいらっしゃいますよね。私も先日洗剤で洗いました^^
私のエイジング方法は基本ブラッシングのみで人工的なエイジングをさせるのではなく、革本来の経年変化を手助けをしてあげるのがメンテの骨子となっています。その中で必要に応じてクリームを塗る事もあります。
様々なメンテナンス方法がありますが、個人的にはどのメンテナンス方法もアリだとは思っています。手入れをしながら使い込んでいくうちに自然とエイジングが進みそれが味となっていきます。
ただし、ユーザーの好む風合いに育っていくかどうかは別物で、それぞれの使い方・トラベラーズノートを持つ人の手の具合(油など)・環境などによって好まぬ方向に変化してしまう可能性もあります。
ですので、思い通りに美しくエイジングされていくもの・思い通りにエイジングしないものと別れてしまうのも事実。
今回試してみたかったのは、同時に異なる複数のメンテナンス方法でトラベラーズノートの運用をスタートさせ、それぞれがどういった風合いに変化していくかを検証していく事です。
この検証は数ヶ月ほど前から考えてましたが、使うことが目的ではない事にお金をかけるのはどうなんだと躊躇をしておりました。
結論として、私の場合はトラベラーズノートを活用することではなく純粋に革を育て上げることが好きであり、それはそれで一つのトラベラーズノートの用途なのではという考えに至りました。多分オタク気質なんです。笑
先日行った洗剤でトラベラーズノートを洗うという実験で、洗剤で洗うと表面の塗料などが取れて毛羽立ちスエード調になるという発見も後押ししてくれました。
自分自身はそれぞれの変化を見ていくのが純粋に楽しいですし、今回の検証によってトラベラーズノートをこれから使い始める方が使用する前の段階から期待するエイジングの完成形をイメージしながらメンテナンスが出来るようになればと思います。
エイジング検証
ロットによる誤差について

まず検証の前にお話をしておきたいのが、トラベラーズノートはあまり表面加工をしていないナチュラルな風合いの革を使用しているがゆえに、開封初期からそれぞれの状態に少なからずの色や質感に固体差があるという事。それが『トラベラーズノート』ならではの革本来の味わいを生み、一つ一つが異なる経年変化を楽しめるという魅力に繋がっています。
同じ牛の皮から作られたトラベラーズノートであれば平等性の高い検証になりますがそんなことは絶対にムリ。また、購入時に中身を見ることが出来れば近い革質のトラベラーズノートを集められるのですが、購入時に中を見ることが出来ないパッケージのため、今回購入した5冊も少なからずの個体差があります。
今回は私個人での検証ですので、キャメルで統一させることが精一杯だったことご理解ください^^
検証方法
さて、今回の検証方法について記載します。
5つのトラベラーズノートを異なるメンテナンス方法で運用を進めていく訳ですが、このメンテナンス方法は下記のようにします。
レギュラーサイズ
1.ブラッシングのみ
私がトラベラーズノートに限らず革製品全般で行ってきているメンテナンス方法です。
革製品を日常で使用していると革の表面にホコリなどがついてしまいます。革は中に含まれる油分が浮き出てくることでオイリーな状態を維持していく訳ですが、埃がついた状態だと油分を埃に吸い取られてしまいます。それが原因となって革が乾燥し良いエイジングが出来なくなってしまうので、その埃をブラッシングで取り除いてあげる事で良い保湿状態を保たせるというメンテナンス方法です。
この写真は今年の3月に購入したオリーブエディションを日々馬毛ブラシでブラッシングだけしたもの(右)。左がエイジング検証用に購入した普段しようせずずにエイジング状態を見るときだけ開封するオリーブエディション。
購入から半年経過しましたが、購入時よりもしっとりとオイリーな状態に育っています。
2.ブラッシング+定期的なラナパーでメンテ
日々のブラッシングとともに、トラベラーズファクトリーのウェブサイトでも推奨されているレザーケア用品のラナパーにて定期的にメンテナンスを行う方法。
本来は、傷や革の乾燥が気になる際に使用すれば良いものですが、2,3ヶ月に1回ずつ程度でラナパーメンテをしてみたいと思います。
ちなみにラナパーは、蜜ロウとホホバ油を主成分とした100%天然素材の革用クリーム。無色無臭でべたつきにくくさらっとしています。塗ると色が深まり艶が出ることで傷などが目立ちにくくなります。
3.ブラッシング+ラナパー+日焼け
2番のブラッシング+ラナパーメンテに日焼けさせるという作業を加えたもの。
初期状態から日の当たる窓際などで日光浴を行い、日光浴で乾燥がちになる部分をラナパーで補うというイメージです。
個人的なエイジングイメージとしては、こんがり黄金色に日焼けしたトラベラーズノートをイメージ。
今回の中でも楽しみなメンテナンス方法の一つです。
パスポートサイズ
4. ワイヤーブラシでこすってスエード調にして運用
先日のブラウンの洗浄から思いついたのですが、トラベラーズノートの革表面を毛羽立ててスエード調にして使うというのも。
ブラウンの時は洗剤で洗ってみたところ表面が毛羽立ち意図せずにスエード調になりましたが、今回はワイヤーブラシで革の表面をブラッシングして人工的に毛羽立たせます。
定期的なメンテナンスもワイヤーブラシで擦り、汚れを落として毛並みを整えるイメージです。
ワイヤーブラシは、スエード・ヌバック等の起毛皮革製品用のワイヤーブラシを使用します。
5. メンテなし
最後の一つは、一切のメンテナンスを行わないという方法です。
こちらはお店などで販売されている傷だらけで経年変化しているトラベラーズノートがイメージつきやすいと思います。
あれはあれで一つの味ですよね。
検証期間
革製品のエイジングは短期で完成するものではなく、半年・1年・数年と長い時間をかけてゆっくり行なっていくもの。
今回の検証もゆっくり時間をかけて行なっていき、定期的に状況を報告していきたいと思います。
次の記事にて事前のセットアップについて記載したいと思います。
【トラベラーズノート】複数のメンテナンス方法でエイジングを行う特集
http://digital-camera.jp/?p=7344