油性ボールペン比較の第一弾はAURORAです。AURORAは、1919年にイタリア最初の万年筆製造業者としてイタリア北部のトリノ市にて創立されたブランド。AURORAというと美しい軸の万年筆が注目されますが、万年筆と同じ種類でのボールペンも販売されております。
AURORA油性ボールペンの性能検証
書き出し
油性ボールペンの特徴である、書き出しでのインクの出辛さを測る検証です。
書き出しはあまり良いとは言えず、安定して1行目の線ではインクが出ず掠れてしまい、1行目の途中もしくは2行目よりインクが出るという結果となりました。
筆記圧
写真の上から、弱い筆記圧、普通の筆記圧、強めの筆記圧で筆記した線となります。
速乾性
「あ〜ほ」までのひらがな30文字を筆記した後に、筆記した文字をティッシュで拭き取ります。この30文字を書いてティッシュで拭き取るまで45秒前後の時間を要しますので、その45秒のうちにどこまで乾くかをテストしています。
検証結果としては写真の通りとなり、ごく一般的な乾き具合です。
筆記途中のダマの出来が少ないせいか、速乾性が特別高いわけではありませんが、違和感のある汚れは出来ませんでした。
ダマの出来やすさ
横線を5本書いた後に「8」という文字を10回書くという検証を行っています。10回「8」を書いておりますが、ボールペンの紙面に当たる向きを少しずつずらしながら筆記するためです。
確認できたダマは2回目の1つ目の「8」と3回目の1つ目の「8」の合計2箇所でした。ダマは出来づらいと言ってよいでしょう。
文章筆記
続いて文章筆記テスト。
AURORAの油性ボールペンで筆記して感じたのは、現在流行している滑らかで抵抗のない書き心地とは真反対の書き心地で、どちらかというと筆記抵抗を高く感じる書き心地でした。
ただ書きづらいかと言うとそうではなく、滑りすぎずに筆記ができるため書き手の意図したイメージでペンが進むと言う表現が正しいようにも感じます。長時間の筆記には向きませんが、この書き心地は悪くありません。
また、筆記途中の汚れについては、多少の汚れを確認できました。(筆記途中に手が当たってしまった部分です。)
蛍光ペンとの相性
続いてAURORAの油性ボールペンで筆記した後に蛍光ペンで上から塗る検証です。
どの蛍光ペンにおいても滲みはない事が確認できました。
まとめ
上記の検証結果から、AURORAの油性ボールペンインクの評価は下記となります。
書き出し:悪い(5段階評価で例えたら1)
筆記圧:ごく普通
速乾性:ごく普通
ダマの出やすさ:出づらい(5段階評価で4)
文章の筆記感:非常にねっとりとした書き心地
蛍光ペンとの相性:良い(5段階評価で5)
総評として、最初の書き出しは悪く筆記できるようになるまで時間は掛かるが、インクが出始めてからのフローは安定して重めの筆記ができる油性ボールペンという結果となりました。
ねっとり感が強いため長時間の筆記には向きませんが、滑りすぎる事がありませんので、ゆっくり・しっかりと文字を書きたいときにベストなボールペンと言えます。
使用したボールペン(リフィル)と代表的なボールペン軸
油性ボールペン比較について
本検証のコンセプトついては下記をご覧ください。