最近、ブルーブラックインクについて検証記事をブログにアップしていますが、そのブルーブラックインクの中でこのインクが素晴らしいと感じているのが、古典インクであるDIAMINE Registrar’s Ink(ダイアミンレジストラーズインク)です。
レジストラーズインクの評価するポイントとしては圧倒的にブルーブラックとしての色の素晴らしさで、筆記時も時間が経過して黒く変色した後も私が求めていたブルーブラックにドストライクです。
また、色だけでなく裏抜けやレッドフラッシュなどにおける耐性も非常に強くもはやブルーブラックインクならDIAMINE Registrar’s Ink以外の選択肢が考えられない程に惚れ込んでいます。
しかし良いところがあれば悪いところもあります。DIAMINE Registrar’s Inkは古典インクの中でも非常に酸性の強いインクで万年筆に対して悪い影響を与えてしまう報告をいくつか聞いています。具体的には入れたまま放置してしまうと鉄部分が錆びてしまう報告です。
古典インクを使う際、鉄ペンは錆びる可能性があるので金ペンで使いましょうというのが基本的な考え方。または鉄ペンでも万が一錆びてしまってもカクノやプレピーなどお財布への影響度が少ない万年筆で古典インクを楽しむというのもありだと思います。※カクノやプレピーが錆びても良いと言っているのではありません。
さて、金ペンで使う場合ですが、実は金ペンを使えばOKというものではありません。金でできているペン先部分は錆びることは無いかもしれませんが、その周囲で鉄を使っている部分が錆びてしまう恐れがあります。
一般的な万年筆の多くは鉄で出来たパーツが使われる部分があります。その為、ペン先が大丈夫だったとしてもそれ以外の部分にインクが付着して錆びが生じてしまうケースもあるようです。
下の写真はカスタム74ですが、首軸と同軸のつなぎ部分やリングに鉄が使われています。
こういった部分が錆びてしまう可能性があるようです。
さて、そういった面倒なリスクもある古典インクですから使わなければ良いのですが、冒頭でも述べたとおり私の中で、このインクが表現する色合いがドストライクでありつつ、紙によって悪い影響が無いというのも使いたくなる大きなポイントです。
万年筆に対しての影響が少なく使い続けられる万年筆が無いかと探していたところ、我が家にも一本見つかりました。
トップの写真でも載っている笑暮屋の万年筆です。
笑暮屋の万年筆は、ペン先とコンバーター以外は全てエボナイトで作られており、鉄が使われている部分が見当たりません。コンバーターに関しては錆びてしまったら交換出来ますので、消耗品として考えれば問題はありません。
これであれば古典インクを使用しても錆びる要素がありませんので、安心して使用できますね。
と言うことで笑暮屋の万年筆を、レジストラーズインク専用の万年筆として使用する事にしました。
ペン先の調整
さて、この笑暮屋の万年筆。
元々は習字用途で購入した為、ペン先はFで、かつインクフローは渋めです。購入時にあえて渋めの個体を選んだほどの渋さです。
現在、習字用の万年筆はカスタム845を使い続けていますので、泉筆五宝展にてペン先を少し調整しインクフローを良くしてもらいました。
良い感じになりました。
と言いつつ、細字は細字。もっと太字でレジストラーズインクを使いたいという新しい欲求が生まれましたので、どこかで笑暮屋の太字もお迎えしたいと思います。
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