文房具屋に行くと、多種多様なノートが売られています。なにか一つの用途に特化したようなノートも、近年は多いです。
ただ、意外とあまりなかったのがアイデアを整理するためのノート。
そこで若草印刷が2023年5月からMakuakeで先行予約を開始したのが、SwitchNoteというアイデア思考整理ノートです。
これが非常に面白いということで、文房具好きの人などの間で話題になっています。
今回は、そんなSwitchNoteの概要を紹介したうえで、良いとことろ気になるところについてレビューしていくので、ぜひご参考ください。
目次
SwitchNoteとは?
まずは、SwitchNoteの概要について簡単にかつ詳しく解説していきます。一言で表せば「アイデアをまとめるためのノート」ですが、さまざまな工夫が見られるのが特徴です。そんなSwitchNoteについて知りたい方は、ぜひご参考ください。
SwitchNoteはアイデア出しに特化したノート
SwitchNoteは、アイデア出しに特化したノートです。
アイデア出しといっても、その内容は人によってさまざま。商品企画だったり、漫画や小説の設定やプロットだったり、ライターの見出し案・構成案だったりジャンルも方向性も人によって異なります。
アイデアのジャンルや方向性が違えば、適切なアイデア出しも異なるものです。
SwitchNoteは、複数の種類のリフィルを用意することによって、さまざまなアイデア出しに対応できるようになっています。
- 無地タイプ(白)
- 無地タイプ(灰色)
- 方眼
- ドット方眼
- 罫線
- 斜線
- 原稿用紙
たとえばキャッチコピーのアイデアを出したい場合は、原稿用紙を使って文字数を正確に把握しながらアイデア出しができます。
設計デザインの場合は方眼やドット方眼、罫線などが便利です。イラストを描く必要があるようなアイデア出しの場合は、無地で自由に記述するのも便利。
このように、アイデアの種類によって使い分けられるのが「アイデア出しに特化しているノート」であるSwitchNoteの特徴です。
SwitchNoteの素材とデザイン
- 表紙:266×186mm
- 表紙のバリエーション:グレー、ネイビー、ブラック
- リフィル:B6 35枚綴り 両面印刷7種類
- リフィル右側長辺天のり加工あり
- ルーズリング:2本1セット
- 素材:表紙/裏表紙:厚紙、中紙:上質紙
SwitchNoteは、デザインにこだわりが見られます。
表紙はリバーシブルになっているのが、特徴です。
一方の面はシンプルかつシックなデザインになっています。
カラーもネイビー、グレー、ブラックと使いやすいです。仕事などでも使える表紙デザインだと言えます。
反対面は、一変してかわいらしいカジュアルなデザインです。
動物が隠れているような柄で、見た目に楽しい印象があります。それでいて、あまり子供っぽくなりすぎていないのがいいところです。
さらに、素材にもこだわりが見られます。
中紙に使われているのは、上質紙です。
上質紙というのは、化学パルプ含有率が100%で、かつ表面にコーティング加工をしていない紙のことを指します。表面の光沢などがなく、マット紙のような感じでもないのがいいところです。
つまり、筆記性が高い紙だと言えます。
すらすらと書きやすいので、アイデアをタイムラグなしに楽に書き留められるのが特徴です。
SwitchNoteの購入方法
2023年7月現時点では、SwitchNoteはMakuakeでの先行販売となっています。
プロジェクト達成率は605%と非常に高いので、終了後に公式ストアや各ECサイトなどでの販売がされなくなるという心配もありません。
2023年7月現時点での購入方法は、Makuakeのみです。Makuakeでのプロジェクト終了後の動きについては、現段階では判然としていません。
Makuakeでの購入の流れは、以下の通りです。
- Makuakeに登録し、ログインする
- プロジェクトページのリターン一覧から好きなプランを選ぶ
- 「応援購入する」という黄色のボタンをクリックする
- リターン内容などを再度確認し、「次へ」
- お届け先を入力する
- 決済方法を選択する
- 決済内容の確認をし、「確定」をクリック
- 決済が完了次第、購入完了
非常に簡単に、応援購入ができます。
なお、リターンの配送予定は2023年9月ごろより順次となっているので、注意しましょう。
SwitchNoteの良いところをレビュー
SwitchNoteは、複数のリフィルでさまざまなタイプのアイデア出しに対応しているのが特徴だと解説してきました。ほかにも、SwitchNoteのいいところがあります。そこで今度は、SwitchNoteの良いところについてレビューしていくので、ぜひご参考ください。
用途や好みによってリフィルを組み合わせられる
SwitchNoteは、リングノート式です。表紙が本体で、そこにリフィルを自分で挟んで使うようになっています。
さらに、左と右とで異なるリフィルを1セットずつ取り付けられるのが特徴です。公式は「右脳を使う作業」と「左脳を使う作業」とで、左右に分けていると説明しています。
つまり、直感的なアイデア出しと論理的なアイデアを練る作業とを一冊のノートで、リフィルを組み合わせることで行えるのがいいところです。
また、各リフィルには、以下のような特徴があります。
- 無地タイプ(白):一般的なノート
- 無地タイプ(灰色):白ペンが使える視認性が高いノート
- 方眼:5mmのマス目
- ドット方眼:5mm幅のドットと1枚を4つの区画に分ける分割線
- 罫線:6mmの罫線で文章を読み返しやすい
- 斜線:方向と形が異なる罫線で区分けしながら書ける
- 原稿用紙:15×15マスの255字詰め
これらを役割に応じて組み合わせるのが楽しくもあり、便利でもあるのが魅力です。
ドット方眼リフィルの活用幅が広い
ドット方眼リフィルの活用幅が、案外と広いです。
ドット方眼リフィルには、上下と左右に分割線が1本ずつ走っています。これにより4つの区画に分かれるのが特徴です。アイデアをカテゴリごとに分けて、1枚に書き留められます。思考の整理が非常にしやすいです。
さらに、分割線自体を活用するという方法もあります。
たとえば縦線の上に「ターゲット層に刺さりやすい」と書いておき、横線の右に「自分の好みに近い」と書いておくという方法です。
ターゲット層に刺さりやすく自分の好みに近いアイデアを、手短に右上に書きます。あとはアイデアごとに円や四角などで囲っておけば、最適なアイデアがわかりやすいです。
これは、直感的なアイデア出しというよりも、論理的思考でアイデアを整理するときに使えます。
ほかにもさまざまな活用方法があり、意外と汎用性が高いリフィルです。
企画職はもちろん、小説などの創作趣味やYoutubeの企画立案などにも使えそうです。
斜線タイプが意外と汎用性がある
SwitchNoteには斜線リフィルがあります。これは一見して使い道が難しそうですが、意外と汎用性があるのがいいところです。
公式説明では、「断片的なワードやアイデアを書き留めておく」と記載されています。線の種類によってカテゴリごとにアイデアを書き留めたりできるので、直感的かつ論理的なアイデア整理が可能です。
複数のものに対するアイデアを1枚でまとめたいとき、単なる思い付きをパッとメモしておきたいときに使えます。
また、創作で使いたい場合はインプットにも使いやすいです。映画を見たり小説を読んだりゲームをしたり、そのようなインプット中にはメモをすることもよくあります。
そのときに感じたことを直感でメモしておくのに、便利です。片側に白紙リフィルなどを置いておけば、後でメモを読み返して考えをまとめられます。
アイデアのアウトプットだけでなく、インプットもやりやすくなるリフィルです。
直感的なアイデアを論理的な思考に再構築しやすい
SwitchNoteの優位性は、直感的なアイデアを論理的な思考に再構築しやすいことです。
アイデア出しにおいて、まず大事なのが直感。パッと思い浮かんだことをその場でメモを取るのが、重要です。メモしておかなければ、忘れてしまいます。
ただ、それだけでは取り留めもなく利用しにくいものになってしまうのがネックです。
そこで、直感でメモしたものを後から見返してまとめる作業が必要になります。
これを一冊でできるのが、非常にいいところです。
たとえば小説のプロットを作るとき、「こういうシーンがやりたい」「こういう設定はどうだろうか」と思い浮かんだことをすぐにSwitchNoteにメモします。斜線リフィルなどが使いやすいです。
これを最初から煮詰めて整理しようとすると、躓いてしまうこともあります。
この直感で思いついたことを後で冷静に振り返り、不都合なことはないかなどを論理的に考えていくのが大事です。
これが左右で別れているノートでできるので、論理的思考すらも直感的にやりやすくなっています。
また、直感的にメモした内容を片側のリフィルをめくっていつでも遡れるのもいいところです。
通常のノートでやろうとするとまとまりにくいことでも、SwitchNoteならしっかりまとまります。
アウトライナーと組み合わせると最高
アイデアをカテゴリ分けしたり、メモして後から整理したりするツールと言えばアウトライナーもあります。
Dynalist、OmniOutliner、秀丸などアウトライナーツールは多いです。アイデア出しをする必要のある職業や趣味の方が、近年導入する例が増えています。
アウトライナーのメリットは、「箇条書きのようにまとまること」と「ツリー化できること」です。
ツリー化することで、アイデアをカテゴリごとに分けて読みやすくできます。後から順番を並べ替えることもできるので、一ページで直感的なアイデア出しと論理的な整理ができるというイメージです。
これを使えばSwitchNoteは要らないのではないかという意見もあるでしょうが、実はそんなことはありません。
むしろ、アウトライナーとSwitchNoteとを組み合わせるのが非常に快適です。
アウトライナーは、アイデアや情報の「因果関係を整理するデジタルツール」としての役割を担っています。後からいくらでも修正しやすいのが、魅力です。
一方SwitchNoteは、「直感を整理するアナログツール」という役割を担います。パッと思い浮かんだ直感的アイデアを片側にメモし、後から論理的アイデアとして構築しなおすのが得意なツールです。
アナログツールということもあり、直感的なアイデア出しという点ではアウトライナーよりも優れています。
ただ、因果関係を整理するのにはやや不向きです。
そのため、SwitchNoteでアイデア出しをして、その因果関係などをアウトライナー上で整理するという流れにすると、よりアイデアがまとまりやすくなります。
そのうえ、読み返すのはSwitchNoteのほうが楽で、修正するのはアウトライナーのほうが楽というのも組み合わせるメリットです。
既存のアイデア出しツールと競合しないどころか、役割分担ができるのもSwitchNoteの大きなメリットだと言えます。
使用済みのリフィルはB5サイズバインダーに収納できる
SwitchNoteは、リングノート式のため、書き終えたリフィルは市販のB5サイズバインダーに差し替えて保管することが可能です。
1枚1枚取り外しができるため、必要なページだけ残し、不要なページは捨てることが可能なため、情報を整理した状態を保てますし、後から見返す際に便利です。
バインダーにて収納する際の注意点ですが、SwitchNoteはリフィルを分割する真ん中部分にリングの隙間が空いているため、一つの穴分だけ空きが出来てしまうので念の為。
万年筆が滑らかに書ける
SwitchNoteの中紙で使われている用紙は上質紙が採用されています。
上質紙は万年筆の筆記耐性が強いわけではありませんが、気持ちよくぬらぬらと筆記できつつも多少のざらつきがあり、無駄に滑らない書き味です。
インクの裏抜けはしてしまうため、万年筆での筆記時に裏面を使用することはできませんが、裏抜けは気にしないから気持ちよく筆記したいという方は一度試してみると良いでしょう。
贅沢を言うと、裏抜けしづらい万年筆専用の用紙リフィルをオプションで出してもらえたら最高に嬉しいですね。
SwitchNoteの気になる点をレビュー
SwitchNoteの良いところについてレビューしてきました。リフィルによる使い分けや、既存のアイデア出しツールとの組み合わせによるシナジー効果などいいところは多いです。
ただ、もちろん気になる点もいくつかあります。今度はそんなSwitchNoteの気になる点についてレビューしていくので、ぜひご参考ください。
原稿用紙が15文字なのが気になる
SwitchNoteには原稿用紙リフィルがありますが、15×15文字なのが少々中途半端に感じられます。
原稿用紙は「キャッチコピーのアイデア出し」「タイトルや見出しのアイデア出し」で使えると公式では説明されていますが、15文字では若干短いです。
たとえば小説のタイトルは、近年長めのタイトルが好まれます。記事の見出しも、30文字前後の長めのものが好まれやすいです。
コピーは短くまとめるほうがいいという風潮が現代もありますが、現代では「説明重視」「わかりやすさ重視」の風潮が強くなっています。見出しやタイトルだけで中身を説明しなければならず、自然と長くなるという仕組みです。
文字数を正確にはかりながらアイデア出しがしたいという用途では、15文字で収まることがあまり多くはありません。
二行などにまたがると、少しわかりにくく感じられてしまいます。
ただ、短くまとめたい場合は二行にまたがると視認性が悪くなることにより、「どの程度の長さにしたほうがいいか」の判断がしやすくなるのも事実です。
短くまとめるキャッチコピー用としては、使いやすいと言えます。
組み立てるのが少々手間に感じる
SwitchNoteは、自分でリフィルを挟んで組み立てるノートです。
リングが一般的なリングノートよりも、固めに作られています。ガッチリ固定されるのがいいところですが、リング1つ1つをしっかり「カチッ」とはめなければならず、少々面倒です。
リングを開くときも、もちろん同様。
ただ、この手間で愛着がわくということもあります。手間がかかるために使い続けたいと思うという側面もあるので、一概に悪いところとは言えません。
自由な反面使い方を考えるのが大変
SwitchNoteは豊富な種類のリフィルを組み合わせて、使います。組み合わせパターンは49通りです。
各リフィルの使い方もおおまかには公式説明で書かれていますが、自由度が高いのが売り。決められた使い方はないので、自由な発想で使いやすいように利用できるのがいいところです。
ただ、その反面自分で使い方を考えなければならないというデメリットもあります。
一度自分の作業にピッタリな使い方を見つけてしまえば便利ですが、見つけるまでが大変です。
そのため、最初は全ての種類のリフィルを購入するのがおすすめ。そうなるとそれなりの値段になるので、初期投資としては高めになります。
しかし、長い目で見れば「アイデア出しの苦労を軽減できる」というのは大きな利点です。
自分で最適な使い方を考えられるかどうかで、価値が大きく変わる製品だと言えます。
実際に使った感想
SwitchNoteはアイデアを整理して実現させることをコンセプトとしたノートですが、アイデア整理だけのために使う必要はなく、自分好みに使うのがベストだと感じました。
私の利用方法としては、上の写真のように趣味の書写活のノートとして、また右側に仕事用のメモ、左側は落書きメモとして活用しています。
字を書くことが好きなため、これまでのノートだと大切な事を書いているノートの中に落書きをする癖があるのですが、後から見づらかったり他人に見せづらかったりしたわけですが、写真のように落書きは右側に統一させるといった使い方で解消できます。
後で必要なページを整理する際に、落書きがなくて人に見せても恥ずかしくないノートに仕上がります。
SwitchNoteはこんな方におすすめ!
- アイデア出しに苦痛を感じる方
- アイデアを出すのは得意だけど、整理するのは苦手な方
- アイデアを整理するのは得意だけど、出すのは苦手な方
- デザイナーの方
- 企画職の方
- 作家の方
- ライターの方
- 創作趣味の方
- ノートに落書きしてしまうのを整理したい方
SwitchNoteは、以上のような方々におすすめです。
まずは、アイデアを出したり論理的に整理したりするのが苦手な方。アイデアは、脳内でこねくり回しているだけでは、まとまりません。
加えて、思いついたことをすぐにメモする必要もあります。逆に、些細なことでも面白そうな発想を随時メモして、それを後から煮詰めていけばアイデアがまとまりやすくなるということです。
SwitchNoteを使えば、アイデア出しも論理的な整理もしやすくなります。作業が楽になれば、生みの苦しみも軽減可能です。
さらに、日常的に「アイデア出しをする必要のある方」全般におすすめ。
仕事だけでなく、創作やYoutube活動などの趣味でも使えます。より良いアイデアを出したい、より良い作品を作りたいという方には非常におすすめです。
PCデスクにこのノートを置いておけば、仕事も趣味も捗ります。
まとめ|ノートでアイデア出しを効率化しよう!
本記事では、SwitchNoteの良いところと気になるところについてレビューしてきました。
思考を整理するためのノートというコンセプト通りで、非常に使いやすいノートです。一般的な方眼ノートや白紙のノートではできないことが、SwitchNoteを使えば比較的簡単にできるようになります。
アイデア出しが苦手な方や、日常的にアイデア出しと整理をする必要のある方はもちろん、普段のノートが落書き帳になってしまったり、書写活を趣味にしている方にもおすすめです。