万年筆は万年筆自体の書き心地や様々なインクの色合いを楽しめることが醍醐味。でももう一つ忘れてはいけない大切な醍醐味が、実際に万年筆で筆記する為の用紙です。現在は万年筆ブームの影響もあり、各メーカーから万年筆に最適と言われる用紙がたくさん発売されています。
一般的に万年筆に適した用紙は裏抜けしない用紙であることが前提となり、その上で用途ごとによる選択、好みの筆記感で自分好みの紙を選んでいく(探していく)流れになります。例えば手帳なら薄い用紙のトモエリバーとか、ノートであればフールス紙が良いとか。そして書き心地にこだわったグラフィーロ・ライフライティングペーパー・バンクペーパーなどなど様々な用紙が登場してくる訳です。
私の場合、現在ではシステム手帳をメインで利用しておりノート機能もシステム手帳に集約していますので、用紙が薄くてとにかくたくさんの枚数を手帳に挟めるトモエリバーをメインで使用しています。トモエリバーだと一般的な用紙と比べて30〜50%増しで枚数入れられるのが有難いです。ほぼ日手帳やジブン手帳で使われている用紙でもありますので、ご存知の方も多いのでは。
さて、冒頭にて用途や好みによって紙を選ぶ話をしましたが、快楽を追求という用途に適した紙がありますので今回は紹介したいと思います。
万年筆での筆記にこだわり抜いた用紙【ヌルリフィル】
万年筆に適した用紙と言っても、用紙それぞれの特徴がありそれぞれ書き心地が異なってきます。写真は私のシステム手帳ですが、万年筆に合いそうな用紙をいくつか並べて気分に応じて書き心地を楽しんでおります。
上からフールス、グラフィーロ、コンケラーレイド、コンケラーウーブ、トモエリバー、ライティングペーパー、そして一番下がヌルリフィル(ユポ紙)で構成されており、それぞれの用紙によって滑りやすいぬらぬらとした書き心地であったり、レイドが入っていてざらつきを感じながら筆記できたりと全く書き心地が異なってきます。
※全てがシステム手帳のリフィルとして販売されている訳ではありませんので、販売されていない種類の用紙は、用紙だけを購入して手帳用リフィルとして自作しています。
さて、今回紹介するのが一番下に構成されているヌルリフィルというここ数年話題になっている用紙。
これまではぬるぬる系の用紙ではグラフィーロが私の中の基準でしたが、その基準がサクッと入れ替わり、私にとってヌルリフィルがぬるぬる系のディファクトスタンダード的存在になっています。
こちらヌルリフィルで試筆させてもらった時の写真。一緒に試筆させていただいたクロスコンコルドエンペラーにも心を奪われてしまった訳ですが、とにかく書いてて気持ち良いです。
書き心地について
ヌルリフィルの書き心地を言葉で説明するのは表現のボキャブラリのない私にはとても難しい事なのですが、まずペン先を用紙に当てた時にピトっと用紙にペン先が吸い付くようなしっとりとした感覚を覚えます。
その上で筆記感は「ぬるぬる」というより「つるつる」という表現が近いと思うのですが、つるつるしすぎて滑りすぎるのではなく、上に記載したペン先が吸い付くような感覚とが丁度良くバランスが取れて気持ちの良い筆記感に繋がっているように感じます。
ここで一つ面白いのが、一般的に万年筆本体の筆記性能によってぬるぬるな筆記感になったりカリカリとした筆記感になる訳で、金ペンで更には太めのニブの方がペン先が柔らかくヌルヌル感を味わえるのですが、このユポペーパーを使用したヌルリフィルでは、カリカリとしたスチールニブでもヌルヌルとした筆記感に変貌するということ。
私自身、いくつかの万年筆を持っておりそれぞれ違う色のインクが入っていますので、インクの発色を試した時に気づいたのですが、スチールニブを使用して他の用紙に筆記した感触とヌルリフィルで筆記した感触は明らかに異なります。
もちろん元々からヌルヌルとした書き心地の万年筆であれば、ずば抜けたヌルヌル感を味わえますので是非この筆記感を味わっていただきたいです。
そもそもユポって?
さて、何度かキーワードで登場したユポについて簡単に説明します。ユポというのは、株式会社ユポ・コーポレーションがもつ登録商標で同社の製品名でもあります。一般的な用紙とは異なりポリプロピレンで作られた用紙で耐水性や強度に優れており、用途としては選挙の投票用紙やポスター、シャンプーなどのラベルに使用されています。
鉛筆や油性ペンでの書き味は一般的な用紙と遜色無いものの、耐水性に優れている=吸水性に欠けるため、インクを紙に吸わせるタイプの水性ペンや万年筆には適さないと言われていました。万年筆には適さないと言われるユポ紙を万年筆専用紙に生まれ変わらせたのが、もともと印刷業界で勤務しており万年筆の愛好家でもある聿竹さん。
聿竹さんのTwitter:https://twitter.com/ItsutakeDemboku
そんな聿竹さんが、「ユポに万年筆を使いたい!」という純粋な想いから、企画開発を経て誕生したペーパーであるとの事です。
元々は吸水性の無い紙をベースに開発された用紙であるため、万年筆での筆記後の乾きは他の用紙と比較すると遅いのも事実です。しかしヌルリフィルにそんな乾きのスピードを求めるものではありません。とにかく万年筆で最高に気持ちよく筆記するための用紙。それがヌルリフィルなのです。
万年筆でも気持ちよく筆記出来るヌルリフィル。本家ユポ紙と比較してその実力を測ってみた!
先日ヌルリフィルと一般的なユポ紙の筆記性能の比較を行ってみました。同じユポ紙なのに耐水性・速乾性に対して圧倒的な違いがあり、改めて素晴らしいものを開発したと感動しました。
気持ちよく筆記ができる万年筆でさらに気持ち良い筆記感を味わいたい方、ぜひヌルリフィルをお試しいただければと思います。
3 件のコメント
こんばんは!
ニトムズボールペンの件はありがとうございました^^
「滑らかさだけだと、アクロインキやジェットストリームの方が軍配があがる」もうこれで私の中でクリアになりました!
ありがとうございました^^
ユポ!
これは私もたまらなく好きです。
もちろん鉛筆でしか書いたことが無いですけれど。
私も、筆記具好きのためかとても紙にこだわるので、日めくりカレンダーの紙と、トモエリバーの紙をそれぞれA4サイズで買った事があります。500枚も。
しかし高いんですよね(当然か)。貧乏性なので、それぞれ20枚程度使っただけで放置して、普段使いのリーガルパッドに戻っちゃいました(苦笑)
でもこうして見ているとユポ、欲しいなあ。
ちなみに私は絶対に万年筆には手を出さないようにしています。
私の浪費具合からすると、そっちまで手を出すと「ご利用は計画的に」の貸金業にも手を出してしまうと思えます(冷や汗)
本当にすごいですよね。万年筆マニアさんたちは。ン百万円とかになりますから。
ともこさん、こんばんは!
ぜひ、万年筆に手を出しましょうよ!笑
あ、でも確かにTwitterでフォロアーさんの動きを見ていますと、大変なことになっていますよね^^;
おっしゃる通り計画的なご利用が必要になっちゃうかもしれませんね笑
ちなみに僕の場合は、カメラでン百万円になりました。。苦笑
しかし500枚単位は中々のものですね〜。
でもまあ自分も数えると、トモエリバーは日常の必要生活品なので何百枚と購入しているかもしれませんね^^;