薄くて軽量、そして万年筆で書いても抜ける事なく気持ちよく筆記ができるトモエリバー。ほぼ日手帳やジブン手帳などの有名な手帳でも採用されており、トモエリバーという名前を聞く機会も増えていますね。
また、システム手帳用のリフィルでもダヴィンチなどはトモエリバーで作られたリフィルを販売しており、トモエリバーを使う事で同じ枚数の用紙を入れても嵩張らない事で私自身も重宝しております。トップの写真はA4サイズのトモエリバーとシステム手帳用のリフィルとしてのトモエリバー。A4サイズの方はもっぱら習字で愛用しています。
そんな素晴らしいトモエリバーですが、ボールペンで筆記すると裏抜けしてしまうという問題(裏抜けというよりも劣化なのかな)があり、その中でもジェットストリームとの相性が悪いという話を良く耳にします。
実は私、昨年にトモエリバーで筆記しても裏抜けしないボールペンを探してみよう、また本当にジェットストリームだけがダメなのかを検証してみようと思い、日本で販売されている主流のボールペンを使って裏抜けの検証を行なっていました。
ジブン手帳に最適なボールペンを徹底検証。様々なボールペンを使って裏抜けを調査するよ。
当時はジブン手帳を使用していましたので、ジブン手帳をベースに検証していますが、他の手帳でもノートでもトモエリバーを使っているものであれば同じ結果になるはずです。
検証を開始してから丁度1年が経過しましたので改めて状況を報告したいと思います。
検証を開始してから3年が経過しましたので、3年経過後の状況もお伝えいたします。
トモエリバーの裏抜け・劣化状況(1年経過後)
こちらが初期の状態で昨年セットアップした時の写真です。国内で発売されている各種ボールペン(インク)にて筆記を行いました。
使用したボールペンは、三菱鉛筆ジェットストリーム、アクロボール(アクロインキ)、Pentel VICUNA、ZEBRA Surari、Tonbow リポーターズスマート(SMARTインク)、Towbow LUCE(エアータッチインク)、OHTOのニードルポイントといった各社から発売されている低粘度油性インクボールペン。従来型油性ボールペンとして、ZEBURA クリップオンマルチ、PowerTANK、Tombow AirPress、Pilot DownForce、および、エナージェル、サクラボールサイン、サラサ、シグノなどの水性インク(ゲルインク・ジェルインク)ボールペン。最後にフリクションペン。
裏は下の写真の状態からのスタートです。
エナージェルやサラサドライなどの一部の水性インクは筆記したタイミングで裏抜けしていますが、他はほぼ綺麗な状態でした。
こちらのセットアップをして数ヶ月後システム手帳に切り替えてジブン手帳を使わなくなってしまった為、現在では下の写真の様にリフィルとしてシステム手帳に挟んでします。
こちらの裏側がどうなっているかが下の写真。
少しわかりづらいので、大きく写します。
ジェットストリームおよび、アクロインキは抜けてしまっています。インクによって抜ける色が異なる様ですね。※抜けると言うより劣化が正しいかも。VICUNAとSurariに関しては、ほとんど抜けが感じられませんでした。どっちも綺麗ですがVICUNAの方が若干抜けていますかね。
驚いたのが、三菱鉛筆のピュアモルト(加圧)です。こちらのインクは従来型の油性インクで抜けづらいと思いましたが、青っぽく抜けている様に見えます。個人的には一番推していたインクだったのでちょっと残念です。
OHTOのMULTI-Smartも抜けが見受けられますね。
Air Press、Down force、Power TANK は大丈夫そうです。と言うか、Power TANKとピュアモルトの加圧って同じ三菱鉛筆なのに違うのかな?と感じます。
ENERGER、SARASA、SARASA Dry、Ballsign、Signoは水性インクになりますが、SARASAは大丈夫だけど、SARASA Dryは抜けるというのもちょっと驚きました。
トモエリバーの裏抜け・劣化状況(3年経過後)
検証から3年が経過しましたので改めて状態を見ていきましょう。
1年経過後の状態と比べて明らかに変化したのが表の筆記面。ジェットストリームやアクロボールなどで筆記した箇所については、文字の色が薄くなり褪せてしまっているように見えます。
裏抜けの状況に関しては、1年後の状態と比べてより裏抜け・劣化が目立つようになりました。ジェットストリームは1年後の状態と3年後の状態だとさらに黄色が増してきましたね。ボールペンの種類に関しては1年経過後の状態と変わらず、ジェットストリームとアクロインキが一番抜けており、VICUNAは抜けてるかな?どうかな?というレベルです。ビュアモルトの加圧インクも前回同様青っぽく抜けているように見えますね。
まとめ
3年間検証してみましたが、優れているな〜と感じたのが、ゼブラのクリップオンマルチ。ゼブラの油性インクは大手文具メーカーの中で唯一低粘度をアピールしていません。私は、クリップオンマルチおよび、シャーボなどでゼブラの油性インクを使用していますが、書き出し・ダマの状態・滑らかさなど人気の低粘度油性インクと比較しても遜色ありませんし非常に書きやすいと感じています。
また、一般的な油性インク(低粘度油性インクではない油性インク)に関しては、抜け・劣化は目立っていません。ここで検証しているものだと、トンボのAirPress、パイロットのDown force、三菱鉛筆のPower Tankなどです。三菱のPower TANKに関しては、同じ加圧なのにピュアモルト加圧は青く抜けて普通のPower TANKは抜けないという結果になったのも面白いですね。
その他なめらか系だとエマルジョンインクがトモエリバーと相性が良いこと確認できました。
もちろん、この検証は対トモエリバーでの結果であって、他の用紙であればこういった結果にはなりません。ジェットストリームにしてもアクロインキにしても滑らかでダマが出来づらく非常に優れいてるボールペンですので、用紙のベースをトモエリバーにし長期保存を考えている方は参考にしていただければと思います。
長期保存はしない前提でのトモエリバー+低粘度油性インクは気持ち良く書けますし、紙一枚一枚が薄くて嵩張りませんので最強の組み合わせであることは間違いありません。
4 件のコメント
経年劣化ロードテスト参考になります。
今後も劣化具合続けていただけたい。