子供の頃、父が鉛筆をナイフで削っていたのを見ていて、なぜ電動の鉛筆削りがあるのにナイフで削らなきゃいけないの?そんな質問を投げかけた思い出があります。
その時の父の答えは、
「これが良いんだよ。」
長い時間をかけて何本もの鉛筆を楽しそうに削る父を見ていて不思議に感じていましたが、最近になり、その良さが少しだけ分かるようになった気がします。
削りカスから漂う木の香りや(電動の鉛筆削りでも漂ってきますが)、うまく削れた時の達成感、また鉛筆が小さくなっていくのを見ていくことでその一本一本の鉛筆に愛着が湧きます。
今回紹介するのは小さいけど重厚感があり、ただならぬオーラを醸し出している鉛筆削り。ドイツDUX社が販売されているシャープナーです。
昔ながらの鉛筆削りですが、真鍮製で手に持った重量感はなんとも言いがたいものがあります。
電動の鉛筆削りと比べたら削りにくいのは当然ですし、削るのにも少しコツが必要です。でも、このシャープナーで削っている時の削り心地、そして削り屑から出る木の香りがなんとも心地よいのです。
丸くなった鉛筆を削るという作業は、効率だけ考えれば面倒な作業。でも、こいつを使い始めてから、鉛筆を削るという単調な作業が楽しみの一つにもなりました。
靴を磨いている感覚に近いのかもしれません。
鋭さを調整するダイヤル付き
さて、このシャープナー、重厚感のある真鍮製のシャープナーだけではありません。
機能面でもこだわりがあり、鉛筆の鋭さを調整できるダイヤルが付いています。写真で見るところの丸く出っ張ったところに記載のある 1,2,3という数字がダイヤルとなっており、ここを回すことで鉛筆の鋭さを調整することができます。
調整は、1(鈍め)、2(普通)、3(鋭く)の3段階設定。ダイヤルを調整することで鉛筆を刺した時の進入角度が調整され、それが鋭さに影響されるようです。
ちなみに写真の奥から1,2,3のダイヤルで削ったものになります。
使い手の好みに合わせて削り方を変えられるのは嬉しいポイントですね。
また、このDUXシャープナーは替え刃も別売りで販売されています。刃は使っているうちに削れにくくなってしまいますが、定期的に刃を変えてあげることで末永く使えるのも嬉しいポイントです。※替刃は一般的な文房具屋には売られているのをあまり見たことがないので、シャープナー購入時に一緒に替え刃も購入することをお勧めします。
ぜひ、アナログな鉛筆削りを楽しんでみてください。