ペン工房キリタという筆記具ブランドがあります。
昭和22年に創業し、国内大手筆記具ブランドの下請けとしてボールペンやシャープペンなどの筆記具をOEM生産してきた桐平工業が、自社ブランドとして立ち上げた筆記具ブランドです。
特に金属製の高級筆記具の分野で強みをもち、ブランドボールペンの供給元としての地位を築き、自社ブランドとしても重量感のある金属製のペンを中心に販売しています。
目次
日本のボールペン事情
日本の筆記具事情に関して世界と比較すると、圧倒的に性能が高く、圧倒的に人気があって、そしてかつ圧倒的に安いと言う感覚があります。
万年筆もそうですし、特にボールペンの分野に目を向けると驚くほど。
多くが知っているところでお話しすると、ジェットストリームという低粘度油性インクを搭載したボールペン。安いものだと1本100円で購入できますが、圧倒的に性能が高く、人気があって、そして安く購入できます。個人的に書き味でジェットストリームと対抗できる海外製の油性インクはカランダッシュのゴリアット芯だけだと思っています。
またジェットストリームだけでなく、アクロインキ、エナージェルなど、ボールペンで素晴らしい書き味を実現することにおいては日本のメーカーがずば抜けているのです。
なぜ日本のメーカーがずば抜けてるかって私のようなユーザーが言えるかって?
世界中の筆記具ブランドの油性ボールペンインクリフィルを集めて書き味の違いを楽しんでいるから。
【本当のおすすめボールペンを探す!】世界中の油性ボールペン48種類の書き味と性能を徹底比較
自分で言うのもアレですが、各ブランドのボールペンの書き味については詳しい方だと思います。
国内の高級ボールペン軸
それだけ素晴らしい書き味のボールペンを開発する日本ですが、高級分野のボールペン軸になると話は全く異なってきます。世界のトップブランドでは、数万円単位の高額ボールペン軸が当たり前のように販売されて売れていますが、そういった軸の中に日本ブランドはなかなかランキングされません。※もちろんゼブラのシャーボXやパイロットのリッジなど、精度の高い高級多機能ペンや特殊な素材を使った高級ボールペンは存在します。
また、圧倒的に書き味の悪い海外ブランドのボールペンの方が、人気が高く売れ続けているのですが、面白いことに購入した海外ブランドのボールペン軸には日本ブランドのインクを挿して使っているユーザーも多いのです。(筆記具界隈はほとんどそんな感じです。私も含め)
デザインは海外ブランドの筆記具が好きだけど、書き味は日本のインクが好き。
高級ボールペン軸の市場においては、残念ながら日本の筆記具ブランドはインクリフィルの供給メーカーでしかなくなっているのです。
キリタの筆記具
そういった中で日本ブランドの高級筆記具を盛り上げていこうと立ち上がったのがペン工房キリタ。昭和22年に創業創業し、大手メーカーへの供給元として長年実績を積んできた東京下町発祥の筆記具ブランドです。
私の中でOEM会社から有名になった筆記具ブランドというとTWSBIが頭に浮かびます。
TWSBIは1968年に台湾で創業した三文堂筆業が、2009年に立ち上げた万年筆ブランド。約50年、様々なブランドのOEM会社として万年筆製造の経験を積み、その技術・経験を元に独自ブランドとして誕生したのですが、とにかくペン先の加工技術が信じられないほど秀逸。
TWSBIでは基本的に鉄ペンしか作らない(金ペンを作らない)のですが、その鉄ペンの書き味が圧倒的に素晴らしく、値段が全く違う金ペンの意義を考えさせ得られたほどです。
【TWSBI万年筆】書き味・デザイン・機能よし!メンテ力も抜群でお値打ちな万年筆
長年頑張ってきたOEM企業って素晴らしい技術を持っている企業が多いんですよね。
ペン工房キリタが目指す筆記具は、適度な重量感があり、質感の高い、落ち着いた大人のペン。あえて斬新なデザインや先進的な技術を追わず、熟成した構造で安定した品質の筆記具を作っています。
とは言いつつ、シルバーや真鍮の金属棒を職人が一本一本削り出して作った筆記具など、ブランド名で高級とするのではなく、質の良い素材を精巧な技術で作り上げる本来の高級品を提供する筆記具ブランドだと感じます。
純銀無垢材(シルバー925)と真鍮無垢材(ブラス)を金属棒の状態から職人が1本1本削りだしたボールペン。純銀は汚れていく感じとそれを磨いて光らせるのも楽しみになります。真鍮はエイジングbに味があって良いですよね。
プレゼントにも最適
ペン工房キリタの筆記具は、ネーム入れだけでなく、天冠やクリップのカスタマイズまで対応してくれてオリジナリティーを出せますので、プレゼント用にも最適です。
デザインはもちろん素材感と作りの精巧さを感じられる筆記具ですから、父の日のプレゼント、誕生日祝い、就職祝いなどなど、間違いなく喜ばれる一本となるでしょう。
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