大規模な万年筆インクイベント【INK.ink.ink】が2018年9月19日より銀座伊東屋地下インスピレーションホールにてスタートしました。
このイベントは500円の入場料で1000種類ものインクを試せるという万年筆(インク)ファンにとってはたまらなく有難いイベントです。※ほとんどが万年筆用のインクで、一部万年筆には適さないインクもあります。
イベント初日は13時から閉店の20時まで約7時間居座らせて頂いたので、インクイベントの状況をお伝えします。
(翌日20日も行きました)
銀座伊東屋 INK.ink.ink
イベント状況
まずインスピレーションホールに入って見える風景はこのような風景で3列に渡って各ブランド・各シリーズごとのインクが飾られています。
試筆用の1000種類のインクプラス、販売用のインクも置かれているので合計するといったいどれくらいのインク量がこのフロアに置かれているのか。全部合わせたらガチなインク沼が作れそう。少なく見積もってもお風呂分はある。
よし、この1000色全制覇しよう。
そんな気持ちで入場料の500円を支払い、付けペンと専用ノート・インクリスト及びティッシュをもらうとともに簡単な説明を受け会場内に入ります。
入り口で受けた説明は、
- 付けペンは帰りの際に返却する事
- 1日の間は何度でも行き来出来る
- インクを変えるときは付けペンをよく洗いティッシュで拭いてからにする事
などです。
一通りの説明を受けていよいよ中へ。
インクはそれぞれのブランドと種類ごとに陳列されているので、お目当てのインクは探しやすいと思います。
どこから手をつけようかと悩みましたが、とりあえず1番右手前に飾られていたダイアミンのラメ入りインク(シマーリング)からスタートしました。
貰ったノートはインクボトルが描かれているのでそのボトルの中を各インクで塗って、その下にインク名を書いていきます。
こんな感じ。
ダイアミンのラメインクはかなりの色数がある(30色以上)、そしてラメ入りインクの為キャップを開け閉めする必要がある事からこのゾーンを書き終えるのに相当な時間が掛かりました。
45分くらい費やしたと思います。
続いては同じくダイヤミンの150周年ボトル、ROHRER & KLINGNER、KWZ Inkへと続きます。
ここまで書き終えて88色、時間は3時近くになっていました。(1時間半ほどかかっていた)
この時点で大きな失敗をやらかしていることに気づきます。
最初に試筆したダイヤミンのシマーリングインク。シマーリングはラメ入りのインクで、ラメがボトルの下に沈殿してしまうため、事前にボトルを振って沈殿したラメを浮かせてあげる必要があります。その為、ボトルキャプが取り付けられているのですが、ボトルを振らずに試筆してしまったため普通のラメ入りではないインクと変わらない筆跡しか残っておりませんでした。
大切な事なのでもう一度。ラメ入りインクは振るためにキャップが付いてます。
意味なし・・・。
続いての失敗が最初は名前を書いていたのに、途中から名前を書くのを辞めてしまったこと。
ブランド名が分かれば後で照合できると思ってスピードを優先して書くのを辞めたのですが、改めてノートを見返してみるとなんのインクリストを作っているのかよく分かりません・・・。同じブランドでも似たような色合いが多くあるわけで。
ついでにもう一つこの時点で気づいたのが、インクによっては2段目があるということ。
陳列されている棚の上だけ見ていましたが、よくよく確認すると2段目にもインクが並んでおります。平たく言うと順番に書いていったはずなのに途中すっ飛ばしたものが出てきたという事です。
ここで全部試筆するという目標には諦めがつき(心が折れまして)、一旦外に出て心を落ち着かせます。
改めて会場に戻ると、これまで気づきませんでしたが知人が何人か居て、一つ一つのインクを丁寧に纏めていました。
それを見て私も丁寧に書こうと改心。
受付近辺を覗いてみると、なんとグラフィーロのA5ノートが販売されています。
グラフィーロというのは神戸派計画より発売されている万年筆での筆記に適したノートで、私の中ではトップクラスの書き心地を誇る紙質です。
このグラフィーロのノートを1冊購入し、一から丁寧に作り直すことに決めました。
結局閉店の20時まで試筆を続け、試筆できた本数は約214本。
気になっているインクをメインに試筆しました。
2日目は前日に興味あるけど書きそびれたインクを中心に書き足していきました。途中でノートを一冊使い切ったので、2冊目のグラフィーロノートをその場で購入。ノートが無くなったらその場で購入できる導線素晴らしい。
イベントで気づいたこと・準備しておくと良いこと
この二日間イベント会場にいて試筆を続けましたが、当日気づいたことや事前に準備しておけばよかったと感じたことをまとめます。
また、台にインクが溢れていたり、またインクをこぼしてしまって洋服が汚れてしまう可能性もありますので、汚れても大丈夫な服装で行くことをお勧めします。
ちなみに丁寧に書いて1ボトル1分ペースでも途中でつまずくシーンが必ず発生します。この二日間で1番つまずいたのは、名前が書いてないインクや名前が読みづらいインクがありそれを調べるのに時間を要しました。
※インクリストは受付時に配布されるのでリストから調べることは可能。
実際に試筆できた色数は、初日は約7時間居たが途中やり直しが発生したりとにかく段取りが悪く214色。2日目は17:30に到着、20時までの2時間半で128色でした。初日と比べてだいぶ効率は上がりましたがその程度です。
他にも気をつけておいた方が良いこと、事前に準備した方が良いことはあると思いますが、取り急ぎ思いついたのはこんな感じです。
それとインクは増えます。こんな楽しいイベントに参加させて貰って何も買わないはずがなく、私はノート2冊、インク帳リフィル1冊、インクが2本増えました。イベント中もう数本増えそうな気がしてます。
趣味文さんとAshfordさんがコラボで作られた「Life log refikk INK」。こちらのご購入もお忘れなく!
最後にもう一つ。
本気で試筆したいのであれば、もらったインクノートではなく、各ブースに置かれている試筆用紙がオススメです。
写真の上が頂けるインクノートで、下の長方形の用紙が各ブースに置かれている試筆用紙ですが、この試筆用紙、試筆用といえどグラフィーロが使用されておりめっちゃ贅沢な紙だったりします。少なくともインクリストで使われている用紙とは比べ物にならないほど万年筆筆記に適した用紙です。
※グラフィーロはインクによって色の表情が変わるケースもあるので、理想は普段筆記しているノートで試筆する事だと思います。
何はともあれ試筆用紙にグラフィーロを置くなんて、伊東屋さんすごいですよ。
まとめ
このINK.ink.inkというイベント、控え目に言っても最高に楽しいイベントです。
これまでインク熱は冷めていた感ありますが、先日発売された趣味の文具箱のインク特集&今回のイベントにて完全に火をつけられてしまったような気がします。
このインクイベントは9月26日まで開催しているので、都合がつけばもう何度かお邪魔したいですね。
最後にスタッフのみなさま、運営はすっごく大変でしょうけど頑張ってください!感謝です!